夢の劇場出演ー4
芦野 宏
私がシャンソンを歌いはじめて以来、長いお付き合いを続けてきた薩摩忠さんから「歌から歌へ」の詩をいただいたのは、昭和五十一年(一九七六)のことであった。地方で芦の会(芦野宏後援会)を主催する方から、ぜひこの歌をという推薦をいただき、マシアスの原曲を聴いているうちに歌いたくなり、薩摩さんに訳詞をお願いしたら、こんな素晴らしい詩を書いてくださったのである。
「歌から歌へ」
訳 薩摩 忠
曲エンりコ・マシアス
明るい歌がまねく世界の国へと
歌の翼に乗ればどこへも行けるよ
あのゴンドラ漕ぎの歌は恋のヴェニスよ
ボサノバのリズムにのせて
リオの町カーニバル
(ルフラン)
歌は太陽だ 声のアーチ
歌は生きている 空を翔(かけ)る
みんなの住んでいる緑の地球
歌のリボンをかけて さあ飾ろう
楽しく歌いながら 世界をまわろう
カスタネットの音と ギターのセビリヤ
あのバラライカのひびきは 春のモスコー
この粋なシャンソンきけば 目に浮かぶシャンゼリゼ