夢に見た劇場出演ー6
芦野 宏
「幸福を売る男」が大流行したのもこの年で、私は毎日ステージでこの曲を歌い続けた。
この歌は、自分の心にも明るい希望をもたらしてくれるからだ。
薩摩さんが書き下ろしてくれたわかりやすい訳詞のせいか、皆に愛されて大ヒットし、私の結婚式でもお礼の歌として歌った。
当時人気絶境の林家三平師匠が、この歌詞を使ってお笑いのなかに組み込んでくれたりして、ますます人気は高まっていった。
「幸福を売る男」
かるい恋の 風に乗って
私は行く 青い空を
いかがですか 甘いシャンソン
いかがですか 夢と幸は
私どもの商売は 幸せ売る商売
夏も秋もいつの日も 歩きまわる仕事
あなた方が 笑うことを
この私を 涙などは
夢や愛や 忘れたとき
呼びとめれば 消えて笑顔
フフーフ‥‥‥‥フ一フフ‥‥‥‥・
訳 薩摩 忠 14
曲 J-P・カルヴェ
私はこの歌が大好きである。歌いながら皆さんに明るい幸せのメッセージを送る気分がたまらなく好きなのだ。
歌っているうちに自分の心とお客様の心が一つにつながってゆき、勇気が限りなくわいてくる。
歌はほんとうに不思議な生きものだ。私はこれからも歌とともに生きていきたい。