桜咲きて-1 結喜しはや

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新選組友の会主宰・大出俊幸
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今回は、平成十七年九月発行115号から抜粋しての掲載です。

桜咲きて-1
(第二回 勇忌レポート)

結喜 しはや
(京都市在住・作家、歴史研究家)

眩しいほどの陽のなかに、咲く花々が揺れる。車窓、ゆっくりと、こぼれるように過ぎてゆく満開の桜。走る流山電鉄の沿線は、訪れる度に、木々の緑が視界から少なくなっていくようだが、それでも、まだ、どこかのどかである。
平成十七年(二〇〇五)四月十日(日)のこの日、第二回目となる近藤勇忌が、千葉県流山市の宝泉山長流寺において、午後一時より催された。
昨年の第一回勇忌は、雨の降る真冬に逆戻りしたと思われた寒い日であったが、昨年より一週間遅くなった今年の第二回勇忌は、桜花咲く、暖かな春美っ盛りのなかに営まれることになつた。
時折、強く風が吹き来て、受付台に置かれた参加者への案内が飛ばされそうになるのを、慌てて手で押さえることも、その風に舞い散る流山の桜を思えば、それはまた近藤勇の生きざまのひとつ。昨年、勇の最期を想い、こぼれた涙は、今年、花びらと変わり、勇の魂の晴れやかなることに、気づかされるのである。
新選親局長近藤勇の法要に足を運んだ人々は、勇個人を超え、なお新選組隊士たちへ、幕末を駆け抜けて逝った多くの志士
たちへ、それぞれの想いを馳せ、お供養をとの気持ちであったに違いない。
お参りに集まった人々男性、女性とも年齢層幅広く、いっぱいとなった長流寺の本堂のなかは、色花も供えられて、華やかな感さえする。
それがまた、近藤勇という人間の生涯を見つめ、弔うのに、ふさわしいと思えるのである。