「療養病床」を半分の18万床まで減らすー2
高齢者の家族を持っている方ならご存知だろうが、入院となると最近の病院は、「一般病床」と「療養病床」に分かれている。一般病床というのは、たとえばガンならガン、心臓疾患なら心臓疾患の手術を受け、その後の治療のために入院する病床だ。だから、入院患者はまず一般病床に入る。
そうして、回復すれば退院して自宅に戻ることになるが、回復が遅いと、「療養病床」がある病院に移ってください」と言われる。
一般病床と療養病床を備えた医療機関もあるが、大半の病院は一般病床だけである。多くの高齢者は、一般病床での治療後は病院を移る。この移る先が療養病床専門の病院であり、現在、これがなんと36万床に増えてしまったというわけだ。
療養病床専門の病院では、これまで、重症でない患者まで受け入れてきた。もちろん、車椅子、寝たきりなどの重症の高齢者が中心だが、重症でない高齢者まで受け入れたのは、ほぼ金儲けのためと言っても過言ではない。
しかし、こうして、2014年の医療費改定で、増えすぎた医療病床を減らすことが決まった。
まず2年で、いまの4分の1に当たる9万床を減らす。そうして、ゆくゆくは半分の18万床まで減らす。さらに、身近な診療所や中小
病院の医師が糖尿病などの治療や管理をする「主治医制度」も新設された。
つまり、病院ではもう高齢の重症患者の面倒をみない。出て行ってもらう。まして、症状が軽い患者は受け入れないということになったのである。