幸福を売る男
芦野 宏
Ⅲ 新たな旅立ち
5、パリ・コンサートをめぐつて
明けましておめでとうございます。
新春二弾目の掲載ながらすでに「あとがき」になりました。
これからも「シャンソン」および「日本シャンソン館」を宜しくお願いします。
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あとがき
私の音楽人生のなかで、初めて脚光を浴びたのはNHKからの第一声であった。まだラジオの時代だったが、民間放送、劇場、各種音楽鑑賞団体きの公演にも恵まれ、やがてテレビの時代になり、NHK『くらしの窓』では司会進行の役まで受け持ち、芸域を広げることができた。
私の拙い自分史が、このたびNHK出版で実現したことは感慨無量である。今、この四十五年間、歌手として先輩やファンの皆様、新聞雑誌、ラジオ・テレビ関係など多数の皆様によって支えられてきたことを思い、感謝の念を新たにしている。
記憶というものは時とともに薄れゆくものだが、私の古い資料を綿密に調べ上げ、注記、年譜きにより史実をよみがえらせてくれた後藤光夫氏(鹿島出版会前出版部長)には深く感謝している。
最後に何年畠から「今、書いておかないと後悔しますよ」と、辛抱強く督促してくれた藤村知弘氏、そして、このたびの出版に際してお世話いただいたNHK出版常務取締役の萩野靖乃総合出版部長、藤橋和浩編集長、そして編集スタッフの三好正人氏に厚くお礼を申し上げる次第である。
一九九八年七月十四日 「日本シャンソン館」開館三周年を迎えて 芦野 宏