お元気ですか？
今日（１５日）も雨・・・
「私は雨が好きです」
でも、そんなことは言っていられません。
先日も奈良県に災害警戒情報が出ていました。
先の台風１２号で地盤の緩んだ十津川村や、東吉野村
の山沿いが要注意となっています。がけ地、渓流及びそ
の周辺の大雨による土砂災害の危険度が非常に高まって
いるそうです。
ところで、雨が好きな人にはネクラが多い、という説
と、秋の好きな人にもネクラが多い、という説もありま
す。フランスの詩人・ヴェルレーヌに「秋の日のヴィオ
ロンのためいきの……」と続く詩があります。
学校で学んだだけですが、「落葉」または「秋の歌」
と訳されるもの哀しい詩です。生涯に５００以上といわ
れる優れた作品を生んだヴェルレーヌの一生は、哀れで
した。酒に溺れ妻に暴力を振るって別居し、転々と住居
を変えて放浪の生活を繰り返します。やがて、不摂生な
生活の影響でか病いに倒れ、同棲していた娼婦に看取ら
れて逝去、行年５１歳でした。泥酔して母の首を絞めて
入獄したこともある反逆と背徳と堕落と悔恨の日々の人
生だったようです。そのヴェルレーヌも雨が好きで、雨
を詠んだ詩も多く残しています。
日本古来の和歌の古典でもある万葉集にも雨の歌が多
く詠まれています。作者は不明ですが、私にも好きな歌
があります。
「かむなづき、しぐれの雨に濡れつつか、君が行くら
む、宿か借るらむ」
十月のしぐれの雨に濡れて旅をする恋人が、雨を避け
て宿を借りていればいいが、と歌っています。
今日も雨、雨は人の心を沈ませます。
想い想われる人がいない侘びしさは、秋の深まりと共
に人恋しくします。それでも雨は好き・・・やはり私は
ネクラなのかも知れません。
そこで今度は、雨が好きな人がネクラかどうかを検証
する必要があります。まず、雨というと一般に「冷たい」
というイメージがありますね。ところが、私のイメージ
では、雨は「暖かい」という認識なのです。
大気中に含まれた水蒸気が上昇、凝結して雲となり、
その水分が粒になって地上に降り注ぐ。これが雨ですか
ら、雨に「冷たい」も「暖かい」もなく、季節差でそう
感じるのではないか？ と、思われる方が殆どだと思い
ますが、少々、違うようです。
私はかつて下手な鮎釣り人として、６月から９月まで
の鮎シーズンには毎週全国の川に浸かっていました。
雨が降っても少々のことでは川から上がりません。
この時に感じたのは、明らかに「冷たい雨」「暖かい
雨」がある、というのが実感です。
最近、墨田区の零細企業の花見化学の至近距離（１キ
ロ）にスカイツリーなる電波塔が建ちました。そこで、
初めて知ったのですが雨の日は下の展望台まで雲に隠れ
ます。なんと低い雨雲は地上２５０メートルぐらいまで
を覆っていたのです。
私が学校で教わった知識では乱層雲、積乱雲などが雨
雲で地上５００メートルぐらいが下層で上層は２，３千
メートルと記憶していましたが、新しい電波塔を見て認
識が変りました。
やはり例外として「暖かい雨」はあるのです。
暖かい雨が出来る要因は単純明解、気温が高い低空で
水蒸気が凝結してできた水滴だからです。この気温の高
い低空で出来た暖かい水滴が、そのまま降れば暖かい雨
です。こんな日は雨でもさほど水温は下がらず鮎の活性
も落ちませんので、水が濁らない限りは釣りを続けます。
もちろん、水が濁った時は上流の山岳部に豪雨があり
岸辺の土砂を流し込んだ証拠ですから増水前に川を出ま
す。
一般的に、千メートル以上の上空の気温は夏でも０度
以下ですから、水蒸気は凝固して氷晶となって地上に降
り注ぎます。これが「冷たい雨」です。
同じ水蒸気を起源とする雨も、上空なら氷状の固体か
ら始まる「冷たい雨」、低空なら液状のまま降る「暖か
い雨」となります。
これで、鮎釣り人としての感性が科学的にも立証され
ました。ならば「暖かい雨が好き」の私は、必ずしもネ
クラではないのかも知れません。それに、彼岸花が咲く
と鮎の季節が終わり秋が訪れます。だから秋は苦手です。
ちなみに雨の形は「まんじゅう形」が一般的で「涙形」
ではありません。さらに、雨とは直径０、５ミリ以上、
それ以下は霧と言います。
私は、まんじゅうも霧雨も好きですが、冷たい雨は苦
手です。ここで冒頭の部分を訂正しなければなりません。
「私は、暖かい雨が好きです」
つづく
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（７）．睡眠不足と夢のコントロール－１
睡眠に関する科学的研究は近年になって世界的にも認
められ、各国で盛んになっています。
わが国でも、都会のサラリーマン、とくに多忙な上に
精神的負担の大きい中間管理職などでは、遠距離通勤の
上、一日平均６時間に満たない睡眠で慢性疲労で疲れき
っている人が増加中だというデータがあります。
家庭の主婦も当然眠りが浅く短くなります。習い事や
レジャーやデートで夜更かしの多いOLとて例外ではあり
ません。
ふつう睡眠時間は８時間が標準とされていますが、昼
間に生じた疲労物質は消滅するための時間は人によって
まちまちで、その疲労の内容と度合いによっても異なり
ます。
Ａさんは肉体の疲労が多く、Ｂさんは精神的疲労が多
いとします。
ＡさんとＢさんの睡眠のかたちは当然違うかたちにな
って当然です。
まずＡさんは熟睡度が高くなり、Ｂさんは熟睡度は浅
くなります。Ａさんは８時間ぐっすり眠り疲れが取れ、
すっきりと目覚めますが、Ｂさんは８時間寝てもすっき
りしません。
精神的疲労すなわち心の疲れは眠っただけではとれな
いからです。この場合は眠りに入る前に心の疲れを和ら
げておき、その上で深い眠りに入る工夫をしなければな
りません。
また、人によってはどうしても睡眠時間の極限に少な
い時期があるものです。
ラストスパートの受験生・売れっ子タレント・夜勤の
看護婦・遠距離飛行のスチュワーデス・パーサー・警備
員・家族に病人を控えた主婦・新婚夫婦（これは冗談で
すが）など、それでも昼間にうたた寝をしたり、どこか
で脳と身体の休息のつじつま合わせをしているものなの
です。
人によっては１日３時間睡眠でバリバリ活躍している
人もいるわけですから、１日８時間というのは、統計に
よる平均値と考えてよろしいでしょう。
それではあなた自身はいまのままが最良なのかそれと
もどのように眠ったらコンディションが保てるか、それ
を考えてみましょう。
睡眠時間をコントロールして、その時間内に満ち足り
た眠りをとる工夫は、自分のコンディションづくりに最
重要です。
病的な原因を持つ不眠については医師と相談すること
が必要であるのは当然ですが、精神的な悩みなどで眠れ
ない場合は、その原因となる悩みの根元を探り、悩みを
和らげることも大切です。少なくとも眠りに入るときに
は、悩みのない状態にしておきたいものです。
つづく
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を執筆中です。その内容を先にお届けします。
ホームページでも挿絵入りで連載を始めました。
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第三章 黒船騒乱
（13）関所破り－４
貞吉は、同じ仲間だと思っていた小間物屋が荒くれ賊
共を難なく退治したから驚いた。浪人の母親はいくら度
胸がよくても実際の斬り合いを見たのだから恐怖で声も
出なくなる。
恐ろしや斎藤元司、この名を頭に刻み込んだ歳三は、
いつになく緊張して後から歩いた。
関所破りを手伝わせた男を、この男が生かしておくと
は思えないからだ。ふと、母親に気遣いながら歩いてい
た浪人が振り向いて笑顔を見せた。
「小間物屋、安心しな。前を歩いても背中から斬るよう
な真似はせんからな」
この一言で歳三の腹が決まった。下手な詮索するより
一人旅がいい。
「では、ご一行さん。先に行かして頂きやす。どうぞ道
中ご無事で」
「お世話になりました」
亀代というご婦人が腰を折って丁寧に挨拶すると貞吉
も真似て頭を下げた。浪人があわてて懐中から早道（小
銭入れ）を取り出して小銭を掴み、歳三に手渡そうとす
る。
「町人、ほんの気持ちだ、少ないがとっといてくれ」
その手を軽く押し戻して歳三が言った。
「ご浪人さん、世の中には銭金で動かない人種もいるの
をお忘れなく」
「済まなかった。それじゃ、こいつで頼む」
再び出したのは何処にでもある扇子だった。
「喜んで頂きやす。暑い時に助かります」
広げてみると、力強い筆字で大きく八とだけ書いてあ
る。
「立派な書ですな、お名前の一字ですか？」
「そうだ」
「末広がりで天下取りですかな？」
「どう思われてもいい。わしの江戸での名からとったも
のじゃ」
「江戸での名は？」
「もう、よいではないか、おかげで助かった。心から礼
を申す」
斎藤元司が深く腰を折って礼を言った。多分、精一杯
の感謝だったのだろう。軽く低頭して歩き出した歳三は、
斎藤元司の名を頭に刻み、もう振り返らなかった。
つづく
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