坂本龍馬にみる武士道  小美濃清明

DSCN5082 小美濃 清明
東京出身、武蔵野市在住、早稲田大学卒  元日本刀剣保存会評議員。幕末史研究会会長、高知県観光特使。全国龍馬社中副会長。 著書「坂本龍馬と刀剣、坂本龍馬・青春時代、坂本龍馬と竹島開拓(新人物往来社)」
「龍馬八十八話、宮地團四郎日記(右文書院)」等、共著に「坂本龍馬事典」「共同
研究・坂本竜馬」「坂本龍馬幕末歴史検定公式問題集」等多数あり。最新著作が「龍馬の遺言」

DSCN5081 龍馬は幼い頃から外国に行ってみたいという、好奇心の強い少年であった。
生まれ育った高知城下の上町は、商人、下級武士、職人、医者などが混在する町だった。こうした人々の接触の中で、武士階級以外の人達との付き合い方を学んでいった。それは自然に、平等思考を身につけていったことに他ならない。
豪商才谷家から分かれた坂本家には、商人の血が流れており、鋭い経営感覚が龍馬にはある。スペンサー銃ビジネスの中には、龍馬の武器に対する鋭い感覚と、海援隊を組織する経営者の判断が表われている。三岡八郎(由利公正)との国家構想の中には、財政という視点から新政府を見ている龍馬の先見性が見えてくる。
龍馬は、平等思考、経営感覚、軍事指導力、国家構想力を兼備した、幕末の近代人といえるのではないだろうか(小美濃清明著「龍馬の遺言」藤原書店刊本体2千5百円・序文より)。私は、日本という国家に殉じた坂本龍馬に、それなりの武士道を感じています。

 


「武士道」を解説します。

武士道1武士道 本

新渡戸稲造著、桜井桜村訳、幅雅臣装丁、えむ出版発刊、本体5千円。
お問い合わせ。ご注文は、”えむ出版企画”<mbook@cl.cilas.net>、へ。

村長より

「武士道とは?」
この疑問は、日本の歴史に興味を持つ者であれば誰でも一度は真剣に考えざるを得ない永遠の命題とされています。
そして誰もが、武士道とは、武士の日本的精神の根幹を成すもの、とまでは知っています。 では、その日本的精神の根幹は何か? と問われると、かなりの歴史研究家でもその全容までは理解できていませんので答えに窮します。
現代人の我々が、武士道を貫いて逝った著名な武人に訊ねることは、墓の下迄訊ねても不可能ですが、それを知る手掛かりは残されています。
それが、巻頭の書物、新渡戸稲造の「武士道」の復刻版です。
この本は、日本の「武士道」ながら、1900(明治33)年にアメリカで「Bushido: The Soul of Japan」の名で発刊され、世界的名著となって凱旋し、日本語版でも刊行されました。本著はその貴重な復刻限定版です。
英語版が先になった理由は、渡米していた新渡戸稲造が、米国の法学者に、日本の宗教問題から道徳教育などの質問責めに会い、この質問を何一つ論破できなかった自分に愕然として、日本人の道徳規範について一所懸命考えた末に辿りついた解答が「武士道」だったのです。
勿論、封建時代の武士の道徳観念を根幹とする「武士道」は、そのままでは現代に通じませんが、歴史を学ぶ人にとっては必要不可欠なものであるのは確かですし、歴史に興味がない人にとっても、かつての日本人の考え方や生き方・死に方を知るのには無駄ではありません。
明治時代の書物の復活本ですから当時の翻訳では分かり辛い部分もかなりありますし、これだけでは肩も凝ります。 そこで、このサイトに協力を仰いだのが、坂本龍馬研究家で幕末史研究家の小美濃清明顧問、幕末に渡米した咸臨丸軍艦奉行・木村摂津守のご子孫で「武士道」復刻版発刊の、えむ出版企画社長・宗像信子顧問、執筆陣に「咸臨丸の絆」の著者・宗像善樹講師、これに「戊辰戦争」執筆中の私を加えて、幕末史こぼれ話などを挿入しながら、新渡戸稲造著「武士道」を分かり易く解説して参ります。
写真は「龍馬と刀剣」の著者・小美濃清明顧問の雄姿です。

小美濃氏刀

では、次回からの本編スタートを楽しみにお待ちください。