第三回 東軍慰霊祭-5

 

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新選組友の会主宰・大出俊幸
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東軍慰霊祭の想い出

郡 義武

第三回 東軍慰霊祭-5

船岡住職の話が面白かった。昭和初期(12年?)もう良かろうと、継之助~精一郎の子孫が同寺に会した。初めは和気裔裔だったが、やがて、話が北越戦争に及ぶや、雲行きが怪しくなり、終いにはにはケンカ別れしたという。この一部始終を、少年時代の住職が、障子の蔭からみていたというのだが……。
午後4時半終了。集合写真をとり、それぞれバス、電車、タクシーに分乗し、懇親会会場、長岡駅前「小嶋屋」へと向う。島津隆子先生、安田則子(旅行家)、森田由紀(画家)らのお姉様方と一緒のタクシーで同行。が、すぐ車内で吊し上げを食らう。
「パンフに小千谷の地図が入ってない」、「慈眼寺は長岡駅前だと思っていた」、「今夜の宿も紹介してくれない」云々。私は平身低頭するのみ。
6時前に小嶋屋へ。大部屋30名、小部屋数名で予約したが、地元の飛び入り、その他で倍近い50数名に膨れあがってしまった。これからは大混乱。大部屋の床が抜けると店員に驚かされ、別の小部屋二つを確保するも、たちまち、定員オーバー。
それからまた、小嶋屋はパニック、火事場騒ぎは続く。
「幹事、ビールがない、酒もナイ。料理もこない」
「私は幹事ではナイ、明日のツアーガイドです」
(が、誰も聞いてくれない)
「こんな店を予約したのは誰だ」(ハイ、それは稲川氏です)
「幹事がナンデ女の子の隣に座ってるのか」(釣先生ど立腹と、吉地氏の注進あり)
「何が雷神隊だ!会津が一番だ」、「イヤ、強いのは衝鋒隊だ」
「この酒(八海山)はウマイ、もっと持ってこい」……かくて越後の夜は更けてゆく。
アカデミツクな、同じ目的を持って集まった会でも、酒が入ればこの通り。まして利害の違う奥羽列藩同盟など、瓦解するのは当然であった。