白内障手術記-5
花見 正樹
どうやら関東地方も梅雨が明けました。
農業でも建築業でもない私が、天候に左右される職業を持っている、と言っても誰も信用しません。
もちろん、釣りではありません。九州・球磨川の大鮎釣りは、下手な鮎釣り師の私など単なる道楽にしか過ぎません。しかも、この天候に左右される仕事は、この季節に限定されるのです。
この傾向は35年前から続いていて、私は7月下旬限定の季節労働者なのです。
種明かしをしますと、昭和59年(1984)4月にスタートした山口放送(KRY)ラジオの「土曜いい朝お早うワイド(現在の土アサ)」内の私の占い番組が、夏の甲子園野球の県大会予選の実況とダブると、占い番組が消滅して私の出番が失せるのです。したがって、この季節の土曜日の天気は、朝早くからテレビなどで調べ、山口方面が100%降雨ナシと知ると、早朝からアウトドアー、河原に到着した車中の携帯に、局からの「本日は野球中継」の聯絡があり次第、残念そうな声で応じて、さっさと清流に身を乗り入れるのが、この時期の楽しみだったものです。
ところ、今年のように天候不順で雨が多いと、山口県も地区予選の中止が続き、せっかくの土曜ボーナスが消えて、いつも通りにラジオの仕事があるのです。例年3回ほどは休めるのに、今年はわずか一回だけ。それもギリギリまで天候がはっきりせず自宅待機の指示が出て、有難みはゼロでした。もっとも、今年は眼科通いの身ですから土曜の朝から解放されても何も変わったとはありませんでしたが気分は違います。
これからの季節、高校球児が用いるアルミ合金の金属バットの大半は、花見化学がドイツから輸入販売している金属錯塩染料でアルマイト加工法で染めたもの、選手の活躍が楽しみです。
さて、今週も月曜日は眼科です。
眼科に通うと、初めは何が何だか分かりませんでしたが、通いなれた常連になると、作業の流が分かるらしく、病院の退出時間がわかるらしいのです。
眼科での検査には、度数、眼圧、視力、視野検査などがあることは前回に述べましたが、それに加えて眼内撮影、血圧、血液検査、点滴なども始まって、手術への準備も心構えも徐々に盛り上がってゆきます。
眼科に通った方ならあの不気味な瞳孔を開く目薬を点されてからの幾つかの検査を覚えているかと思います。私は検査は忘れましたが瞳孔が開いて横断歩道がまともに歩けなかった濃霧状態視野の恐怖だけが強く印象に残っています。検査後5時間は車の運転を禁じられていますが、5時間以内の運転は間違いなく自殺行為で事故は必至、他人にも迷惑を掛けますので、私はきちんと5時間を1秒でも過ぎてからハンドルを握ることにしています。それで、よく見えるのか? と問われると困るのですが、ただ、こればかりは自己責任ですからいつでも安全運転を心がけています。
SU眼科には5人の医師を含めて約100人ほどの職員が勤務していますが、何度か通っていると何んとなく服装で職種の違いがわかるようになります。医師はどこでも同じですが長白衣、看護師は白衣の上下で全体の20%以下の18人ほど。その白衣上下の上に空色のカーデガンを着ている女性が婦長格らしく、きびきびと同僚に指示を出したりしています。
こまでは何となく識別できましたが、上着がが空色で下が白、上下共に空色など、様々な服装の組み合わせがあるようで准看護師や技師、事務員などの区別が分かりません。分からなくても何も困りませんが、待ち時間が退屈だからこんなことを考えるのです。
念のために申しあげますと、私はJALとも縁がありましたが制服マニアとは無縁です。