もうすぐ春ですね

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新海 富美代

もうすぐ節分、翌日は立春、季節は春を迎えますが今年は暖冬の為か春が待ち遠しいと言う気分は余りありません。今回は手もみをさせて頂いている86歳のおじいちゃんに付いてお話したいと思います。
おじいちゃんは数年前より物忘れが少しづつ始まって来ていました。手もみが脳の刺激にも良いと言う事でお勧めすると早速始められて気持ち良いと言ってくださり10日位の間隔で手もみに来ていました。昨年の夏頃から手もみをさせて頂くと時々手を触ると熱っぽい事が度々ありました。夏なのにいつもより厚着をされていたり、時には赤い発疹があったりしていました。
実は私の母がリンパ腫になる前にも赤い発疹が出ていてその後リンパ腫と分かったのでその経験から気になっていました。顔色も良い日もあればパッとしない日もありおじいちゃんの様子を見ていると何となく体力低下なのか気になるところがあり、おじいちゃんのご家族にもおじいちゃんに付いて感じている事をお伝えなどしていました。ご家族はどの様に捉えていたかは分かりませんが、多分物忘れの進み方のほうが気になったのでしょう、私にはその事をよく話してくれていました。
そんな日々が過ぎて行きましたが昨年12月初めにおじいちゃんが入院中と聞きました。理由を聞いて見るとおじいちゃんが嘔吐したのでかかりつけ医を受診したとのことでした。薬を処方してくれて帰宅しました。食事を取るとまた暫くしてから嘔吐してしまったそうです。かかりつけ医は呼吸器内科なので家族は自宅近くにある消化器内科の医院を受診させようと言う事で連れて行ったようです。そこでおじいちゃんの奥さんのおばあちゃんが20数年前の病気の話を医師に話されたようです。おじいちゃんは20数年前に腹部にリンパ腫の腫瘍が見つかり治療をしましたが軽度の為経過観察で、年を重ねながら病気も一緒に持っていけば良いと言われていたみたいです。そんな事の経過を医師にお話したようです。
すると医師は奥さん話してくれてありがとう。と言って直ぐに検査をしたら腸が詰まっていてその為嘔吐してしまうと言うことが分かり紹介状を書いて貰い病院に急行しました。病院で検査すると以前の病気の腫瘍が大きくなり腸を塞ぎ始めていたようです。年齢も年齢ですから抗がん剤治療で治療をすることになったそうです。点滴のみの日が続き徐々におもゆから3分粥になる頃、入院3週間目には退院ですと言われた様でした。
食事はまだ固形物は無しで全てペースト食なのでおばあちゃんが食事のお世話が大変なのでもう少し入院させて下さいとお願いしましたが厳しい状況らしく、おじいちゃんはそんな状態で退院して来ました。退院して来た翌日おじいちゃんの様子を見にお見舞いに行かせて頂いたところ食事をしていないのでやつれてはいましたが元気そうなので安心しました。その後も定期的に抗がん剤投与に通院している様です。食事は相変わらずペースト食だそうです。
先日我が家の前を歩いているおじいちゃんと会いました。手紙を書いたのでポストに投函してきたと話してくれました。おじいちゃん元気になれて良かったですね!と話すとおじいちゃんがまた手もみお願いします!と言われました。おじいちゃんの方から手もみを希望してくれたので、おじいちゃんが回復して来ていると思い嬉しくなりました。早速予定を立て数日後に手もみをさせて頂きました。
手もみをさせて頂きましたがまだ以前のおじいちゃんの様には体力も体重も戻っていないみたいで、手もみをさせて頂いても皮膚の状態は以前の様にはなっていません。いつも通りお話をしながら手もみをさせて頂き、終わってからお茶も一緒に飲み帰られました。帰り際におじいちゃんがまだふらふらしてしっかりとは歩けないと言っていましたが、私がおじいちゃんまだ無理ですよ、しっかりと食事を取れるようになればまた前の様に歩けるから大丈夫だよと話して安心して貰いました。
手もみがとても気持ち良かったと言って次回の手もみも楽しみにしていますとおじいちゃんが言って笑顔で帰って行きました。おじいちゃんの帰り姿を見ながら、おじいちゃんは運のいい人だなと思う事が今までたくさんあったなというような事を思い出していました。とても人柄が良く穏やかで気持の良い方ですからそう言った事からも運が良く、守られているのかなとも思います。おじいちゃんたち夫婦はとても感じよく、私達夫婦もおじいちゃん達夫婦みたいになりたいよねとよく話していました。
今回はおじいちゃんの手もみを通しておじいちゃんに触れさせて貰っていたので昨年の夏からの微妙な身体の変化を私は感じていました。次第におじいちゃんの身体の中でも腫瘍が動き出していったのだと思います。
手当てと言う言葉がありますが、手を当てて相手の様子を見ると言う事の大切さも感じました。今は医療も進み機械や検査等もかなり性能良く高度の医療が出来る様になってきていますが昔ながらの手当てと言う事も見直したいなと思った出来事でした。