ストレスと平均寿命-2

くれないストレス-2
(亭ピチギャルを連れてくる!」主の収入が増えてくれない……)

ストレスと平均寿命-2

「低成長安定期に入り、企業の収益も極度に低下した今日、己れのみの年収増加を望むことは当社の体質からいって」と、突如、体制側べったりになって低収のいいわけをしたり、「ピラミッド型構築の会社組織の最下部に参入してこの方、高齢化社会の到来で停年も延長になり、猛烈社員の減少でポックリ死もなく、1席に空きがないため出世が遅れているだけ」とか、「欲しいものを買ってくれといったって八百円亭主(五百円亭主が格上げになった)に何をしろというんだ」とややヒステリック気味。
「旅行?俺が行ってるのは出張だぞ。しかも新幹線出現のおかげで盛岡日帰りだ、それでよければいつでも行って来い!」と、もはやヤケクソ。
「夜の要求? なんだそれは、新婚のころはそそたる風情での情緒豊かなまぐわいも楽しかったが、今、豊かなのはイビキぐらい、寝顔を自分で見たことあるか(見られるわけがない)、大口開いてヨグレをたらし、ネグリジェはだけて大股開き……」で、眉をしかめる。
「対話不足とは何だ? 昔の亭主は、シンブン、メシ、イッテクル、カエッタゾ、スルゾ、ぐらいの言葉でコト足りたと聞いている。
隣り町のスーパーのバーゲンでメロンが二コ五百円だったとか、五軒先の公務員のご主人をもつ奥さんが外出がちになり、しかも服装やお化粧がヤケに派手になっているから怪しい、とか、一体全体亭主の俺とどんな関係があるんだ!」と言いたいところだが、実はその奥さんと深い関係でドキッとしたりして。
「自由な時間、外泊、浮気、みんな俺がしていいんだ」
「よおし、こうなったら目には目をだ。若いツバメでも何でもくわえこんでみろ。俺はピチピチギャルを連れてくるぞ!」
ところが、ピチギャルはオジン嫌いで、口をきて頂けることさえやっとの有りさま、まずは無理と承知だけに、ここはただ怒り狂うだけで何もできない。
「スワッピング?」
ここは絶句、趣味の問題だから、参加ご希望の場合は多少しかめっつらをしておもむろに、
「どうしてもというんなら、付いていってもいいよ」というか、ニコニコと目尻を下げて「行
こう行こう」とすぐ腰を浮かすのも自由、ただし愛情の残っているカップルはやめたはうがい
いような気がしないでもない。
「離婚?」
ここれはもう慰謝料や財産分与などのオマケがついて来るので、そう簡単にはいかないのだ。
結局、「くれない」をテーマのストレス問題は、亭主である男側にツケがまわるのがオチ、イライラがつのり、寿命も縮まる。
だからこそ、女と男の平均寿命に差が出るのだ。