下記は村上功画伯(仙台在住)の作品です。
「楽しく長寿・ストレス発散」
花見 正樹
(長寿、ストレス問題研究家)
3、ストレス因子、発症、対策-1
そもそもストレスとは何者か?
この分かり切ったようで曖昧なストレスという厄介者、これが意外に手強いのです。
私のストレス学の師・藤井尚治医師は、丸くあるべきゴムマリが何らかの望まない力で凹まされている状況で元に戻れない苛立ちをストレスという、と定義していました。
たしかに丸い姿に戻ろうとする弾力が無法な力で抑えつけられたら、ゴムマリのストレスもさぞやと思われます。
最近は、IT産業の発展で複雑な機器の使用法、機器を用いた人間関係のイライラなど、目に見えないストレスも我々の心を蝕みます。私は一時期フェースブックに参加しましたが、ある人から、イエスを貰ったら「お返しが礼儀」と言われた一言で、参加を休止した経緯があります。そうまでして友達を増やしたり近況を報告したりする理由もないからです。
あのイエスを押したり、書き込みに返事をしたりの作業は、時間に追われている時などても出来ません。それも小さなストレスです。多分、若い人や学生達は、お互いにそれが面倒と知りつつも絶えず連絡を取り合って自分の存在を認めてもらっていないと不安だそうですから、これは底なし沼でストレスを承知での自虐行為でしかありません。
最近、周囲がふと気づく程度の軽いウツ病が蔓延しつつあります。原因は複数のストレスか、ストレスによって引き起こされた病気からの影響である可能性があります。
普通、私達にはもって生れたストレス耐性と育った環境で鍛えられたストレス耐性がありますので、少々のストレスには耐えられるものです。
例えば、私の場合など男ばかり兄弟5人(私は次男)で喧嘩や遊びで切磋琢磨して育ちましたから、人間関係のストレスには強いのですが、女性には全く無力、長い間、女性を神秘化して女性ストレスの呪縛からは逃れられませんでした。
ストレスは悪者ばかりではありません。目的達成への意欲はストレスになりますが、そのストレスを解消するためには目的を達成することです。恋愛中の高揚感や言い知れぬ不安などもストレスですが、これらは結果的に幸せをもたらす可能性の高いストレスですから善玉ストレスとよばれる、持っていて損のないストレスです。
ところが悪玉ストレスの原因になる事項はあまりにも多すぎます。
家庭内不和(嫁姑、親子、夫婦など)、職場ストレス(人間関係、職種、報酬、過労など)、借金、交通事故、天災・火災による被害、受験失敗、就職失敗、勤務先の倒産、離婚、身内や親しい人との死別、怪我、病気、金銭的被害など数え上げればキリ(限界)がありません。しかも、将来への不安、寝不足、渋滞、猛暑、虫歯の痛み、嫌な人への挨拶など、ごく普通の日常的出来事でもストレスを感じる人もいますからストレスは人によって感じ方が千差万別、精神的に繊細な人ほどストレスに敏感に反応するようです。
どんな強烈なストレスでも一つだけならウツにはなりません。その程度のストレス耐性は誰にでも備わっています。
大きなストレス因子を二つも抱えたら? これも大丈夫、片方だけでも解決する努力をすれば精神的には持ち応えら
れます。
では、三つ以上抱え込んだら? これはもういけません。どんなに意志強固な人でも、一度に三つも大きなストレス因子に襲われたら、一時的にもせよ、多少は精神面のバランスを崩しって冷静さを失うこともあります。それでも、すぐ解決できる問題に立ち向かい、三つあるストレスを二つに出来れば心身は平常に戻ります。
ところが、意思も心身も軟弱で日頃からマイナス思考の人が、三つのストレス因子を抱えたら手も足も出ず、気持ちも重苦 次回は、ストレスが引き起こす諸症状から、民間療法で癒せるか、医学的治療が必要か、などを考えることにします。