風かおる堂ヶ島
これは、かなり以前、大手観光会社のバスガイド用に頼まれたものです。
従来の教科書型ガイドブックではなかなか覚えないから「面白く」とのことです。
一般の人にも読んで頂けるかも知れない、と依頼人(出版社)は考えたようです。
この本を書くために、私は釣道具を積んで温泉泊まりの取材旅行を始めました。
もちろん、多額の印税を当てにしての先行投資型自腹旅行です。
各地の観光バスにも飽きるほど乗り、温泉も入り釣りもしました。
企画会議は、全国主要都市にするか関東六県に的を絞るか、揉めたそうです。
「まあ、とりあえず出してみるか」
出版社社長の一声で伊豆版がまず決まりました。
こうして世に出たのが2冊、「風かおる堂ヶ島」「恋ゆらぎ城ケ崎」です。
ところが予約購入してくれた大手の観光バス会社からクレームです。
「建物や観光施設、道路まで変わってて、この本では間に合いません」
これは仕方ありません。
私の取材から1年半後の出版ですから、高度成長期の観光地の風景は激変していたのです。
バスガイドと伊豆のサービスエリアでは売れましたが、結局はこの二冊で終わりです。
いまは東京ローカルの某新聞に好評?連載中、それをここにも載せます。
箱根、熱海、草津、伊香保、鬼怒川と観光バスでの温泉巡り、いい企画でしたが残念です。
ここでは、あなたも主人公になった気分でお楽しみください。
挿し絵でのご案内は、新聞連載と同じく大山真澄画伯です。
では、ご一緒に伊豆の旅に出かけましょう!