投稿者「花見 正樹」のアーカイブ
豪雨と渇水
8月下旬、小中学校の学童達にとって貴重な夏休みの最終コース、なのに地域によっては天候不順で行楽計画はあえあなく崩壊です。
以前、北海道に関しての豆知識に「北海道には扇風機、冷房施設は要らない」「北海道には台風は来ない」「米はまずい」、これは常識でした。ですから「夏の避暑は北海道!」「海の幸と札幌ラーメン!」などというキャンペーンに違和感はなかったのです。
ところが、最近の北海道は札幌で内地より暑い37度の日があったり、知人から「美味しい米」が送られて来たり、台風が立て続けに襲ってきたりと、もはや、北海道も九州も環境は変わらない・・・いや、少々は違います。北海道の一部が台風と大暴風雨で川が氾濫、床下浸水 それどころではありません。今日、27日(土)も大気は不安定で、北日本には大雨注意報が出て、土砂災害などに警戒しなければならないのです。気象庁は「大雨と雷及び突風に関する全般気象情報 第2号」を発表しました。これは、かなりの警戒警報です。
こうなると、オホーツク海の低気圧から南西にのびる寒冷前線が北日本一帯を覆い、大気の状態が不安定になって大雨が降り、低地の浸水や河川の増水や氾濫、崖崩れによる土砂災害、さらに、落雷や竜巻などの被害、激しい突風にも注意が必要です。
気象庁の予想では、27日の24時間での降雨量は、北海道太平洋側東部と東北日本海側北部で150ミリ、これ以上、水害は増やしたくないのに余りにも無情な降雨量です。被害に遇われた方々には、心から謹んでお見舞い申し上げます。
このように北海道、東北地方では豪雨で災害続きなのに、なんと、この日本には雨不足の地域もあるのです。
さて、ここからは私事で申し訳ありません。
8月中旬、お盆過ぎにと満を侍しての九州球磨川(熊本県球磨郡)の大鮎釣り行きが、なんと渇水情報での土壇場キャンセルです。当然ながら予約した旅行会社には30%の旅券取り消し料を払う羽目で、次回は9月11日(日)からの仕切り直しになっています。昨年も一昨年も、豪雨に祟られて不満足な釣行だったのが一転しての水不足、球磨川には二十年以上通い詰めて皆勤賞ものの私ですが、渇水での釣行中止は前代未聞、初めての出来事です。
確かに、渇水だと川の水温が異様に高くなり、川底の石に付着した苔(川藻)が腐って、新鮮な川苔を餌にして縄張りを持つ鮎が石に近寄らず、オトリ鮎を泳がせても縄張り争いになりませんから鮎は釣れません。それでも、球磨川の流れに立ちこんで竿を出す楽しみは得られますから釣果はともかく、私は行きたいのです。なのに相棒の先輩釣友(大分市在住)が「釣れない釣りが出来るか!」と、我々の足になるジープでの出迎えを拒絶、それで上記の如く日延べになったのです。
過去には、台風の通り道の九州ですから豪雨で濁流渦巻く球磨川には勝てずキャンセル続き、旅券取り消し料も5万円近くに嵩んだこともありますが、渇水での日延べは後にも先にも今回が初めての出来事で、珍事としか言いようがありません。
その現地情報は、地元の釣り仲間や鮎宿からの電話ですが、過去には、濁流増水で鮎釣り不可の情報を無視して釣行を強行、釣りにならず温泉三昧で帰京して笑われた年もあります。一昨年は、豪雨の中の土曜日に自分のラジオ番組(山口放送・32年目)に用意した原稿が雨に濡れて破れ、番組がメチャメチャになった悲喜劇もあり、今年は土曜日を避けての釣行で準備万端・・・これで大鮎が釣れない訳がありません。と、20数年間、大鮎と戯れる夢を追い続けて球磨川に通ういつもの自分です。
ちなみに大鮎日本記録は数年前の33センチ、500グラム、釣り人・野嶋玉造(群馬県)、現認者・花見正樹、これはDVDにもなって全国発売され、この記録は未だに破られていません。そこに名を連ねた私は、あちこちで「あんたも一緒に尺鮎を釣ったか?」と言われ、「見てただけだ」、憮然と応じますが、ならば現認者より記録更新者に・・・と、下手な鮎釣り師を自認しつつも見果てぬ夢を追っています。
(注)「巨鮎(おおあゆ)に憑かれた男たち(花見正樹著・釣りびと社刊)」もあり、大鮎釣りは、もの書き、占い、と並ぶ私の三大生き甲斐の一つです。鮎釣り歴は60年、私の人生の中でもっとも進歩も成果もない趣味ですから自分でも呆れます。
ある涙の意味
お元気ですか?
多分、リオ五輪への応援参加で多少は寝不足とは思いますが・・・
私も寝不足、それでもあと数日ですから我慢します。
現時点で金12、銀6、銅21、合計39・・・まだまだイケそうで嬉しい限りです。と、この文書作成中に男子レスリングで樋口選手が銀、銀メダルが7ケに増え、メダル数も40になりました。
なんだか、どの競技でもメダルに手が届く距離に感じられて心強い限りです。
とくに、女子レスリングの圧倒的な強さ、これには圧倒され、喜び以上に恐怖でいっぱいです。われわれ日本人男性は、世界一強い女性達と暮らしていたことに今まで全く気付かなかったのです。外見や体力的に想定して、アフリカや欧米各国の女性に比して、楚々とした大和撫子が腕力で勝るとは、考えただけで恐ろしいことです。
水泳、シンクロ、体操、卓球、バドミントン、レスリング、柔道、もうどの競技も徹底して強化すれば何でも勝てそうな気にもなります。今まで入りこむ余地のなかった陸上でも、ボチボチと勝ちを拾えるようになっていて大いに希望はあります。
それにしても、4年に1度の世界最大のスポーツの祭典には、様々なドラマが生まれるものですね。
霊長類最強女性と謳われた吉田沙保里選手にも、ついに敗北の時は訪れました。
どんなに強くても、戦い続ければ力も衰え、いつかは台頭する新しい力に負けるのが自然の理です。
勝負の世界は、歓びと悲しみは紙一重、勝者には歓喜と祝福が、敗者には残酷な敗北感が待っています。
とくに、勝って当然と思われていて敗けた場合の心の傷は、察するに余りあるほど大きなものと思われます。
しかし、残酷な言い方ですが負けるには負ける理由があり、それは当事者だけが知る場合もあります。
伝え聞くところによると、長期間に渉って世界の頂点にいた吉田沙保里選手は、最良の指導者である父上のご逝去で心の支えを失った上に、協会の行事やイベントにも引っ張りだこで練習量が極端に減っていた上に、打倒吉田で手の内を研究されていたこともあって、いずれは敗ける運命にあったのです。とはいえ、その実績と名声、カリスマ性は一層輝きこそすれ何の瑕瑾もマイナス要素も生じません。21世紀を代表するレスリングの女王としてその名は燦然として輝いているのです。
競歩で三位に入った荒井選手が、一度はカナダの選手との接触で失格裁定を受け、絶望の淵から蹴落とされたのですが日本陸連の猛抗議で国際陸連理事5人の再裁定があり、結果は荒井選手堂々の銅メダル、これは嬉しい出来事でした。1952~4年と若い頃、私の親友が競歩の日本選手権2位(1位は俳優の細川俊夫選手)になったことがあり、私は自転車伴走でいつも一緒で、時々は練習に参加しましたが3キロも付き合うと太ももがパンパンに腫れてガクッとスピードが落ちて脱落、すごく辛い競技です。あれを50キロ! 凄いことです。一昨年にお母上が63歳でガンでご逝去されてからの頑張りが世界3位の偉業となって結実したのです。荒井選手に拍手です。
バドミントン金の「タカマツ」コンビも異色でした。
高校時代から先輩後輩でコンビを組んで10年、以前から高橋礼華選手はこう言っていたそうです。
「世界1位の実力はないと思うけど、二人のコンビネーションは世界一。これだけは誰にも負けない」
この揺るぎない自信と二人三脚での強い力が劇的な逆転勝利を生んだのは間違いありません。
一方の松友美佐紀の勝利者インタビュー(日刊スポーツ・阿部記者)のセリフにも泣かされました。どこで見たかうろ覚えですが、こんな内容でした。
「試合の相手に、この五輪を最後と決めている選手もいて、それがつらくて。もう戦えないと思うとつらくて・・・」
そう言って松友美佐紀葉は涙をこぼしたのです。勝った涙ではありません。対戦相手への感謝であり、去ってゆく者への思いやり、虚しさ、勝敗を超えた優しさの涙なのです。思わず喜怒哀楽に鈍感な私も我慢できずにホロリ、これを知っただけでも寝不足が報いられる思いです。
金メダル雑考
お元氣ですか?
暑中お見舞いを申し上げます。
もうすぐ立秋、まだ暑い日が續くのにそこからは「残暑見舞い」になりますね。
このコラムを書き始めたのは8月13日(土)午前11時40分、出演32年目のラジオ(山口放送)の電話出演を終えてからです。
したがって、リオデジャネイロ・オリンピックは終盤に入ってヤマ場はまだこれから面白くなってきます。
これまでの日本のメダル獲得数もうなぎ登りでまだまだ増えそうな気配です。12日(金)現在、日本が獲得したメダルは、金7.銀3、銅14の総数24です。しかも、これからがますます期待できる種目もあって楽しみ倍増なのです。テニスの錦織選手が順々決勝でフランスの強豪・モンフィス選手との激闘に勝って準決勝進出です。この試合では数度のマッチポイントの危機に耐えて勝ち、日本勢としては96年ぶりのメタル獲得に王手という快挙です。
ただ、4強に入っても世界ランク40位と格下の北朝鮮選手に負けた卓球の愛ちゃんの例がありますから油断は禁物です。
水泳日本も健在ですし、バレーボール、ラグビー、その他の競技も全力で戦っていて、それなりの力を発揮しています。女子卓球団体も健闘中、ポーランドを破って準々決勝進出、個人戦の雪辱を団体戦で晴らすことになるでしょう。
バトミントンも絶好調です。高橋&松友ペアが2連勝で決勝トーナメント進出、早川&遠藤ペアも世界選手権王者を破って2連勝中、奥原、山口選手も初戦勝利で勢いに乗っていて、夫々がメダルに向って快進撃中です。
それにしても、男女合わせて12人のメダリストを出した井上康生監督率いる日本柔道も見応えがありました。男子7階級で女子が5階級でメダル獲得、これは世界初の快挙です。
ただし、問題はあります。
柔道男子100キロ超級の原沢久喜選手の銀メダルはイライラしました。なにしろ、相手のリネール(フランス)は原沢の指導2本で優位に立つと、徹底して守りの姿勢で逃げまくり、観客のブーイングなど意に介さず勝つことに徹底して2007年以来世界選手権8連覇の実力を見せつけて前回のロンドンに次ぐ五輪連覇で不敗神話をさらに伸ばしました。原沢は序盤で有利な組み手になりながら好機に攻めなかった消極さで負けたのですから、後半のリネールの逃げを責める資格はありません。今までの私ですと、この逃げまくった絶体王者にブーイングですが今回だけは違います。世界一を逃した原沢選手にも同情しますが、リネールの逃げ勝ちを容認しなければならない理由があるのです。
その理由とは、柔道男子90キロ超級を制したベイカー茉秋(みしゅう)の勝利が、リネールの作戦と全く同じだったからです。指導を一つ受けても自分が優位にあることを知って、徹底して逃げまくりましたので相手には打つ手がありません。それも、時々は攻めますので審判も消極的指導が出せないのです。勝利への執念で日本柔道の伝統である正攻法に反して勝ち逃げを謀ったベイカー茉秋を、井上監督も私達観客も容認したのですから、ベイカーと同じ戦術のリネールを責めることは出来ません。それどころか、これが国際試合で勝つための一番の近道であることを日本柔道までが片棒を担いで世界中に広めてしまったのです。これを容認した井上康生監督は日本柔道復活の道筋を見つけ、国際試合で勝つコツを選手全員に知らしめました。勝つためには積極的に攻めて前半で得点を稼ぎ、後半は守るも攻めるも臨機応変、勝つための柔道に徹底・・これは、勝つために監督の立場では仕方ありません。
しかし、かつての五輪金の井上康生自身は堂々とした日本型柔道で勝利を摑んでいます。したがって、あえて言わして頂けるならば日本の柔道だけは、時間いっぱい正々堂々と力と技を使った全力での戦いに徹して欲しいものです。外国の血が流れているベイカー選手に武士道まで理解させるのは無理かも知れませんが、指導者の教えで日本柔道本来の姿である心技体いったいの真剣勝負に徹底指導をお願いしたら、きっと何かが変わるような気がします。仮に、これで勝利数が多少減ったとしても柔道本家のプライドは保てます。
今回の日本柔道の金メダル獲得で私は、母一人子一人で親孝行のベイカー選手が、決勝戦での勝利への執念は理解できますし金メダルも嬉しいのですが、明らかに勝ち逃げを図った戦術には失望しています。ベイカー選手の実力なら思いっきり戦えば一本勝ちできたはずです。
と、チャンネルを小まめに変えながらテレビ観戦でリオ・五輪どっぷりの私は、いま、すごい寝不足状態、自業自得ですが・・・。
五輪も五輪音頭も始まりました。
南米初の開催となったブラジル・リオのオリンピックは日本時間の6日(土)朝から開会式・・・と楽しみにしていたら、なんと、その前日の5日(金)の朝、早くも日本サカー代表チーム敗退のニュースが飛び込んで来て、頭の中が??? 1次リーグB組でのナイジェリア千で5-4、守備陣が崩壊しての敗戦です。これで、つい数日前まで1968年のメキシコ五輪以来の表彰台と言い切っていた関係者の青写真は赤信号、前祝い酒宴で赤かった顔は真っ青になったはずです。この黒星発進で、8日のコロンビア戦に勝たないとB組2位以内の準々決勝が難しくなります。あんな後方でパスを回しあっての間違ったチームプレイでは勝てません。かつての女子日本のように前へ前へと正確なパスをつないでゴールを狙う攻撃精神で戦っての敗戦なら納得です。次戦からは表彰台への執念が奇跡を生むことに期待しましょう。
と、パソコンに向って雑文を書き込み中の私の背後のCDプレイヤーから流れる曲が、ナルシソ・イエペスの「禁じられた遊び」から、バラジルの産んだボサノバの名曲・バーデン・パウエルの「イパネマの娘」が流れてきました。この曲が明日6日の開会式で使われるそうですが、そのイパネバの娘に扮するモデルさんの出演シーンが、大会に相応しくないと問題になっているそうです。ブラジルの産んだ名曲といえば、この「イパネバの娘」と「黒いオルフェ」ですが、私の聴くCD集もこの2曲は續いています。偶然なのか、ボサノバ歌手として知られる小野リサもリサイタルでは、ギターを巧みに弾きながら、甘いハスキーな声で「イパネマの娘」と「ブラジルの風(黒いオルフェ)」を続けて原語で歌うことがあります。
二十年以上も昔、まだ私が音楽制作に夢中だった頃、友人から小野リサのデモテープのカセットを貰って聴き、「すごい!」と思ったことがあります。その小野リサの姉がFテレビのパリ支局にいて、Fテレビでレギュラーだった私とは前からの知り合いであり、今は夫婦揃って
私の気学の弟子ですから人間の縁なんて分からないものです。
さて、オリンピックとはスケールが違いますが、夕方5時から築地本願寺の盆踊りが始まりました(6日(土)まで)。こうなるとBGMの軽音楽など吹っ飛んでしまいます。
昨日4日(木)から三日間、第69回築地本願寺納涼盆踊り大会と看板が出て、夕方5時からは踊り手、観光客が群れ、築地名店街の美味しい物屋台がズラリ並んで、どの店も客の列です。本来の盆踊りは、死者を供養するための行事だったそうですが、今は、自治体や商工会が主体で地域社会の娯楽と結束が目的になっているようです。踊りの伴奏音楽も随分と様変わりしていて、東京音頭、炭坑節、三橋美智也の大東京音頭は昨年と同じだが、きよしのズンドコ節が外され、東京五輪音頭、花笠音頭などが繰り返し登場しています。
とはいえ、窓を閉め切っても派手な太鼓と歌声が気になって仕事になりません。当然ながら、帰り支度で盆踊り会場へ・・・です。
自分の城
悲惨な事件が起こりました。被害者の方には心からご冥福を祈ります。
ご家族の方も、さぞや無念であることでしょう。
相模原市緑区千木良の知的障害者施設「津久井やまゆり園」の元職員が刃物5本を用意して、無抵抗な障害者を19人を殺害、26人に重軽傷を負わせた殺傷事件は、犯人の植松聖容疑者(26)が精神異常者として裁かれ、殺人罪に問われない可能性があるらしいのです。しかも、この事件は犯人が予告しているのですから防げたのです。
今年の2月に植松は、東京都千代田区の衆院議長公邸を訪れて手紙を手渡そうとしましたが、面倒を恐れた公邸職員は受け取りを拒否しました。それでも、植松は諦めず翌日も訪れて正門前位に座り込み、しています。警備の警察官が仲に入って職員が手紙を受け取ることで騒ぎは収まりました。手紙には犯罪を予告するかのように「障害者を抹殺することができる」と書かれていました。その後の神奈川県警や相模原市役所職員の聞き取りにも同様に殺傷事件を予告するような発言を繰り返していたそうですから、精神障碍者のたわごととと突っぱねて、妄想性障害」として病院送りして万事解決とした当事者にも責任の一部はあるはずです。
しかも、植松容疑者の手紙には、「私は障害者総勢470名を抹殺することができます」とあり、さらに、津久井やまゆり園を含む二つの施設を名指しで標的にしていて、その上さらに「職員の少ない夜勤に決行致します。職員は結束バンドで身動き出来ないようにし、外部との連絡をとれなくします。抹殺した後は自首します」と書かれていたそうです。
と、なれば、事件は全く犯人のシナリオ通りで、周囲は何の警戒も予防策もせず「狂人のたわごと」で片づけていたことになります。
植松と面接した市の担当者は、再三にわたって犯行を仄めかす植松を精神異常者と決めつけ、国の指定医の意見も聞き、「大麻精神病」と「妄想性障害」の診断で強制的に緊急入院の措置をとります。
ところが、植松の尿検査で大麻の陽性反応が出たことで大麻取締法違反で逮捕できるのに、指定医が、症状の改善が優先として県警に通報しなかったのです。それから数日後、医師が「他人に危害を加える恐れがなくなった」と診断したことで植松は大手を振って退院したのです。
この病院の医師は、植松の大麻使用を見逃し、人に危害を与えないと誤診し、間接的に大勢の人を殺傷する片腕を担いだことになります。
それにしても、これだけ犯行を予告して筋書きまで公表しているのに、結果的に「犯行はない」とした関係者一同にも何らかの罰があってもおかしくありません。
結局、植松は誰にも信じて貰えなかったのです。
人は誰でも自分の居心地のいい場所を求めています。
それを意識している人と無意識に行動している人とでは落ち着き度に差が出ます。
それを下世話に表現すると「縄張り」という言葉がピッタリ合います。
元来は城郭の位置取りに使われた用語がヤクザの支配地に使われたりしますが、要は自分の城のことです。
先週の続きになりますが、我が家では、川で釣ってきた小魚を水槽で飼っていますが、4センチサもない雑魚(ざこ)でさえ安住の地を求め、小さな縄張りを得るために必死で戦います。
植松は、その安住の地を得るための努力を怠って人に恨みを転嫁して道を誤ってしまいました。
私は、書斎という狭い縄張りを得て、そこに潜れば安泰ですが、残念ながら仕事の成果はイマイチです。
それでも、安住の地があるだけ幸せ、これで不満を言ったらバチが当たります。
スッキリ!
九州、四国から東海地区、さらには北陸地方と梅雨明けのニュースが流れていますが、関東地方は7月22日現在まだ梅雨空のジメッとしてスッキリしない天候です。
スッキリしないのは、オリンピック競技に対するロシヤの国を挙げてのド-ピング問題。参加することに意義があるというオリンピックの精神とはあまりにもかけ離れた勝利第一主義のえげつない国策には呆れるばかりです。
東京の都知事もスッキリしません。舛添前都知事のセコい金銭スキャンダル辞職劇の後の選挙なのに、有力候補がスキャンダルだらけで足の引っ張り合いではどうしようもありません。都民の皆さんの困惑が手に取るように伝わってきます。
当初の世論調査では、後出しジャンケンで立候補した鳥越候補が優勢で、増田、小池と並んでいたようですが、徐々に三者三様の戦いで接戦になり、最近では微妙な差で、小池、鳥越、増田の順と言われていました。そこにドーンと週刊文春に載った鳥越候補の女子大生淫行のセクハラスキャンダルは、小池候補の金銭問題など吹きとばし、投票を一週間後に控えて致命的な原爆級のダメージになりました。ご本人は事実無根と文芸春秋社を名誉棄損などで訴えましたが、事実はともかく、火のないところに煙は立たず、の俗言もありますから、支持者はかなり引いたはずです。
ここで減った鳥越票は、殆ど小池候補に流れますから、これで三つ巴の戦いはタヌキ目女帝の勝利で決着がつきそうです。
とはいえ選挙は水物、ラスト一日でどんでん返しがあるかも知れません。
水物といえば我が家の小さな水槽、休日に家の近くの水路などで孫と釣った雑魚で超満員、いまカワムツとクチボソがボス争いで必死の戦いを繰り広げています。これは、前ボスのカワムツが水の入れ替え中に飛び出し、それに気づかぬ飼い主に放置されての不慮の死で、ボスの座が空席になった途端に生じた後継者争いです。戦いは第二次世界大戦時の戦闘機の空中戦のように背後にまわって相手の体を突つくのですが、勝つと縄張りを持ち、餌取りの優先権を得ますので必死です。
拙著「巨鮎に憑かれた男達」では、鮎の縄張り争いの壮絶さに触れていますが、雑魚でも鮎や人間同様の争いがあるのです。そこで勝ってボスになったとたん、今まで共存共栄だった雑魚仲間など見向きもせず唯我独尊で水槽の一等地を足場に餌取りも真っ先、あらゆる利益を享受し占有しようとするのですが、餌を入れるとチビまでが一斉に飛びつきますからボスといえども生きるためには必死です。それでも、他の雑魚を押しのけて多量に餌を搾取しますから体がさらに一回り大きくなり威圧感が増し、ますますボスらしくなり、水槽内を悠然と泳ぎまわる姿にも貫禄がついてきます。強いものが勝つ! 雑魚の世界でもこの論理はスッキリしています。
人間社会はもっと複雑です。
権力に対して執念深く執着心も強いから都知事に立候補したのですが、その本心を隠して都民のための政治を声高く掲げて、作り笑顔で頭を下げ、両手で握手をしまくって運よく勝ったとします。それが、都庁という伏魔殿に入り、知事のイスに座った途端に人間から妖怪か魔物に変身するらしいのです。そうなると、都民のことより自分の利害得失を優先して、それを隠蔽するために独裁政治を始めるのです。それが分かっていても、棄権よりは一票をと投票所に足を運ぶ善良な都民の方々・・・
何だか水槽の中の雑魚の世界のほうが、スッキリしているように思えてきました。
政治家の二枚舌
セコい金銭使途がバレて辞任した舛添知事の公認を選ぶ、東京都知事選挙が告示され、ただちに21人が立候補、これから月末
の31日まで約2週間の選挙戦がスタートしました。私は都民ではありませんので選挙権はありませんが、仕事場が都内にありま
すので無関心ではいられません。
自民党と公明党が推薦する地味で暗い増田寛也元総務大臣と、誰にも推薦されずに立候補したタヌキ目化粧の派手な小池百合子
元防衛大臣が保守票を食い合うことになります。それに対して、民進党、共産党、社民党、生活の党など野党4党が推すジャーナ
リスト・鳥越俊太郎候補がどこまで戦えるかが見ものです。
あとは無名か知名度のある人でも泡沫ばかり、高橋しょうご、谷山ゆうじろう、桜井誠、マック赤坂、山口敏夫、やまなかまさあき、後藤輝樹、岸本雅吉、上杉隆、七海ひろこ、中川ちょうぞうなど各氏ら21名が一つの椅子をめぐって、ダメ元で知名度アップを図ります。これも選挙というお祭り騒ぎには欠かせない風物詩なのです。
しかも、街頭演説などを聞いてみると、これら泡沫候補の中には一人や二人、総理にしたいような熱弁で正論を語りますのでなおさら選挙戦は面白いのです。
政治の世界ぐらい理想と現実がかけ離れたものはありません。育児、教育、介護、景気回復、教育、福祉、医療、どれ一つとっても公約通りにはならないのを承知で公約するのが政治家というもので、政治家になると舌が二枚になり、顔の皮が厚くなるそうです。そんな真実めいた噂が本当かどうかは、まだ確かめていません。
今、築地が熱い!
今、築地が熱いのです。
猛暑日で熱中症の心配がある中、観光バスから続々と外国人が降り立って築地市場を中心に観光散歩です。
鮮魚のせり売りをする場内市場は本年11月に豊洲に移転しますが、その前に今の築地の見納めにと,観光業者がPRするせいか午前中はどこもかしこも人人人と人だらけ、場外市場の狭い通路など人を掻き分けても歩くのがやっとです。お昼になると寿司、海鮮丼、うなぎ、あなご丼、もつ鍋、卵焼き、鮭、本マグロ丼など、それぞれが目的の食べ物を目がけて殺到します。行きつけの寿司屋さえ日によっては、ランチタイムが中国人観光客で貸し切りになったりします。その観光客も午後1時過ぎには潮が引くように姿を消します。場外市場の店が軒並み閉店時間になるからです。その後は、路傍の植え込みなどには投げ捨てたビニール袋入りゴミがあちこちに・・・。
ところが最近、築地の夜も賑やかなのです。本願寺の本堂の伽藍外壁がライトアップされ夜景の美しさが女性誌に紹介され、いつの間にか
築地がデートスポットとして紹介されたらしいのです。確かに本願寺の夜景には神秘的な輝きがあるのは認めますが、デートスポットになるとは思いもよりませんでした。そういえば、ここのところ男女のペアが増えているのは間違いなさそうです。
折しも築地本願寺は年に一度の夏祭り、出店がずらり並んで夕涼み客もいっぱい、盆踊りの囃子や太鼓、炭坑節や東京音頭で大賑わい。
こんな重要文化財&デートスポットを眼下に眺めて仕事する私は、幸せなのか不幸なのか? まだ答えは出ていません。
人間関係の不思議
ここのところ、開運道のHPが賑やかになっています。
新しくスタートするサイトが目白押しだからです。
今回からは、富家孝医師の「医療への提言ルーム」に「死に方格差社会」の連載が始まります。「そんじゅ・詩集」サイトの元日本シャンソン協会会長・故芦野宏氏と息子の羽鳥功二さん、「世界の旅」の元トーハン重役の佐藤堅太郎氏など昔からの交流仲間が参加しての開運村HPは益々盛況、それぞれが何らかの形で開運村HPと拘わり合いを持ちながら人生終活への道を共有し楽しんでいます。
日本文芸学院で俳句を披露している元毎日新聞役員の高尾義彦氏、元全日空役員の西川嘉伸氏は小説「綾部の里に花が咲く」の仕掛人・・・次回は仙台在住の友人・村上功氏の参加も決まっています。右文書院の三武義彦氏の参加も決まっていて、いよいよ隠居仲間総参加となりそうな雰囲気です。
この数年来、毎週木曜日には必ず昼食を共にしている友人・小美濃清明氏とは、近日中に「日本の心・武士道」というサイトを立ち上げます。小美濃氏は「龍馬の刀剣」「龍馬と竹島開拓」「龍馬八十八話」など坂本龍馬研究の第一人者で幕末史研究会会長です。さて、「武士道」といえば、貨幣にも刷られた新渡戸稲造が明治32年に米国で著作した英語本が世界中に広まって日本にも逆輸入された名作ですが、その復刻版を出したのが開運道顧問の「えむ出版」社長・宗像信子氏。その本は当然ながら位戸部文化短期大学にも寄贈されています。ところが、その新渡戸短期大学名誉学長が中原英臣氏(現在は病気療養中)。中原氏は、前述の富家孝医師の親友、しかも、私が40代で富家・中原両氏が30代の生きのいい時代に一緒に仕事をした仲間です。全く驚きました。この中原氏の消息はつい数日前に富家医師に聞いて知ったことです。こうなると人間の縁というものは全く不可思議、間違いなく、目に見えない糸で誰かに操つられているのです。