易卦・震為雷(しんいらい)
大型の台風10号が九州に上陸して猛威を揮っています。大きな被害にならないことを祈るばかりです。
易経64卦の一つに、震為雷 (しんいらい)という卦があります。
雷が二つ重なる形の易卦で、象意は「雷鳴轟くとき大山鳴動す」です。その意味は、雷が天を圧して鳴り響くが、大騒ぎせずに冷静に雷鳴が過ぎるのを待てば、やがて雷鳴も収まり何の被害もない、となります。
要は、表面の騒ぎに惑わされず、慎重に対処すれば道は開ける、となります。
幕末の異端児で新選組の産みの親ともいえる清川八郎が家紋に震為雷の易卦を用いていました。一世一代の歴史に残る大きな騒ぎを起こして名を遺したことからも、清川八郎がこの卦を用いた意図が理解できます。
よく用いられる有名な諺(ことわざ)に「大山鳴動して鼠一匹」がありますが、この震為雷の易卦から採ったものです。
5日土曜日の昨夜、我が家が停電しました。もの激しい雷鳴が一時間近く鳴り響き、ついに轟音と鋭い金属音を響かせて近くに落雷、家の中に火花が飛んで、一瞬で真っ暗闇、落ちたブレーカーを戻しても停電状態で、窓から近所隣りを眺めても闇のままです。
懐中電灯と蝋燭で明かりを灯し、水シャワーで汗を流し、夜食を終えた時に、復旧作業お陰でか電気が戻りました。
これで冷蔵庫も冷えますから一安心、ひとまずニュースでも、とテレビをオンにしましたが何の反応もありません。
仕方なく旧型のテレビで我慢して、日曜に近所の電気屋に修理を依頼したのですが、落雷の衝撃で基盤が壊れたとかで、テレビの買い替えを奨めます。それが、あまりにも熱心なのでつい「いいよ」になり、47型から49型に昇格ですが、冷蔵庫は何ともないのに冷凍庫のモーターが壊れて使えません。かなり以前、釣った大鮎を保管するために用意したのですが年々釣果が下がって、釣友からのお情け鮎用、それから家庭食品に乗っ取られていましたから私にはどうでもいいのですが、家内には必要らしく、これも購入、となると被害は甚大です。そこで、はたと考えました。
鮎竿の修理用に入っていた対物保険の活用です。これが有効なら、古いテレビと冷凍庫が新品になり、かなりの益になります。
すると、易卦・震為雷の初爻変(しょこうへん)、「困難有れど冷静に対処すれば利有り」に該当しますが、果たして「獲らぬ狸の皮算用」か「震為雷の初爻変」で落雷が吉と出るか、台風一過のスッキリした青空が欲しいところです。