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龍馬と刀剣ー9
坂本龍馬と刀剣 小美濃清明著・新人物往来社刊
④ 安全な地域の宿
(薩摩)(長崎)(下関)、この三カ所の中で最も安全な場所はどこであろうか。龍馬が 『刀剣図考』を読み、歴史上の有名武将の刀装を眺め、それを基に自分の差料を作ろうとする時間的、精神的余裕を持ち得たのはどこだろうか。
龍馬は「メモ」 の中に(宿)と書いている。下関・伊藤助太夫方・「自然堂」は龍馬の寓居であり(宿)という認識は龍馬にない。慶応三年三月六日、印藤享宛書簡で龍馬は助太夫を(家主)と書いている。下関は「メモ」の書かれた場所ではないと判る。
長崎・小曽根邸にお龍が居た時、慶応二年八月十三日、
森玄道、伊藤助太夫宛書簡に(浪士等長崎こ出てハ、此小曽根をかくれ家と致し居候ものも在レ之、既に私らもひそみ居候)と龍馬は書いている。
長崎も「メモ」に書かれている(のんびりとした日常生活の断片)とは異なる状況であった。長崎は「メモ」を書いた都市ではないと判る。残るのは「薩摩」である。
関ケ原合戦以後、島津氏は国境の守備を固めた。そのため、薩摩藩の国境を越えることは不可能であった。龍馬自身、脱藩の折、薩摩入国に失敗している。こうした頑強な守りは、一度藩内に入れば最も安全な地域となる。
龍馬は慶応二年三月十日から六月二日まで最も安全な場所にいたのである。だからこそ、お龍と共にのんびりと新婚旅行もできたのである。
「メモ」は薩摩で書かれたのではないかと推定できる。
第250回 幕末史研究会
記念となる節目の例会ですので素晴らしい講師をお迎えすること
になりました。中世の第一人者 五味文彦 先生です。
日時 3月25日(土) 午後2時から4時
会場 武蔵野商工会館 4階
吉祥寺駅中央口 から徒歩5分
吉祥寺第一ホテル近く
講師 五味 文彦 先生 東京大学教授
テーマ 「織田信長の政権構想」
信長の政権構想は朝廷との関係が要点となる。
幕末の龍馬・後藤象二郎・容堂たち土佐藩も長州藩、薩摩藩も朝廷との関係に
注意をはらっていた。
申し込み 3月24日まで80名
幕末史研究会
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FAX・O422-51-4727/電話・090-6115-8068(小美濃)
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