家族の帰省
新海 富美代
九月は休みが多く三連休が二回もありいわゆるシルバーウイークですね。今年の夏休みもコロナウィルスの影響で娘家族も息子家族も遊びに来ることは出来ませんでした。とっても寂しく残念な夏でした。そこで最近はコロナウィルス感染もちょっと落ち着いて来ていますのでこの連休には遊びに来れるかな?と思ったら息子家族は下の子供が3歳で今年は七五三なので10月の連休に七五三詣りを兼ねて帰省するとの事でした。
娘家族は上の子が野球のスポーツ少年団に入っており試合があり休むのは厳しいとの事。これから孫が段々と大きくなるにつれて帰省することもだんだんと少なくなってくるんだなという感じです。
以前テレビの話題でおじいちゃんおばあちゃんが残りの人生で孫に逢える時間を計算すると日数にして10日間くらいしかないとの事、まして貴重なこの3年間コロナウィルス感染により逢えなかった事でもっと短くなってしまったのだと思うと本当に残念で、残りの時間を本当に有効的に使わなければと思ってしまいます。
そんな中17日からの三連休娘家族の下の女孫がお兄ちゃんは野球の試合が予定されており家族全員ではなかなか遊びに来れないのでとりあえず一人で遊びに来ることになり、じいじが電車で途中駅まで迎えに行き甲府に連れて来ました。私が甲府駅まで迎えに行き改札口で待っていたら姿が見えましたので〇〇ちゃんよく来たね!と大きな声で言うと、来るなり孫娘からばあば恥ずかしいから大きな声出して言わないで!とびっくりです。以前はばあばと飛びついて来ましたが大人になりそういった行為が恥ずかしいのかと!。孫はどんどん成長していくのですね、置いてきぼりにされるのはやはりじいじとばあばのようです。
今回孫が山梨に来る大きな目的は遊びに来ると言う事もありますが、習っているピアノのコンクールが夏休みにあり、その結果良く頑張ったのでご褒美をあげるという約束になっていたのです。孫の希望はリカちゃん人形です。 今までにも幾つか買ってあるようでしたがリカちゃん人形もバージョンアップしていて新しいタイプのリカちゃん人形が欲しいようでした。家からお店に行く前に孫からじいじとばあばそれぞれ1つずつね!と要求されてしまいました。
これにはじいじも私もびっくり!!!でした。どうしても甘い甘いじいじばあばはお店に行き、孫の言いなりになってしまいました。じいじはこういう物の相場を知らないものですから金額を見て驚いていましたが買って貰った孫はルンルンで足取りが弾んでいました。
翌日遅れて甲府にやって来た両親が2つも買ってもらったの?と驚いていましたがしっかりとお宅のお嬢様にリクエストされ買ってあげました!とお母さんに伝えました。帰りも大事なリカちゃん人形を大事に持ち帰りましたが感情豊かな孫は山梨が本当に楽しいかったらしく帰りたくない!!!と大泣きで車に乗り込み、両親に又来るからと言われていましたがそれでも大泣きは止まずそのまま出発し、こちらまでもらい泣きしてしまいました。このところ成長して感情表現が出来てきたのかこんな状態ではありましたが山梨が楽しいと言ってくれるのは嬉しい限りです。
実は孫のお気に入りのリカちゃん人形にはわたしも幼いころの思い出があります。確かリカちゃん人形が発売されたのは今から60年位前になるんでしょうね、私が5歳位から10歳位の時と記憶してますが私もリカちゃん人形が欲しくてしかたがなくて遠方に住む祖父が我が家に遊びに来る時に「おじいちゃんリカちゃん人形をお土産に買って欲しい?」と何度もねだったのですがついに買って貰うことはできませんでした。生活に余裕のない私の家でも勿論買って貰えずとても悲しい思い出です。
なので孫がリカちゃん人形を両親に買って貰い遊んでいる姿を見ると昔の自分を見ているようで嬉しくなります。今回孫からリカちゃん人形をねだられた時には昔の私のような想いはさせたくないと思ったのと孫の喜ぶ顔が見たくてついつい甘い甘いおばあちゃんに変身してしまいました。孫とリカちゃん人形を選んでいる時は昔の自分が出来なかった経験を孫を通して見ている気がして嬉しくなって孫とともに楽しむ事が出来ました。ずっと忘れることのないリカちゃん人形への叶わなかった想いが孫と一緒に達成できた楽しい時間でした。
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220724