花見正樹のストレス・エッセイ
不眠ストレス-5
やる気が起こらない毎日-3
やがて離婚話、会社は肩叩き、四面楚歌の中で煙草と酒の量が増え、胃潰瘍と診断され、分半に一人がガンで死亡する」などの統計を思い出し、死の恐怖におびえたりする。これはもう末期的現象、救いがない。 認識が正しければこのような過ちは発生しない。
まず眠りの科学から分析すると、レム睡眠とノンレム睡眠と二つの眠りの型がある。レム睡眠は肉体は寝返りを打ったり眼球がキョロキョロ動いたり、それでいて心身共に休息をとっているのである。
ノンレム睡眠はもう、死んだようにぐったり、当然疲労も大幅にとれ、体内の細胞も活性化、この二つの眠りのタイプが交互におとずれ、そのサイクルは約一時間半。 二サイクルで三時間、三サイクルで四時間半、四サイクルで六時間、五サイクルで七時間半、このどれにあてはまるかによって、疲労の回復が早いか遅いかになるのである。
夜中に目が覚めて眠れないと嘆く人は、本当に睡眠をとっていないわけではなく、眠りと覚醒をくり返しているはずなのだ。
本当に眠りが必要な人は、座っていても立っていてもうとうとと眠りをとっているという。人間が生きていく上に必要な眠りはどこかで帳尻合わせをして必ずとるのが本能。睡眠不足のせいにして仕事の手をぬくのはわがまま勝手、贅沢な話なのだ。
眠りは長さより深さが大切、深く眠れば三時間でも充分、前述の一クールが三時間。眠らないから仕事もできないというのは自分と周囲に対するいいわけでしかない。眠らなくてもいいじゃないか、という精神構造を早く確立した人が勝ち、その時間だけ自由に使える。喜びを感じたらもうしめたもの、その時間をプライベートにしっかりと活用すべし。間違っても仕事に打ちこむなどと悪い了見を考えないことだ。