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幕末史研究会
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幕末史研究会は、東京都武蔵野市を中心に1994年から活動を続けている歴史研究グループです。
「坂本龍馬八十八話」
6、暗殺
小美濃 清明
第68話 箱館降伏人の取調
土佐は龍馬暗殺の犯人が箱館戦争に参加して降伏した兵の中にいると判断していた。そこで箱館戦争が終ったあと、降伏した兵を明治三年二月から九月までの期間に取調べている。
新政府の兵部省、刑部省がこの調査にあたり調書をとっていた。
(原朱)
刑部省口書
一橋家来
大石捨次郎倅
元新選組
大石鍬次郎口上
午三十弐才
(前略)
其節伊豆太郎ヨリ相尋候ニハ、於●二●京師●一●土州藩坂本龍馬殺害ニおよび候も私共之所業ニ可●レ●有●レ●之、其証ハ場所ニ新選組原田佐之助差料之刀鞘落シ有●レ●之、其上勇捕縛之節及●二●白状●一●之旨申聞候得共、右ハ兼々勇咄ニハ坂本龍馬討取候ものは見廻リ組今井信郎、高橋某等少人数ニ而、剛勇之龍馬刺留候義ハ感賞可●レ●致抔折々酒席ニ而組頭之もの等え噺候を脇聞いたし居候得共、右之通就縛候上は即坐ニ刎首可●レ●被●レ●致ト覚悟いたし候ニ付、右様ノ申訳ハいたし候も誓言●(虚カ)●と被●レ●存私所業之趣申答置候処、不●レ●図同月中兵部省へ御引渡ニ而。(下略)
(原朱)
兵部省口書
箱館降伏人元新選組
横倉甚五郎
午三十七歳
口書
(前略)
土州藩坂本龍馬討候義は一向不●レ●存候得共、同人討候者ハ先方ニテハ、新撰組ノ内ニテ打殺候様申居候間油断致ス間敷旨、勇方より隊中へ申通候事承候而已ニ御坐候。其余ハ一向不●レ●申候。(下略)
午二月
(原朱)
兵部省口書
箱館降伏人
元新選組相馬肇事
相馬主殿
年二十八才
口書
(前略)
一、坂本龍馬儀ハ私は一向知不●レ●申候得共、隊中へ廻文ヲ以テ右之者暗殺致候嫌疑相晴候趣、全見廻リ組ニテ暗殺致候由之趣初而承知仕候。(下略)
このように元新選組の隊士だった大石鍬次郎、横倉甚五郎、相馬主殿が取調をうけているが三人とも犯行を否定している。
特に大石は犯人を見廻組としている。