村長から緊急報告・出版のご案内

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出版のご案内
村長の緊急報告です。

宗像善樹著
「三菱重工爆破事件」
発売・幻冬社、定価1、000円+税
発行・幻冬社メディアコンサルティング

本コーナーに「咸臨丸物語」を連載する宗像善樹講師が自らの体験を綴った「三菱重工爆破事件(表題)」を上梓しました。
執筆および経緯については、著者の「はじめに&あとがき」に詳しいので省略しますが、著書の内容は、さすがに事件現場に居合わせて被害を受けた当時者だけに壮絶で悲惨な事件当時の状況が克明に描写されています。事件での死傷者多数、著者の親友が死亡するなどの凄まじい事件現場にいるかのような臨場感を感じて鬼気迫るものがあります。
この事件に使われた強力な時限爆弾は、この約半月前に天皇暗殺に失敗したものを利用したものです。
しかも、逮捕されて死刑を宣告された主犯の一人は獄中で執筆した「死刑確定中」などを出版し、未だにのうのうと刑務所に収監されたまま国税で生きています。これでは、事件に巻き込まれた多くの犠牲者はいつまでも浮かばれません。
さて、前作は著者が実名を出せない事情もあって筆名でのドラマ仕立てでしたが、今回は第一人称での実名ですから迫力が違います。緊迫した事件現場で、爆風で自らが傷つきながら現場に不在の上司に替わって傷ついた社員の救助を指揮した著者の冷静沈着かつ強いリーダーシップと行動力にも敬意を表します。
本作品は、これからの大地震など大きな災害に備えての危機管理や対策にも役立つものと確信します。
是非、全国有名書店、アマゾン、楽天ブックスなどでのお買い求めをお勧めします。
著者の記念すべき金字塔ともなる本作品の発刊を、心からお祝い申し上げます。

開運村村長・花見正樹

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著者の「はじめに」と「あとがき(著書より抜粋)」。

はじめに

今から四十四年前の昭和四十九年(一九七四)八月三十日、金曜日、午後零時四十五分、東京都千代田区丸の内仲通りで起きた、「東アジア反日武装戟線『狼』」と名乗る赤軍派による三菱重工爆破事件。
日本国内で起きた、日本人による、日本人に向けられた、戦後初の無差別爆弾テロでした。
被害者は、死者8名(即死者5名、病院収容後に死亡した人3名)、重軽傷者376名に上りました。
事件発生時、三菱重工社員として爆破されたビルの中にいた私は、時限爆弾の爆風を受けて右耳の鼓膜を損傷して右耳の聴力を失い、吹き飛んできたビルの厚い窓ガラスの破片によって全身傷だらけになりました。
そこで私は、爆弾テロの犠牲者となった同僚、通行人の方々の霊を弔う鎮魂の想いと、事件を風化させずに教訓を後世に伝えたいという願いから、平成22年(2010)に『爆風』と題するドキュメントドラマを、筆名「沖島信一郎」の名で本にして発表しました。
発表当初から、(この本は、危機管理に役立つ)という評価を受け、事実、3・11の東日本大震災の直後に、この本を読んでいた方々から、「この本に書かれていたことが参考になって、落ち着いて激しい地震に対処することができました」という感想を多くいただきました。
また、つい最近も、大企業の役員OBの方々から、「この本は、今でも、企業の間では、『危機管理のバイブル』として評価が高い」 という話を聞きました。
ただ、残念なことに、『爆風』 の出版社は既に事業を停止しており、現在、本は絶版となってしまい、書店での購入はできなくなっております。
そこで私は、世界各地で爆弾テロが頻繁に引き起こされている最近の社会情勢に鑑み、「爆弾テロに遭った体験者としてもう一度、危機管理に関する物語を世に送り出して皆様の参考に供したい」と考えるに至り、タイトルを『三菱重工爆破事件』と改題、内容にも加筆、訂正、削除を加えて改訂新版を著しました。
二〇〇一年九月にアメリカ・ニューヨーク州で同時多発テロがありましたが、それより27年も前に、日本国内で爆弾テロがあり、テロに負けずに立ち向かった日本人がいました。生真面目で、献身朗で、控えめな、そういう「昭和の人々」がたくさんいて、あの頃の日本を引っ張っていたのぞという人間群像を記録に残しておきたいという強い想いが私にはあります。

あとがき

事件から既に四十四年が過ぎ、あのとき、ビルの中で一緒にテロに立ち向かった同僚の人たちも、一人逝き、二人逝く年齢になりました1寂しい限りです。果敢に、怯むことなく、わが身を顧みず、仲間の命を救おうと死力を尽くした社員の人たち。彼らの必死の形相が今も脳裏に浮かんできます。
男性も、女性も、まさしく、新渡戸稲造博士が謂う『武士道の精神』 即ち、『日本人の勇気・忍耐・仁・礼儀・誠意・名誉・義務・自己犠牲・側隠の情』を体現した人々です。
ここに、「仲間との友情と粁を再度、記録・物語として世に出したい」という私の出版の願いを叶えてくださった株式会社幻冬舎ルネッサンス新社の芝崎拓様の温かなど配慮と丁寧など指導をしてくださった同社編集部の渡邁真澄様に心より感謝いたします。 そして、今回もすばらしい装丁をお引き受けくださった幅雅臣さんに厚く御礼申しあげます。

平成30年6月吉日
「三菱重工爆破事件」
著者・宗像善樹記