「長寿の秘訣の第一は、ストレスを溜めないことです」
ストレス解消、病気知らずで楽しく長寿!
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花見正樹のストレス・エッセイ
家庭ストレス-2
前回は専業主婦の謎に満ちた特権について述べたが、家事とお勤めで休む間もない兼業主婦にはこの自由がない。まことにお気の毒としか言いようはないのだが、兼業主婦からみれば、家庭と勤務先でのストレスの度合いは計り知れないほど大きな差があると言うが、兼業主婦のほうが個人的財政(へそくり)に余裕があるという説もあり、専業主婦と兼業主婦の幸福度となると、どちらに軍配があがるかは男どもにははかり知ることが出来ないベールに包まれた別世界のなのだ。
ここで本題に戻る。
「家庭では、男女平等、男女同権は守られていますか?」
この質問に、あなたはどう答えますか?
家庭における男女平等は、一体全体、どうなっているのだろうか?
働きバチの夫が、休日におゴルフだ競馬だとがいしゅつするのに、たまの休日にはテレビの前にでんと座って、ウイスキーの水割りをチビチビ飲みながら赤い顔、妻が掃除洗濯、食事の仕度とてんてこ舞いなのに、なに一つ手伝おうともしない。
これで男女平等が聞いてあきれるのは当然、とは女性側の声、殆どの女性が同感で頷くに違いない。
しかし、既婚男性はこうは思わない
「なにが当然だ!」
大きな声で反撃するのは一家の主たる夫族、ただし大声は腹の中だけで現実には、声にもならないか、蚊の泣くような声でブツブツ呟くのが関の山、なんといっても小遣いを支給されている立場だから仕方がない。
なにしろ、子供の教育費やNET機器、塾の月謝、自転車などの出費に加えて、ママ友との観劇やランチ代の捻出には、亭主の小遣いを減らすのが一番手っ取り早いと、主婦なら誰でも考えるから秘策でも何でもない。
「タバコは健康に悪い」「タバコの煙で子供の寿命を縮めてる」「ヤニ臭いの嫌いだから拒絶してるんです」、ここまで言われれば仕方ない。好きなタバコを何んとか断とうとするが禁煙ストレスに襲われ、人の吸うタバコの煙に鼻孔がピクピクしたりする。 それでも断腸の思いでやっとタバコと縁を切れたら、どうなるか?
それを待っていた愛妻が優しい笑顔で冷厳に言い放つのだ。
「これで健康も万全ね。お小遣いの5万円は、タバコ代がいらなくなりましたから半分の2万5千円でよろしいですねっ!」
語尾の「ねっ!」がダメ押しだから反論もできず禁煙を後悔するが、職場の上司にも「意志が強い」と認められての禁煙だから今更趣旨を戻すこともならず、小遣いを増やすべく競馬やパチンコ、宝くじなどにのめり込む。
だが、これで勝てるほど世の中は甘くない、ついにサラ金の餌食になり、営業費などの仮払いで急場を凌ぎ、ボーナスの前借りなどから徐々に借金地獄の泥沼にはまってゆき、出世街道からは遠く離れた裏道を彷徨うことになる。
この一例をみても、タバコは無理に止めさせるのは良くない。まず、税収が減る、街角のタバコ屋が減ると道を聞くのに困る、といっても今は自動販売機だから、看板娘を口説く楽しみも失せている。自動販売機を口説いてタバコが一箱余分に出てきたら面白いのだが、そんな奇跡は・・・いや、起るかも知れない。どなたか、この一文を見たら試してみませんか? それならお前がやれ? いえ、私は17歳でタバコは止めています。