4、私の整体への姿勢-2
前回の続きで整体の神様・故野口晴哉(はるちか)師に載っていた「火事場のバカ力」から拝借したエピソードです。
隣家の火事に慌てた男が、大事にしていた90キロ近いビクターの旧式蓄音機を一人で一気に庭に運び出しました。暫くして隣家の火事がボヤ程度で無事に収まって、さて蓄音機を家の中に戻そうとしたら、いくら頑張ってもビクともしません。結局、三人がかりでやっと部屋に戻せたそうです。
同じく野口師の著書に、新潟県に派遣された青年技師と下宿先の動作の鈍い腰の曲がった老婆の話があります。ある夜、地震が来た時、まだ寝床の中の青年技師に、「地震だから早く逃げなさい!」と声を掛けて、アッと驚く間に飛ぶような速さで姿を消した話です。地震が収まって帰ってくると老婆は元の腰の曲がったよぼよぼ姿に戻りましたが、手にはしっかりと夫の位牌と貯金通帳を持っていたそうで、これにまた青年技師は驚くのです。
これらの現象について野口師は「いざという時に発揮できた力は、普段、そんな力が無かったとはいえません、そぅいう力があるのに、平素発揮しないまま暮らしていたと申すべきです」と断定します。
野口氏の整体に対する神業の如き手技は、高弟といえども真似は出来ないそうですが、野口師は、人夫々の潜在する能力に合わせて施術していたのかも知れません。多忙な師は一人3分の短時間施術で必要なツボをきちっと抑えて一人一人に満足する療術を行っていたと聞きます。この整体の神業はツボを熟知した上に人間観察が鋭く、人を一瞥しただけで、その人間の弱い部位が見えて、透視のような現象が起っていたとも推察できます。もちろん、そうなるまでの研鑽努力は余人の真似出来るものではありません。これには頭が下がるばかりです。そこで私も考えました。私も占いでは半世紀超、ほぼ12万人の方々と接して来ましたから人を視る目には少々自信があります。整体の神様でもある野口師には遠く及ばずといえども、人を見抜く占術の特技を活かして、開運道式癒し整体を確立したいと思いを深めているところです。
------------
頭部のツボ(経穴)シリーズの続き、翳風(えいふう)と完骨(かんこつ)をご覧ください。
4-3、翳風(えいふう)
あご骨の後ろにある窪みで耳たぶの下です。
顔のけいれん、イライラ解消、顔面神経痛なぢに効きます。
ここは中指を立てたまま人指し指と薬指を添え、息を吐きながら気持ちよい強さでツボをクリクリと6秒ほど押し、息を吐きながら6病ほどかけて指を離し、これを6回、計36回施術します。三指を用いても長さが違いますから押すのは中指だけになります。
4-5、完骨(かんこつ)
耳の後ろの出っぱった骨の下側のくぼみにあります。
頭痛、偏頭痛、めまい、耳鳴り、目の疲れ、不眠症、自律神経の正常化に有効です。
この部分も「えい風」と同様に、親指でゆっくり上に押し上げるように6秒づつ6回押し摩擦します。
4-6、啞門(あもん)
後頭部の中央、髪の生え際から指1本ほど上です。
啞門の啞は聾唖の啞ですから言葉が話せない状態の啞です。
そこを癒やすことによって会話も活発になり健康も回復します。
ストレス・緊張からくる頭痛、鼻血、発声神経症状に効果的です。
この部分も「えい風」と同様に、親指でゆっくり上に押し上げるように6秒づつ6回押し摩擦します。
(注)花見正樹の講演「手相と長寿」が11月3日(土)にあります。詳細はHP表紙の「お知らせ」で。