最近の若い主婦は鮮魚の目玉が怖いからと、魚屋の新鮮な魚よりスーパーの「刺身盛り合わせ」を好むそうです。
と、すれば当然ながら、とれたての風味や味を保つための農家の知恵である「泥つき人参」より、ブラシでを落とした美人顔のきれいな人参を好むことになりますね。こいつは、表面の薄皮も剝けて鮮度も保存度も風味も落ちてるんですぜ。人参独特の甘さや香りに「みずみずしさ」も泥つき人参なればこそ。大根とはどっちが? そりゃあ真っ白な大根には色気で敵いません。でも、泥を流した後の人参ならいい勝負・・・なに? 色気じゃなく食味のことですか? 私たち人参の自慢は、なんたって安価で美容と栄養に優れてるためのレシビの多さです。なにしろ何にでも合うのですから便利です。サラダ、キンピラ、あえもの、ケチャップ炒め、塩辛とのチヂミ、ほうれん草とのくるみあえ、キャベツとの切り漬け、蟹玉あんかけとのサラダ、ぶりの照り焼きにも・・・うーん、やっぱり主役じゃないのが悔しいなあ! 文・村長