不能ストレス-1
デキなくなる症候群の増加-1
不可能とは不能のことである。
不能とはデキないことである。
と、いうと男性能力不発揮症状か? と思われた読者は多分、その経験体験者、とは限らない。ここでは表題を広義に用いたい。
「うちの子、デキが悪くて」と、一応謙遜したふりの教育ママ。「今月も赤字、貯金などとても出来なくて……」と溜息まじりの主婦。「医療費増の影響か、病人がデキなくて」と、ヤプ開業医のボヤキ。「タマがとれなくて……」と、神戸のヤクザ。「海外留学がデキなくて」と、できの悪い高校生。「うちの主人は料理がデキなくて」と、怠けもの主婦。「法律改正がデキなくて」と、右傾政治家。「借金がデキなくて」と倒産寸前経営者。「犯人逮捕がデキなくて」と、成績不良の警察官。
「この頃さっばりアレがデキなくて・・と、嘆く男も増えつつある。アレには、金、仕事、読書、時間、など何を入れても結構だが、間違ってもアレだけは入れてはいけない。もちろん正解はない。
最近、ストレス解消サロンにおける相談内容で増加いちじるしいのは不能症候群とでもいうべきか、ぜいたく病といアレうべきか、突然なにかがデキなくなる症状である。
絵を描いていた画家が突然、絵が描けなくなった、と筆を捨ててボケーツとしていたり、タレントが突然、カメラが恐くなり急性胃炎になって「番組を降りる」、と言い出したりする。
中小企業の社長が、不利な商談中に、吐き気を催して席を立ち、付き添いの部下に「社長をやめたい」など、突然なにかがデキなくなる症状が「できないストレス症候群」なのだ。