『新選租銘々伝』郷里での啓之助-1

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それらの力作を多くの人に読んで頂きたく、随時掲載して参ります。
新選組友の会主宰・大出俊幸
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今回は2018年6月1日発行の160号からの掲載です。

信州松代市 道中記
『新選租銘々伝』郷里での啓之助-1

稲葉春義 満里子

 たんなる思いつきの電話(平成十三年十月十一日)から、戦国時代の川中島合戦で有名な信州松代市へ平成十四年におとずれた。真田十万石の城下町はまた、佐久間象山にかんする史跡・資料の宝庫でもあった。そして啓之助が父象山の薫育をうけて、年少時代をすごした土地でもある。昨年おとずれた松山市同様、啓之助にかんする資料を期待しての今度は、〝松代道中記″となっていく。『新選組史跡事典』でほ、啓之助の墓の存在を四国松山で確認でき、成果を得ることができたので、はじめての体験でホっとしてまもなく、『新選組銘々伝』に「三浦啓之助」の執筆の命をうけ、どのように対処すべきかでのまよいのスタートだった。
平成十四年、大出氏いちれんの行事のひとつ、因島自由大学に参加したおり、直木賞作家井出孫六先生から、(『終わりなき旅-中国残留孤児をめぐつて』特別講演)啓之助の墓碑さがしの話をもとめられ、したたらずの話が気になり、後日あらためて写真や説明詰も整理し送らせていただいたが、先生から、ど丁寧な返書とど自身の著書『小説佐久間象山』の紹介をいただき、また佐久間象山研究家で著名な学者と知り、はずかしい思いをした。さっそく『小説佐久間象山』を読み、示唆をうけ、新選組以外の幕末時、国事に動いた人々の資料集めをした。そして三浦啓之助の人物像を別の姿からみることができるよう長野県松代市へ行ってみる必要性をじたしだい。四国松山で知った別の啓之助同様、松代でも知ることができるかもしれないとの思いを期待してさっそく、この松代行きのため、図書館にもなんどか通った。