住宅ストレス-4

「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ

住宅ストレス-4
狭き家に家族多きは福来たり繁栄疑いなし

住む人間が肝心-1

 家ほど差のある物はない。住宅情報誌には人生の縮図がうかがえる。
厚さ三センチ、頁数千三百頁、価格二百円の誌面からピンからキリはと調べれば、キリは東武伊勢崎線谷塚駅徒歩8分の1K賃貸しアパート、家賃月1万5千円、トイレ付とあるのがいじらしい。交渉によっては千円ぐらいはまけてくれそうな物件のようです。
今日広告で目にしたピンは、東急田園都市線あざみ野駅十分の1億3千万円の建売住宅、金額ではもっと高額物件もあるがどうもこのあたりがピンらしい。
私自身はシェラフさえあればどこでも熟睡できる風来坊体質、家などにはとんとこだわらぬ自由人、我が家では古書と雑誌に埋れて身動きやっとの優雅な生活、「高級住宅」 に住みついて防災防犯に神経をすりへらすなどまっぴらご免、階段の勾配急な「勾急(こうきゅう)住宅」、倒壊寸前「荒朽(こうきゅう)住宅」でも住めば都、テレビなどで「豪邸拝見」などとあっても「掃除が大変だな」と思う程度で気にもならない。
だだっ広いだけで家族少なく、鼠も住みつかないような家では例え数億の価値はあろうが住
む人も淋しかろう。例え家賃1万5千円一間のアパートでも人間性豊かな学生が住み、友人達が楽しく集い酒酌み交し明日を語り社会を語り恋を語る。そして、いつか世のため人のため己れのために活躍する日を夢見て談論風発爪を磨く。家屋ストレスなど愚の骨頂。所詮は衣食住に足りればいい。
家の購入に迷ったときは待てばいい。建売住宅でも充分と思ったら、思い切って買ってみる。住宅などは将来買い替えもきく。
さてA氏に話を戻すと、ようやく千葉県に適当な家を見つけたところ、都庁移転の噂、また通勤時間の計算に誤差が生じ、いまだに定まらずとか。