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旅への誘い

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旅への誘い

忘れかけてた虹が甦るように

一筋の飛行機雲が碧空を切り裂くように

突然二人の旅がはじまるのです
ウールの膝掛けを一枚だけ用意して下さい

憂愁の夜を過ごすためです
きん
星の海を渡るには黄金のゴンドラをだします

それからアルジェの宝石箱もお忘れなく
やがて妖精になったあなたは

デ ュバルクの旋律に合わせて

限りなく拡がる世界を踊り廻るのです
あなたと私の旅はもうはじまっています


僕の日記帳


僕の日記帳

六月十八白 僕の誕生日

僕が生まれたあの時は 別に野心はなかったが

産湯につかるあの気持ち なんとも言えなくよかったぜ
満五歳の宮参りの日に

五つのときの宮参り 靖国神社でだだこねて

賽銭あげずに貯金して 今まで続いたマネー・ビル

小学校三年生 初恋の日記

小学校の三年で 女の先生に恋をして

手紙を書いて打ち明けて 後で呼ばれて立たされた

中学生ニキビの日記帳

鏡を見つめてニキビとり中学二年のその頃は

ギターを弾いて慰めて今まで歌い続けてる

昭和三十八年一月九日

こうして朝から歌ってもなんだかちょつぴり物足りない

朝飯ぐらいはしみじみと早く行きたい女房のところ

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私のピアノ

私のピアノ

私のピアノは 不思議なピアノ

生まれた日から いつも一緒で

悲しい時は 泣いてくれるし

嬉しい時は 笑ってくれる

私のピアノは 歌が好き

ワルツやタンゴ ルンバ ボサノバ
l
世界のリズム 何でもこなす

踊り出すのさ あの足取りで

私のピアノは 旅が大好き

一人で空を 飛んでゆ l≦のさ

エッフェル塔を 見下ろしながら

セーヌまたいで シャンゼリゼまで

パリのホテルの 素敵なサロン

おめかしをして 出かけたピアノ

衣ずれの音 ざわめきの中で

夢を叶えた 私のピアノ

私のピアノは 不思議なピアノ

生まれた日から いつも一緒で

悲しい時は 泣いてくれるし

嬉しい時は 笑ってくれる

いついつまでも 私のピアノ


水戸の梅

 水戸の梅

 

ぼくの母さん 水戸生まれ

水戸の名物 梅の花

それに因んで 名は梅子

若いころには鷺を 鳴かしたこともあるそうな
その名のどとく忠実に

うめよふやせよ 七人も

子供ができた 末の子が

今ここに居る この私 歌が好きなの 親ゆづり
うた
むかし詩の大すきな

梅のつぼみも 年をへて

梅干しふうになったけど

いついつまでも 梅の木は 丈夫で枯れずに居て下さい


人魚の泪


人魚の泪

月の光をあびて 砂浜に散る真珠は

人を恋した人魚の なげきの泪

満月の入江の岩陰 聞こえる歌声

波にはかなく 消えゆく

若い一人の漁師は 砂浜に散る真珠を

拾いあつめて いつも 大事にしてた

春の日の優しい光にまどろむ漁師は

可愛いい 人魚と出会った

はじめて知った恋は あまりにもせつなくて

どんな綺麗な花より 美しかった

愛しても叶わぬ恋だと知りつつ漁師は

大事な真珠を渡した
月の光をあびて 砂浜に散る真珠は

人を恋した人魚の なげきの泪

満月の入江の岩陰 今でも聞こえる

哀しい 恋の歌声


砂丘


砂丘
鳥取の砂丘は白くて広い まるで大きなすり鉢みたいだ

僕は歩く 素足で歩く            .

遠い海の潮騒が空しく胸に呼びかける

鳥取の砂丘どこまで続く いつか見た夢 アラブの沙漠か

僕は歩く一人歩く

よどれた僕の心臓が都会の煤をはき散らす
鳥取の砂丘はひどくつれない いじわる女の冷たい仕打ちだ.

僕は歩く 空しく歩く

風の残した足跡が 白い心を嘲笑う
鳥取の砂丘よ 白い砂丘よ 果てしなく遠い夢の続きよ

僕は歩く どこまでも歩く

遠い海の潮騒が空しく胸に呼びかける


南国薩摩の白絣

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南国薩摩の白絣(かすり)

赤いきょうちくとうの 花かげで

 誰を待つやら 待たすやら

 南国薩摩の白絣

 海の入陽が 目に弛みる

碧い海だよ 恋の海

 遠く呼んでも 戻りやせぬ

 南国薩摩の白絣

 潮のいぶきが 懐かしい

可愛いい笑くぼの黒めがち

 恋を知るやら 知らぬやら

 南国薩摩の白絣

 紅いたすきが 目にまぶし

長い旅だよ ここまでは

 風の便りも 届きやせぬ

 南国薩摩の白絣

 遠いあの日の 夢を見て

 

 


雪やこんこん

ユキダルマ

雪やこんこん

 ふと明るさに眼がさめて

  カーテン越しにのぞいたら

  おもてはまっしろ 雪の国

 まだまだ降るぞ 積もるだろ

 今日こそきっと大雪だ

  雪合戦か 雪ダルマ

   それともスキーか スケートか

   いつも寝坊の宏クン

 寒さを忘れて 飛び起きた

 雪やこんこん 降っとくれ

 ポチもびっくりはねまわり

 みんなびっくり  大目玉

  ふだんは寒がり宏クン

  一体どうしたことかしら

  珍しいことがあるもんだ

  きっとそのうち雨が降る

  おや 云わぬこと それごらん

   雪やこんこんいつの間に

   雨にかわって宏君

 がっかりしながら寝直しに

  夜具(ふとん)にもぐりこんだとさ


わんこそば

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そんじゅ 花画

 わんこそば

 わんこそば ちゅうもの知っとるかい

 25杯食ったんだぜ

 おめえはどうだい こいつはなあ

 楽しみながら食うもんだ

 最初の5杯は味ねえもんだ

 段々味が出てくるべさ

 18杯目でたらふくなってよ

 ちょっと一服するもんさ

一服したらばよオ それからよ

 あと7杯をばよ食うべさ

 そしたら横になるベエさ


 お正月

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 2017年

 新春のお喜びを申し上げます。

 お正月

鳩時計も

 ダンロノ火モ

 燃えてイルンダゼ

 リリリリリイントベルガナル

 サット椅子カラ立チ上ガル

 サテコソ待ッテル

 オ客サマ

 ネコヲ膝カラ「ニャン」ト捨テテ

 玄関ノ戸ニ手ヲカケル

「ナーンダ郵便カ」

ダアレモコナイオ正月

 ソレデモ僕ハ寂シクナインダ

 ダレカガキットドコカデ

 ボクヲ淋シク待ッテテクレルカモ

 シレナイモノネ

 


ミスター・ガーリック

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 ミスター・ガーリック

ミスター・ガーリック 孤独な紳士 それでも元気者

 ニンニク好きなジェントウルマン 外国暮らしが身にしみて

 パリで覚えたカタツムリ 上海料理のあの味も

 それがなければ物足りない

 今じゃチラチラごま潮の シルバーグレーとなったけど

 これを食べてりゃ大丈夫

 ミスター・ガーリック 友達じゃないが それでも恋をする

 初めの彼女はデパートの 漬け物売り場のお嬢さん

 有楽町でお茶飲んで 宮城広場を散歩して

 やさしく抱いて頬寄せて 恋を語ったそのとたん

 彼女たおれて救急車 今日もはかなく男泣き

 ミスター・ガーリック「まあ、くさいわね」さみしいピエロ

「ニンニク食べるのやめなさいよ」それでも

「まだこりないの」 恋をする それでも

「まだこりないの」 やめられない

「もう絶対だめよ」 やめられない

「せめてトウガラシかコショウぐらいならネ」

 ミスター・ガーリック それからあだ名を変えた

 ミスター・ペッパー 「なかなかいい名だろう」

「あなたはもともとダメなのよ」「ハッ、ハイ」


小さな王女さま

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 小さな王女さま

金ぴかの馬車に乗って

 お城に向う王女さま

 おじいちゃまは専属のギョ者

 手綱さばきも鮮やかに王宮へ御案内する

ここはチュルリー公園

 ルーブルの宮殿には鳩の門番が並び

 馬車のお帰りを待っていることだろう

 ポーレットフランソワも

 セバスチアンもフランシスも

 みんな羨ましがるに違いない

 日曜の朝

 金ぴかの馬車に乗って

 お城に帰る小さな王女さま


十二月の詩

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 十二月の詩

「ボク ユキダルマデス」

「クリスマスノバンハ ヨッパライガ

マチヲヨゴスカラ ホウキヲモッテマス」

「ボクノボウシハ オナベデス」

「マフラーハ ボウヤノデス」

「ソシテホウキハ アシノサンノダイドコロ
カラモッテキマシタ」

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クリスマスは

 子供タチト一緒ニ

 スゴシタイトオモッテイマス

        ヒロシ

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冬がきた

 

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冬がきた

冬がやってきた

 大きらいな冬が

 どうして冬なんか来るのだろう

 寒くて風が吹くなんて

 僕はちっとも嬉しくないな

 でも仕方ないよ

 冬には冬でいいところもが又あるんだもの

 えんがわの日だまりであみものをしている

 おばさんがそう云いました

 僕はガラス戸越しに葉っぱの

 ちっともない木の林をみながら

あの梢の先に冬がとまっているのかなと

 思っていました

 郵便屋さんがむこうの道を

 自転車で走ってゆきました


ルーブル美術館の庭

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ルーブル美術館の庭

ルーブル美術館の時計は

 止まったまま音をたてないのに

 案内人のお喋りはひどくやかましかった

歴史と芸術の重さに圧倒されて

 胸苦しくなった僕は

 バルコニーへのがれ出ると

 初夏の風がさわやかであった

チュルイ公園に続くこの庭は

 カルーセルの門を臨んで

 いきいきと歴史の夢を甦らせる

 六月の巴里の空に

 つきせぬ憶測と憧れを

 いつまでも描き続けている僕である


エッフェル君

 

ソンジュピアノ

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 エッフェル君

 

 エッフェル君 ごきげんよう

 蝶ネクタイがよく似合う

 首長のおすましさん

君は足を揃えてセーヌを飛びこえ

 ときどき散歩するそうだね

白い雲が流れてくると

 それを襟巻にするんだってね

 ながーい襟巻は君が流行らせたのかい

エッフェル君 ごきげんよう

 もうじき君のすきな巴里祭だね

 ひと晩中踊り明かすつもりだってね

 でも夜中に拡がる花火で

 やけどだけはしないようにね

 エッフェル君 ごきげんよう

 また会う日まで・・・

 


大空に向って

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 大空に向って

モンマルトルの丘に立ち

 画架に向って筆を執る

 キャンバスは

 うすもやこめるパリの空

絵の具はセリアンブルー

 それに白をまぜながら伸ばしてゆくのだ

 大空に向って描くこころの音は

 アコルデンのひびきとギターのリズム

かろやかなシャンソンの流れと

 さわやかに咲きにおう薔薇の花

 限りなく拡がる夢とあこがれを

 僕はモンマルトルの空に描きつづける


夕暮れのパリ

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   夕暮れのパリ

うす紫の夕暮れが

 パリの街を包みはじめると

 またたくうちに

 天鳶絨(びろうど)のような夜が訪れる

 すると パリは急に息づく

 両手を大空に向かって拡げ

 こびるように笑いかけるパリの夜

 コンコルド広場では

 妖精の物絵会がはじまり

 シャンゼリゼの空には

 マルグリッドの花が咲く

 横町のキャフェや地下の酒場も

 活気づいて

 シャンペンをぬく音が

 まるで打ち上げ花火の饗宴のように

 街中に響き渡る


十一月のパリ

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 十一月のパリ

肌寒い十一月のパリは

 もう冬がそこまで

 やってきている

 恋人たちはオーバーの衿を立て

公園の人影もまばらになる

 パリから車で二十分ほど

 ベルサイユのトリアノン庭園は

 小さな動物たちが

 木の実を拾いに集まってくる

 遠くにみえるのは”愛の神殿”

 優雅なロマンの夢をたたえて

 しろい霧が流れていた


モンマルトルの丘

「モンマルトルの...」の画像検索結果

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  モンマルトルの丘

モンマルトルの丘

モンンマルトルの丘に
無限にひろがる自由の空

白い大きなサクレケールは
愛と平和を讃えているかのよう

キャフェテラスは
ふたりの愛のはじまり

キャンバスは
夏の日の恋の想い出

モンマルトルの丘に
今日も”自由の鐘”が鳴り渡る

 

 


ほほえみ

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ほほえみ

 

 ほほえみを いつでも心の中に

 忘れないように しまって置きたい

 ほほえみは 心の中にこそ

 育ててゆきたいものである

 名も知らぬ小さな雑草も

 空しく捨てられる前に

 あなたの部屋の花びんでほほえみ

 灰色の空でさえ

 あなたの夢のスケッチのキャンバスになる

 おおらかな愛のこころと一緒に

 いつでも心の中に

 ほほえみを忘れないようにしよう


夕暮れのシャンゼリゼ

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 夕暮れのシャンゼリゼ

そぞろ歩きの

 夕暮れのシャンゼリゼ

人生のなかばをあゆみ

 いまもーーー

 ゆめを追いつづける

 ふたりのための散歩道

 六月のパリ

 シャンゼリゼ

 いちばん空気の美味しい季節

 夕ぐれ

 涙が溢れそうになる時

 それでも泣いてはいけない街

ふれあう肩のぬくもりを

 かみしめる街


季節のうた

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 季節のうた

十月の季節の ハーブ

 十本の張りつめた 絃(いと)が

 高原の唄を運び

 泉のせせらぎを奏でる

指折り数えて待った十月は

 季節の果物を運んで

 食卓を飾り

 桔梗色の空には白い綿雲が

 夏の思い出をのこして浮かんでいる

十月に季節のハーブ

 十本のいとが僕のこころに

 秋の幻想を奏でる


夏が好き

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夏が好き

僕はやっぱり夏が好きだ。

冬のどんよりした憂鬱な寒さはやりきれない

あかかと火をもやした暖かい部屋で

童話の夢をみていたとしても

それもあまり長い間では飽きてしまう

窓から遠い空の中の白いちぎれ雲を見ながら

 フト考えたことです。


夜行列車

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夜行列車

 ピギャルの嬌声に飽きて
サンラザールから夜行列車の旅に出る

 夜明けのジュネーブは
レマンの水をバラ色にそめて
疲れたぼくを迎えにきてくれた
日曜の空を
小さな鐘がひろがってゆく

ここには
パリの憂鬱がない


古城

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古城

あおい湖をすぎると
神秘の森に出会いました

 果てしない静寂の中に
シャンティイーの蒼い城が眠っていました

 まどろみの中に
音のない大舞踏会が催され

 しじまの中に

 華やかな大饗宴が始まっていました。

 あのあおい城は

 神秘の雲に包まれていました


ノートルダム寺院

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 ノートルダム寺院

 ノートルダム寺院の鐘の音が
ひんやりとした空気を渡ってこだまする
鐘の音は 波紋のように
秋のセーヌ河にひろがって
岸辺のさざなみになって消えてゆく

ここは パリ発祥の地といわれている
中の島あたり

 セーヌの流れも
このへんだけは
水鳥が愛をささやくように
ゆっくりと・・・
観光船も速度をゆるめて
こころを残し ノートルダムを
振返りながら別れてゆく

パリの空の下 秋が流れてゆく


凱旋門

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凱旋門

 ルーブルから抜け出して
パリのあおい空をみた

 チュルリイ公園の樹立のかげに
古びた凱旋門があった
ナポレオンが建てたと云うこの門
百五十年の風雪をへて
今も尚 誇らしげにパリの大空に
向かって立つ
この古い凱旋門
カルーセルの門である

耳をすますと
ナポレオン将軍の
靴音がきこえてくる

僕はエトワールの凱旋門より
ずっとたくさんこの古い
カルーセルの
凱旋門を愛する


夏の夜

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夏の夜

ノートルダム寺院に
七彩のネオンがともり
セーヌの河面が
まぶしそうに
またたいても
やがて早い秋が
かけあしでやって来て
落葉の小舟が
華やかな夢をのせて
遠くへ去ってゆくのを
知っている

 

 


ラ・セーヌ

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  ラ・セーヌ

 セーヌは生きている
とだれかが云った
穏やかな流れの中に
人のこころを誘う夢が
あるからだろうか
昔からここに来て
ひそかに泣いた人
恋人と未来を
語り合った人たち
この河に身を投げた
女もあるという

それでもセーヌは
その流れを変えない
雪どけの春が来てて
水かさが
ほんの少しふえても
マロニエの白い花が
たくさん水面に浮かんでも


生きている限り

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生きている限り

 生きている限り いのちある限り

 美しく生きてゆきたい

 夜空と星の花束を 海に真珠の雨を

 そして胸には溢れる愛を・・・

たとえ みめ美しくなくっても

 たとえ 年老いてしまっても

 美しく生きてゆきたい

季節の花の一輪が あなたの庭の片すみで

 都会の雨に濡れているかも知れない

 あなたに逢いたい

 心のやさしい人が

 どこかで待っているかも知れない

生きている限り いのちある限り

 美しい心を持ちつづけていたい


ほほえみ

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 ほほえみ

 ほほえみを いつでも心の中に
忘れないようにしまって置きたい
ほほえみは心の中にこそ
育ててゆきたいものである

 名も知らぬ小さな雑草も
空しく捨てられる前に
あなたの花瓶の前でほほえみ

灰色の空でさえ
あなたの夢のスケッチのカンバスになる
おおらかな愛のこころと一緒に
いつでも心の中に
ほほえみを忘れないようにしよう


季節のうた

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  季節のうた

十月の季節のハーブ
十本のはりつめた 絃(いと)が
高原の唄を運び
泉のせせらぎを奏でる

指折り数えて待った十月は
季節の果物を運んで
食卓を飾り
桔梗色の空には白い綿雲が
夏の憶いでをのこして浮かんでいる
十月は季節のハーブ
十本のいとが僕のこころに
秋の幻想を奏でる

 

 


夏が来る

 

そんじゅ東京の夏1

そんじゅ東京の夏2

夏が来る

東京は冬から夏へすぐ移る

春とか秋が短くて

五月と云うともう暑い

汗を拭きふき山登り

海水浴の計画も

早めに立てて友達と

海辺に部屋でも

借りたいな


四月の風

そんじゅ四月の風

そんじゅ四月の風絵

 

四  月 の 風

 

白いまきげの犬ころがいる

午後の芝生に

くもりガラスを透した様な

太陽が降る

四月の風がレースのカーテンを

ゆさぶりながら

あおい風を運んでくる

とおくでは下手な

ピアノが

あくびしている

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六月のうた

そんじゅ六月の風1

そんじゅ六月風2

そんじゅ六月の雨

六月のうた

どんより曇ったしんじゅ色の雲は

濡れてくる恋の涙をこらえているのか
今にも崩れそうな六月の雨は 恋する男の描く

灰色の絹のカンバスだ
海は 波立つところで明日を期待しているのに

風は 一向にはげしい愛撫を与えてくれない

都会の女は 胸に真珠のたまを

飾っているけれど

あれは六月生まれの男が

胸で流した涙の結晶だといことを

知っているのだろうか


五月の色

そんじゅ五月画1

そんじゅ五月

五月の色

五月の色はエメラルド

深いみどりの宝石の

中に秘めた愛の夢
五月の風は恋の風

海を渡ってやってくる

オレンヂ色の愛の唄
五月の雨はみどりいろ

道に面した窓あけて

濡れた舗道を見てましょ


そんじゅ 花

そんじゅ 花画


昔の人は桜の花をこよなく愛したらしい

今の人達はどうだろう

僕はなぜか桜の花を思うと

酔っ払いと食べ散らかしたお花見のあとの

紙屑を連想してしまう

だから僕は すみれ や たんぽぽみたいな

野に咲く小さな花の方が 春らしくて好きだ

 


さくらんぼ実るころ

そんじゅサクランボ1

そんじゅサクランボ2

 さくらんぼ 実るころ

まあるくて

ちょっぴりすっぱい

さくらんぼ

赤ちゃんのほっぺのような

さくらんぼ

八百屋のおじさんが

ざるに入れて持ってきた

さくらんぼ

塩水でよく洗って

お皿にならべたら

雨上がりの雷さまが

とおくに走って

ゆきました。


四月の雨

そんじゅ無題

ソンジュピアノ

無  題

雨 雨

雨は去年の想い出を

そっと忍び足で運んでくる

傘をさして雨の中を歩く

雨のにおいがなつかしい

雨 雨

去年もこの道に山茶花の花びらが

こぼれていたっけ

雨 雨

四月の雨


泉のほとりで

そんじゅ泉1小

そんじゅ泉ー2小

泉のほとりで

四葉のクローバーを見つけました
白いみず鳥と白い雲だけが
水の上を走っています
私はとても淋しかったけれど
今日もひとりぽっちで
泉のほとりを散歩していたのです

杜のむこうではお祭りの花火が
上がっているのに
小さな舟は私を迎えに来てくれません
まだ早春の風がつめたいので
白いオーバーの襟を立てて
いつまでもここで待っていましょう
四葉のクローバーを摘みながら


雨降り

そんじゅ3

雨 降 り

白磁の壺に

紅の小枝を活けました

外では

誰かを待つような

静かな雨が降ってます

春の足音を聞きながら

田舎への手紙を

書いているのです

 

 


寒い夜

 

     寒 い 夜

 もうぢき 春がやってくる

 夕方なんかなんとなく

 あまくて泣きたくなる様子

 そんな空気が匂います

 電気スト-ブの赤い火は

 ちっともうれしくないけれど

 消してしまうとさびしくて

 やっぱり寒い夜でした

 もいぢき春がやってくる

 よおくみると分かります

 銀座の柳が細い芽の

 頭をちょっぴりだしてます


ご挨拶

「シャンソン&シャンソン館を宜しくお願いします」
日本シャンソン館は、2015年7月14日に創立20周年を迎えました。
その記念すべき日に、芦野宏詩集を「そんじゅ」を刊行できたことを大変うれしく思っております。日本シャンソン館の創立者であり、半世紀以上の長きにわたり日本のシャンソン界を牽引してきた父・芦野宏は、長年にわたり詩も書きためておりました。詩集に収められている詩の多くは、芦野宏ファンクラブ会報「芦野会だより・そんじゅ」(1955~1981年)に掲載されていたもので、詩集のタイトルとしても使用いたしました。
「そんじゅ/SONGES]とは、フランス語で夢という意味です。収められている詩のなかには、実際に曲が付き、本人が愛唱していたものも含まれています。この詩集によって、芦野宏の新たな一面を皆さまに感じ取って頂けましたらこれほど嬉しいことはございません。
日本シャンソン館 館長 羽鳥功二

「芦野宏さんは私の心の中にも生きています」
ご縁があって私(花見正樹)は、芦野宏様はじめご家族の皆さまに親しく長いお付き合いをさせて頂いております。芦野さんといえばシャンソン界の大御所で知らぬ者はいませんが、テレビドラマ主演、俳優として映画出演、画家としても8年連続二科展入賞&入選の実績があり、赤坂に画廊を開いていた時期もありました。さらに拙著に挿絵を頂いたり音楽制作を共にしたりと想い出は尽きません。そして今、ここ開運村HPに芦野宏・詩集&エッセイのコーナーを設けることで芦野宏さんの永遠の命が甦り、私の心の中にも生きています。この機会を賜りました芦野令夫人・羽鳥由希子様、日本シャンソン館館長・羽鳥功二様(お世話人紹介参照)には心から感謝申し上げます。 日本シャンソン館のHPは表紙左上ホーム右の小字「日本シャンソン館」を、掲載済み本文は、表紙左上ホーム右の「投稿ページ一覧」をクリックしてお楽しみください。 開運村村長・花見正樹。
付記。
「芦野宏詩集・そんじゅ(日本シャンソン館刊・1200円+税)」ー>日本シャンソン館へ。  芦野宏著「幸福を売る男(NHK出版協会刊(税込み1728円)」ー>↑上記または全国書店へ。その他CD・DVDなどご希望の方は日本シャンソン館HPをご覧ください。なお、本HPは他への転載は禁じられています。