先日この欄で、秋風が吹くと私は大鮎を想うと書きました。すると、時々ここを覗きに来る暇な友人がいて、「鮎は初夏6月の風物詩
だし、夏までの季句じゃないのか?」と突っ込みがありました。確かに、その通りです。
若い頃から3月1日の渓流解禁日(イワナ・ヤマメ)と6月1日の鮎解禁日には何を置いても川の中で竿を出していたものです。
そして、シーズン終了までのほぼ毎週の週末を川で過すという非生産的な半生を過ごして参りました。さすがに、これでは自分の願望達成どころではないと気づき、70歳以降の晩年になって鮎が一番大きく成長する時期だけ竿を出す「大鮎釣り」に転向し、2年前の球磨川災害で竿を畳み、不本意ながら一つのライフワークを終えたのです。
それにしても週末の殆どを川で過したのですから、今になってやり残しの仕事を急いでも間に合うはずがありません。
私の今の状況は、いわばサボリ癖のある仕事の遅い人間が、ノルマ達成もままならず、毎日無休の残業で苦労しているようなものです。
それでも仕事は遅々として進まず、このまま朽ち果てるのがしいのも本音ですが、周囲には「いつ死んでも満足」などとうそぶいています。これも半分は本音です。
ところで、秋の野には様々な花が咲きますが、今日は珍しい「鬼蓮(オニバス)」の花を紹介します。
これはも隣接する加須市が「観光客目当てに力を入れた割にはパッとしない事業の一つで、7月の中旬から9月上旬までに咲く赤紫の小粒で地味な花 で、数年に一度でも見られれば上出来というほど気まぐれな花なのです。しかも咲くのは早朝だけ・・・よほど運が良くないと大きな葉だけで「花は見ず」となります。ま、そうまでして見に行くほどではないのですが、駐車場からオニバスや聖地まではかなり歩きますので、散歩という健康法の一環として捉えれば無駄にはなりません。
仕事は引退しました。