花の命は短くて・・・
花見 正樹
9月もはや中旬、秋風さわやかな季節がやってきました。
あなたにとって秋はどのような季節ですか?
スポーツ、芸術、食欲、読書、旅、おしゃれ、それとも恋の季節ですか?
今日は、私が気になったスポーツの話題からのつまみ食いです。
10日(日)から大相撲9月場所が始まりましたが、3横綱休場では盛り上がりません。
まさか、稀勢の里がこのまま引退なんて悪夢が来ないことを願うばかりです。
それでも9日(土)に福井市の福井運動公園陸上競技場で行われた日本学生対校選手権の男子100メートル決勝で、東洋大の桐生祥秀選手が、ついに待望の9秒98を記録して優勝、全国のスポーツファンの祝福を浴びているところです。
世界では99位ながらアフリカ系以外での9秒台は過去に数人だけですから、この記録がいかに凄いかが分かります。
思えば、4年前に京都・洛南高3年の桐生が10秒01をマークして注目を浴びてから、大会ごとに注目して、いつ10秒を切るかと期待していましたが、ついにその記録が生まれたのです。
ロンドンで開催されていた第16回「世界陸上競技選手権大会」では、9秒58の世界記録を持つウサイン・ボルト選手が100メートルで3位に敗れるという波乱もあり、男子400メートルリレーでは足を痛めて途中棄権、気の毒なアクシデントでのラストランとなり、引退に花を添えることは出来ませんでした。これも世代交代の波のうねりの一コマです。
世代交替といえば、ボクシングでこんな話題があります。
46戦全勝(38KO)で、軽量級世界最強と称されたタイのロマゴン(左)が、なんと同じ相手に連敗して、不敗神話が消え去り、ロマゴン時代の終えんが訪れたのです。これも驚きましたが盛者必滅の原理からして仕方ないことです。
ひと昔前、青木勝利という天才KOボクサーが、「蠅のパンチ」と見下していた原田選手(後の世界王者)と戦って一方的に殴り負けで倒されながら最後まで立ち上がって敗れた壮絶な因縁試合の結末は今でも脳裏に焼き付いています。これに勝った原田選手は、世界の原田から日本のボクシング協会のトップに君臨し、それまで大スターだった青木選手は消え去り忘れられ、あれから数年後三面記事に小さく悪い記事で載っていました。
花の命は短くて・・・この言葉は女性だけでなく男の世界にも通じます。
ましてや、勝負の世界に生きたことのある男なら、この散り際の哀しみ・・・理解できるはずです。