花見正樹のストレス・エッセイ
家庭ストレス-1
男女平等どころか・・・
総理府が行なった調査に「男女平等に関する世論調査」なるものがある。
ここで、既婚女性に対して「あなたの家庭では男女平等か?」という質問があり、「平等ではない。女性が不利」と答えた女性がなんと約30パーセント近くもいました。
と、いうことは、妻からみた夫への不満がいかに多いかという証明にもなる、男からみて悪しき統計とも言えます。
人生相談の現場から言わせて頂ければ、夫婦の相性は、占いだけではなく、考え方や育ってきた生活環境、趣味、嗜好、親の教育の差などに影響されての共同生活ですから、そう簡単に馴染むものでもありません。
よく働きよく稼ぐ働き蜂のような無趣味で生真面目な夫を持つ妻が、つまらぬ遊び人の男に溺れて、平和な家庭から転落して自が楽な人生に堕ちた例も知っているだけに、男と女の機微については、そう簡単に語ることは出来ませんが、総理府の統計となると信じないわけにもいきません。
女性からみると男は勝手、たいした稼ぎもないくせに帰宅すれば「メシ、フロ、ネル」の単細胞パターンで妻の話も聞こうとしない。子供の教育、地域社会の交際、家計のやりくり、すべて女房任せで知らんぷり、しかも夜のお勤めまでサボるか手抜き、これでは男の仮面を被ったナマケモノ。しかも、妻の目から見た夫という生物の存在は年を経るほど評価が低下します。とくに、定年後に定職もなく家でぶらぶらしている甲斐性なしの粗大ゴミ亭主になると、その存在すら何の価値もないのです。その夫が、妻の日頃の労を労って、時には観劇や海外旅行に誘ったとしても妻は決して喜びません、その費用で年金か目減りするのが嫌だからではなく、どうせ出かけるなら気の合った友人や趣味仲間のオジさん達と出かけるほうが嬉しいからです。
そうかといって、一度粗大ゴミ化した夫が、突然変異で別人のように家事を手伝い雑用をこなし、町内会のボランティアに熱中し始めて、その延長上だと言って近所の熟年未亡人宅の樹木や雑草の手入れ、垣根の修理などを始めたらもっと不気味な結末が待っている可能性もあります。
だとしたら、やはり働き蜂は働き蜂のまま、粗大ゴミは粗大ゴミのまま、妻の蔑視に耐えながら生きるのが正しい道なのです。
それにしても、家庭を守るべき主婦の約3割が、家庭に置おいて夫より不利だと思っているとは、男の目からみて以外です。
財布の紐をがっちり握り、亭主には最低限のお小遣いで飲食交際もままならず、亭主が汗水流して働いている時間の行動は、ランチ会やショッピング、異性交流を含めて一切謎に包まれています。もちろん、兼業主婦にはこの自由がありませんからお気の毒ではありますが、そこは女性の知恵、男には計り知れない遠望深慮や策謀で自分なりの買い物やヘソクリなど主婦の特権は守り抜いているのです。