過去のインフルエンザウイルスに学ぶ
今回の新型コロナウイルスの世界での感染者数が、ついに2千万人を超え、死者も13万人を超えました。日本でもついに感染者の累計が1万5千人を超え、死者も5百人を超えました(4月末現在)。
政府の発した緊急事態宣言による自粛が効いてか、大阪では感染者の減少に伴い、早くも自粛を弛めて経済活動の再開への動きが報じられています。
しかし、東京首都圏は未だに自粛緩和への道筋が見えていません。
5月6日までの緊急事態宣言が5月末日までに延長され、自宅待機・在宅勤務による本人と家族の閉塞感やストレスは決して軽くはありません。もちろん、家族が毎日四六時中一緒に暮せるのですから、楽しく過ごせる工夫さえあれば大いに有意義なはずなのに、これが長期になると苛立つこともあり、平和な平常時では見えなかった夫や妻の知らなかった素顔が見えたりして良いのか悪いのか、結論はコロナ終息後に出ます。
省みれば、このウイルスによる恐慌は今に始まったことでもありません。
悪魔の化身であるウイルスは人類がいくら駆除しても形を変え姿を変えて陰湿に生き残り、進化した毒を持って何度でも執念深く人類を襲います。
これはまだ私の生まれる前のことですが、1918年の春から1919年の秋 まで続いたアメリカ生まれでスペイン風邪と呼ばれたインフルエンザウイルスは、 人類の約半数を感染させ、第1波から第3波までを集計すると世界中での死者は約5千万人、日本でも約2千万人が感染して約32万人(39万人説あり)が死亡しています。
この時のウイルスでの死者が何故多かったかというと、このウイルスの流行初期に、治療に当たった医師や看護婦が次々に感染して倒れての医療崩壊で、多くの患者が治療を受けられずに死んでいったのです。
当時は第一次世界大戦中で世相も荒れ、誰もが経済的にも困窮していて、栄養不良で抵抗力も弱かったのです。その上に医師不足で医療レベルが極端に低く、軽症者は重症者になり、重症者は生き残れません。こうして多くの人々が犠牲になっています。なお、第一次世界大戦の死者は約1千万人、ウイルスでの死者のほうが遥かに多かったのです
16年前の2004年1月に山口県の養鶏場で発生した高病原性鳥インフルエンザのウイルスの万延によって、日本中のニワトリが大量処分され、野生の多くの鳥が死んだことに始まって、2005年2月には大分県で流行、そのウイルスが生き残っていたのか2006年から中国大陸などアジアで再発し、2008年年にはまた日本の養鶏場からも、十和田湖とサロマ湖で死んだ鳥からも、白鳥からもウイルスが発見されています。
この人間には感染しにくいインフルエンザウイルスが変異したのか、2009年春にメキシコで発見された豚インフルエンザです。このウイルスの流行が人間社会をも飲み込んで世界中に広がり、28万人を超す死者を出しています。
その時のウイルス対策が今も私の手元にも残っていて、過去のインフルエンザでも今回の新型コロナウイルスでも、症状も対処法も殆ど同じであることに気づきました。
だとしたら、このウイルス対処法を頭に入れておけば今後に役立つはずです。
今回の新型コロナウイルスには少々手遅れの感はありますが。
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インフルエンザウイルス疾患症状
1、発熱・3日以上発熱が続いている。
2、呼吸・呼吸困難(息切れ、呼吸が早い、肩で呼吸、全身で呼吸) 。
3、せき・せき、鼻水が出る。
4、痛み・疼痛(頭痛、胸の痛み、のどの痛み、筋肉痛)。
5、意識・意識障害(ぼんやり、反応が鈍い、視線があわない、呼びかけに答えない、幻覚)。
6、言動・異常言動(意味不明なことを言う、動き回る、落着きがない)。
7、変化・顔色が悪い、唇が紫色に、嘔吐が続く、手足の震え、倦怠感、下痢など)
上記の2~3項目以上に該当する場合、すぐに受診をお勧めします。
(注)今回の新型コロンなウイルスは以上の他に、味覚障害、臭覚障害が這入ります。
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ウイルス対応・高リスク層
1、妊娠中の女性(特に妊娠28週以降)。
2、5歳以下の子供(2歳以下の小児は特に注意が必要)。
3、65歳以上の人(1930年以降に生まれた人殆ど免疫がない)。
4、持病のある人(じん臓・心臓・呼吸器・神経に障害のある人、糖尿病など代謝性疾患の人、ガンなど免疫機能不全、ステロイド全身投与、メタボ等)
5、免疫力の低い人(病人、栄養状態が悪い、過労、睡眠不足、喫煙者。虚弱体質など)。
----インフルエンザ
インフルエンザウイルス予防法
1、バランスのとれた栄養食(野菜。果物、、全粒穀物、脂肪の少ない蛋白質など)。
2、充分な睡眠
3、適度な運動
4、人ごみを避ける。
5、口や鼻を触らない(感染者の手に付着したウイルス予防)
6、うがいをする。
7、石鹸で手洗い。
8、不用な人に近づかない。
9、空調に気配り(部屋の換気を良くする。温度・湿度を高めに保つ)。
10、マスクの着用(口の両脇に隙間がない物、外出時は必ずマスク着用)。
11、する人がほとんどであった神戸・大阪では感染拡大が百人単位で収束
12、こまめに水分補給(のどが渇かないように)。
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インフルエンザウイルスに感染したと思ったら(家族と協力)。
1、2次被害防止にマスク着用。
2、外出自粛
3、家族とは別の部屋で過ごして接触を避ける。食器など
4、タオル、衣類、日用品などは家族とは別にする。
5、時々窓を開けて換気を良くする。
6、水分補給はこまめに。
7、あわてず十分に睡眠を。
8、通院前に電話で医療機関に受診場所・受診時間・入り口などを確認。
9、病院へ(早いほどいい)。
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ここのところニュースで、新型コロナウイルスの特効薬が盛んに話題になっていますが、これは朗報です。多少の副作用はあったにしても、これで多くの人の命を救えるのであれば使うべきです。
なお、私個人としては、大型連休後は自粛を緩めて少しづつ通常の仕事に戻る予定です。