Pocket

 

健康のありがたさ

      新海 富美代

立春も過ぎてようやく春間近かと感じる今日この頃です。しかしながらオミクロンの感染拡大は今までにない程の状況となり不安材料がいまだ減る気配がありません。コロナ渦で迎える2度目の春、変わりつつある風景と共に気持ちもワクワクしたいところですがそういう訳にも行かずステイホームにて感染が収まるのをじっと待っている毎日です。
前々回もお話しましたが今回も健康のありがたさをお話したいと思います。今回は整体のお客様を通してのお話です。
その方は以前介護施設でケアマネージャーのお仕事をされており仕事柄プライベートの時間も関係なく仕事に励んでおられましたが昨年の5月より義弟の経営している障がい児の放課後サービス施設を手伝う事となり職場が変わりました。仕事の内容もお年寄りから子供へと変わりましたが根っからの面倒見の良さと優しさでその職場でも皆さんに好かれて毎日楽しく仕事をしていました。そして昨年秋頃からは以前のケアマネージャーの資格を活かして新しい部門を立ち上げその仕事に日々頑張っておられました。
そして今年1月になり整体に来院されるとびっくりするくらい顔もこけ、顔色が優れず心身ともに疲れっ切った感じでした。本人曰く身体が重く夜も眠れず気持ちも落ち込みうつ状態みたいですと悩んでいました。施術を始めると確かにいつも疲れておられますが今回は半端ない疲れとドーンと落ち込むような重たさを私も感じました。
その方とお話しながら施術をしたのですが、ケアマネージャーのお仕事から新しい職場に移る時も一日も休まず、一日の中で前の仕事と新しい職場の仕事を掛け持ちでこなした日もあったりして本当にハードなスケジュールだったようです。年齢的には50歳ちょっとですから頑張りも効いたのでしょうが遂に疲れ切ってしまったのでしょう。
以前崇敬している神社の宮司様が主人の定年退職の折お話をしてくれました。「最近では皆さん退職されて直ぐに新しい職場に行かれますが人間の頭は切り替えられても身体は切り替えは出来ない」と、身体を休めて身体の中から切り替えをして次の職場に行った方が良いと言われていました。
若い方ならそんな事はなくとも大丈夫なのでしょうが年齢が高まるとそいった事も気をつけなければと思います。ましてこの方は全く休み無しおまけにハードスケジュール、新しい職場でも精一杯頑張ってしまったので身体が悲鳴を上げたのかもしれません。
私が以前から「身体と心は両輪だよ」とよく話していました。その事を覚えていてくれたのか、先生!やはり身体と心は両輪でしたねって言われました。身体の疲れから心まで疲れついに気持ちも沈みやる気も気力も無くなってしまったみたいです。私も以前身体が疲れ切って心まで疲れ果て心の風邪をひき先生にお世話になった経験があります。それでこの方の気持ちも理解する事が出来ました。
その日はリラックス出来る様に癒しの音楽をかけてあげ施術もいつも以上に気を配りさせて頂きました。心が疲れた時に良いとされる天然のアロマオイルを嗅いで頂くと、とても気持ちよく落ち着くと言われましたので、寝る前や嗅ぎたい時にどうぞ?と小瓶に入れてプレゼントしました。その日は休める時はゆっくり休んで下さいねとお話して帰宅して頂きました。
そして日々が過ぎて来院を予定していた今月にその方から連絡があり、先生のお宅に行く前にいつも検温するのですが、身体は全く変わりはないのですが熱が多少ありますとの事でした。子供達が通う養護支援学校でも感染者が出ていますから濃厚接触者や接触者でもなく直接的な関りは無いと言われましたが先生にご迷惑をお掛けしてもいけないので連絡をくださったとの事です。
当院では来院時に必ず体調は?とお聞きし確認させて頂いているのですが、発熱があればちょっとまずいので申し訳ないのですが今回はご遠慮頂き延ばして頂きました。その折前回お越しになった後の様子をお聞きすると身体も軽くなりうつ状態も改善しましたとの事、声も以前とは違いトーンも高く元気そうで良かったと思いました。
身体も生身ですから無理強いは出来ません、まして年齢を重ねて来ればそれなりの使い方や身体への思いやりも必要ではないかと思います。お客様を通して私も再度自覚せさせて頂きました。
新型コロナウイルス感染が始まり2年が過ぎようとしてますがウイルスの変異により収束もままならず、まだ続いており今回の第6波は10歳以下の感染も多く保育園・幼稚園・小学校が休園・休校になり全ての人が大変な思いをしています。
私は戦争を体験しておらず全くわかりませんがこの新型コロナウイルスも全世界のウイルス戦争ではないかと思っています。ウイルス戦争が早く終わった後は今までとは違った社会になっているとは思いますが穏やかな日々が早く訪れる事を願っています。

——–