わたしは、ヒラメ、カレイ、どちら?
あなたは、どうやって見分けますか?
いきなりクイズで済みません?
わたし達の見分け方は簡単、正面から見て目と口の位置を見ればすぐわかります。
ずばり、正面から見て目と口が「右カレイ、左ヒラメ」です。多少の例外はありますが、殆ど、これで見分けられます。
では、わたしは?
わたし本人からみると、目の位置に不満はありますが口の開きから見て、ちゃんと「カレイ」に描いて頂いています。ところで、カレイとヒラメを漢字で書けますか? ヒラメは平らな魚で「鮃」、カレイは葉っぱのような魚で「鰈」です。ただ平らでは何の風情もありませんが、葉っぱなら、若葉、青葉、紅葉などいかにも情緒が溢れ出る雰囲気がありますね。それだけカレイは上品な魚なのです。
「ヒラメもカレイも平べったいから同らじだろ?」などと乱暴なことは言わないでください。ヒラメは凶暴ですから砂に潜って上目づかいに見ていて頭上を泳ぐ小魚を片っ端から捕捉して食べ大きいのは1メートルにもなります。その点、カレイは食生活が違います。上品にイトメやゴカイを食べて育ちますのでヒラメほど大きくはなりませんがヒラメより遥かに長寿で、人間に捕獲されなければ50歳までも長生きできるのです。それに、会社勤めで上役の顔色ばかりを見ているゴマ摺り男を「ヒラメ野郎」と言いますが、決して「カレイ野郎」とは言いません。それどころか、カレイを漢字で書けという国語の試験で「華麗」と間違う人はいますが、ヒラメは殆ど「平目」です。これだけでもカレイの優雅さがお分かりになったと思います。でも、もうカレイは食べないで、食べるのはヒラメにしてください。刺身、寿司ネタ、煮つけもヒラメ、カレイの煮つけは今日限り忘れてください。 文・村長