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龍馬と刀剣ー3
小美濃清明
宛先不明の書簡
〔刀剣図考〕 栗原孫之丞信充(のぶみつ)によって著わされた刀装の本。刀剣の外装専門書。
主に歴史上の人物や有名神社、仏閣の刀装が絵図で描かれていて、簡単な解説が付いている。〔年月日〕 未詳。
〔宛先〕未詳。
『坂本龍馬全集』(光風社出版)を編述された宮地佐一郎氏は「土佐勤王志士遺墨集」の宛先・姉乙女説、岩崎鏡川の宛先・後藤象二郎説に対して「しかし、果して本状が、乙女、或いは後藤に与えたものであろうか。文章はもっと親しい相手、殊に辞句のくずし方は女性向きである。例えば妻お龍かあるいは寺田屋お登勢へと推定される。」と解説されている。
龍馬が書き残した書簡を読んでみると、明らかに宛先によって文体が異なっている。特に女性に宛てたものは文体が平明で、かなを多用し、漢字にかなを振るなど気遣いが感じられる。
この書簡は明らかに女性宛であり、内容からいってごく親しい女性と見るべきであり、宮地氏の説は正鵠を射ていると思う。
また、この書簡が書かれた場所に関して宮地氏は(『やどにてかりてあるたんす』とある。その宿は下関本陣伊藤家か、(伏見寺田屋か、それとも長崎海援隊本部小曽根家であろうか。宛先き年月も未考のまま掲げておく。)とされている。
下関、伏見、長崎、この三カ所以外にこの書簡が書かれた場所はないのだろうか。
この書簡を現代語訳してみる。
「刀剣図考」
この本が三巻あります。右の本をお届けいただきたい。太刀の絵が描いてあります。
宿で借りてあるたんすのひきだしの下の端のひきだしに白鞘の短刀がある。お届けいただきたい。
才谷梅太郎謹んであなたの使者に頼みます。
まず、この書簡の書かれた状況を正確に再現してみる。
龍馬は本と白鞘の短刀を持って来て下さいと筆を走らせている。この書簡を宿で受け取るのは女性である。この女性は龍馬が宿泊している部屋へ入り、龍馬の所持品の中から、たのまれた品物を捜し出すことができるごく親しい間柄である。
龍馬は宿から箪笥を借りるほどの長逗留をしている。その宿から龍馬は外出していて、この書簡を書いている。
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第249回 幕末史研究会のご案内
日 時 2017年2月19日(日)午後2:00から4:00
会 場 御殿山コミュニテーセンター 2階 吉祥寺駅中央口徒歩8分
講 師 近藤圭二氏(こんどうけいじ・新選組研究会史誠会)
テーマ 「新選組の戊辰戦争一戊辰戦争勃発から土方歳三の死まで」
会 費 一般 1500円 大学生 500円 高校生以下無料
講義内容 京都の治安維持を任務とした新選組は、否応なく戊辰戦争に巻き込まれていきます。戊辰戦争での組織の変遷と戦い模様につい
て話します。
講師略歴
1960年 愛知県生まれ 早稲田大学法学部卒
司馬遼太郎の小説『燃えよ剣』を読んで衝撃を受け、以後、日本各地の土方歳三の足跡を追う。
1999年幕末や戊辰戦争について学ぼうとの趣旨で史誠会を結成し現在にいたる。
共著『新選組戦記』『決定版新選組・白虎隊・彰義隊のすべて』以上新人物往来社刊。
下記 FAX・Eメールに2月18日(土)までに申し込み下さい
幕末史研究会
事務所:〒180-0006 武蔵野市中町2-21-16
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第250回 幕末史研究会のご案内
記念となる節目の例会ですので素晴らしい講師をお迎えします。
講師 五味文彦先生(東京大学教授)
中世研究の第一人者です。
日時 4月22日(土) 午後2時から4時
会場 武蔵野商工会館 4階
吉祥寺駅中央口 から徒歩5分 吉祥寺第一ホテル近く
テーマ 「織田信長の政権構想」仮題
講演仮題は検討中、一ヶ月前に決定します。
この予告は小美濃が担当いたします。
FAX・O422-51-4727/電話・090-6115-8068(小美濃)
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