月別アーカイブ: 2019年5月

早くも猛暑


早くも猛暑

花見正樹

真夏並みの猛暑が日本列島を襲った5月26日の日曜日、来日したばかりの米国・トランプ大統領は、早朝からゴルフに興じ、大相撲を観戦し、六本木の居酒屋で炉端焼きとはあまりにもタフ過ぎます。これに負けてたまろかと安倍総理も頑張っていますが、その表情からは明らかに精気が失われていて早くもギブアップ状態、これえでは二人でコソコソ話し合っているであろう貿易摩擦問題絵も一方的に相手のペースに押しまくられるのは必定、日本の農家や酪農家、自動車業界の絶望的な悲鳴が聞こえてくるのも間もなくです。ゴルフの成績はともかく、勝ち誇って上機嫌なトランプ大統領と負け犬ポチ風の苦虫をかみつぶした表情の安倍総理の顔色を見れば、8月の選挙後の交渉の焦点で何らかの下打ち合わせで妥協があったと推測してもおかしくはありません。
両国国技館で行われた大相撲夏場所は千秋楽を待たずに優勝を決めた平幕の朝乃山が、結果的に12勝3敗の好成績で初の殊勲賞と3度目の敢闘賞を獲得するという離れ業を見せてくれました。
私の友人が設立した千賀の浦部屋は、またしても怪我に祟られ優勝候補だった貴景勝は休場が続いて沈没、これで千賀の浦部屋は元の静けさを取り戻した様子です。
ここでもトランプ大統領は主役でした。トランプ米大統領はアメリカ合衆国大統領杯を朝乃山に授与してご満悦、格闘技ファンであることは表情を見れば、義理付き合いの安倍総理との差は歴然です。
さて今日27日(月)は日米首脳会談と、令和初の国賓を招いての宮廷晩餐会、どちらも重要な行事です。
日米首脳会談を終えた安倍総理とトランプ大統領による共同記者会見の内容は少々食い違っていました。
安倍総理は「日米同盟は世界で最も緊密な同盟関係と、rトランプ大統領との蜜月時代を強調しましたが、トランプ大統領はにべもなく「「日本とアメリカの同盟はこの地域のみならず、世界の安定と繁栄の礎」としながらも「われわれ側の目標は日本との間の貿易赤字を削減することと、アメリカからの輸出を促進するために貿易障壁を取り除くことだ」と明言しています。
安倍バ総理のトランプ大統領ベッタリ追随の姿勢は、相手にその気がないだけに、いずれ国益を損なうことになるのは火を見るよりも明らか、私はそう感じます。ただ、トランプ大統領の自国優先のコケ脅し外交もまた米国の国益にプラスに作用しているようにも思えません。宮廷晩餐会では、慣例に倣って牛肉ステーキになったそうですが、当初の予定では那須野御用牧場で育てた羊の肉がメインディッシュと報道されていただけに、案外、トランプ大統領だけには牛と称して羊の肉を供したかも知れません。しかも、それを知っているのはシェフ長だけ。ただ、平安時代の歌人までも調べた博識のトランプ大統領だけに、羊頭狗肉ならぬ牛頭羊肉にすぐ気づいたはずです。それがとてつもなく美味だったりして。ここで大統領は周囲を見渡して疑心暗鬼に陥ります。日本人は牛肉と称して羊を食しているのではないか? あちこちにあるという牛丼の店も中身は羊肉に違いない。そこでトランプ大東呂は熟慮した結果、頭の中で、日本に対する牛肉の大量輸入の押し付けは撤回、帰国したら酪農家に牛から羊への転向を示唆しよう・・・こう考えたと推測します。これで日本の酪農家は一安心、こうなるかどうかは保証の限りではありませんが、季節狂いの猛暑がもたらした、真夏の夜の夢の一つではありません、羊のステーキをトランプ大統領が食べたのは事実です。嘘だと思った人は宮廷料理を賄うシェフ長かトランプ大統領のどちらかに直接訊いて確かめてください。
小説家は嘘を言わない・・・私はいま壮大なウソを真実に織り交ぜて作家活動に邁進中です。

令和の幕開け


令和の幕開け

花見 正樹

 令和元年の幕開けを心から祝福します。
平均寿命を超えて3年余、生きている間に新元号になるとは思いもしなかっただけに少々戸惑っています。
平成天皇とは年令もさして変わらず、太平洋戦争終結からAI時代到来までの激動の時代を共にしただけに、平成天皇のご退位は、生涯現役で生きてきた私にとっては、喉元に短刀を突き付けられて引導を渡されたような衝撃を受けてもいます。令和の
それでも隠居仲間を牽引して今までしぶとく生き抜いてきた自分としては、そう簡単には引き下がれません。
時代の変遷を直視しながらも自分は自分らしくさらに開運への道を切り拓き、その先に何があるかを見極めて人生を全うしたいと腹を括って心新たに令和時代の流れに慌てず騒がずゆっくりと身を入れて行く所存です。
私にとって、昭和は、泳いでも泳いでも岸に辿り着けない悠々たる大河、平成は足元をがっしり固めないと命に関る激流でした。ならば、平成の激流から枝分かれした令和なる未知の流れは一体全体いかなるものか? 山間の清流でイワナ釣りを楽しんでいるとき、つい滝を遡ったり瀬を渡ったりしながら獲物を追って夢中になり、天候の急変での豪雨で鉄砲水と謂われる濁流に呑み込まれて一命を落とすことも稀にはあります。そう考えると、令和に入って世の中が一気に良くなるような期待感のお祭り騒ぎはあまり感心できません。
令和の流れが、清流なのか濁流なのかは、消費税がアップされ、オリンピック狂騒後の日本経済の疲弊と、ほぼ間違いなく襲来するであろう東海大地震、さらに、米中対決後の宇宙戦争、米朝か中東紛争から端を発しての第三次世界大戦があるとしたら? これは対岸の火事どころではありません。高みの見物どころか日本も参戦することになり、日本列島は再び戦禍に見舞われて壊滅状態に見舞われます。
そうならないための国民の象徴として天皇の存在がああります。
安倍内閣以降も日本の政治家は、都合よく天皇家を利用して国内だけでなく国際社会の荒波をも乗り越えてゆきます。
そのためにも皇位継承の儀式は古式に則って、仰仰しく行なわれねばなりません。
天皇家の血筋が北朝か南朝か由緒正しきかどうかなどは枝葉末端のことで、いま大切なことは皇位の継承です。
令和元年初日の5月1日、新天皇即位に際して「剣璽等承継(けんじとうしょうけい)の儀」という儀式が行なわれました。
古代から伝わる天皇即位の証となる「三種の神器(さんしゅのじんぎ、さんしゅのしんき、みくさのかむだから)」移譲の壮厳かつ神秘的な儀式です。
三種の神器と聞いて、私が懐かしく思い出すのは、私が成人した頃の豊かさの象徴とされた家電製品・電気冷蔵庫、電気洗濯機、テレビ(白黒)の三種です。その後、10年もしないうちに庶民の「三種の神器」は高度成長の波に乘って、3Cと呼ばれる「カラーテレビ、クーラー、マイカー」と変わりました。
 ところが皇位継承に伴う「三種の神器」は文明の利器とはほど遠い古代から皇室に伝わる家宝として大切にしてきた鏡、勾玉(まがたま)、刀剣の三種で、正式な名称は、八咫鏡(やたのかがみ)、 八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、 草那藝之大刀(くさなぎのたち)です。
テレビでは、太刀と勾玉が新天皇が譲渡されて、皇居からお住いの赤坂御所に移られる所が実況されました。
アナウンサーは、剣(つるぎ)と勾玉(まがたま)が新天皇と同じお車で移動されたことを報じていましたが、歴史好きの人々は、それら行事に用いられる神器は全て形代(代用)であることをとうに承知し、それを許容しています。
私の祖にも神官がいて我が家は神道ですから、水没した草薙剣に代わる剣を、草薙剣の形代(代用)として、御魂遷(みたまうつ)しの儀式によって神器としての霊力を新たにしたもので、その物の形代をさらにもう一剣加えて、元剣を伊勢神宮の神庫に秘匿し、もう一報の形代が、本日皇居から東宮御所にお移りになったもので、ここには何の不条理も存在しません。
これら「三種の神器」は、数々の争いによる奪い合いで権力の象徴となりますが、最も脚光を浴びたのが源平による壇ノ浦の戦いです。
それにしても、「三種の神器」をめぐる皇族の殺伐たる争いで日本の歴史が動いていたのを知れば知るほど、これだけでムキになって書物を調べる気持ちになれるとは今更ながら驚きです。
この続きはまた来週、この10連休もあと7日、悪い目を駆使して書斎を漁ること8時間、自分が今更ながら本が好き、文章を書くことが好きということをイヤというほど知らされた一日です。すでに夕暮れ、その成果は来週に。
こうして令和の初日は書物に埋もれて終わる気配濃厚です。平成最後の昨日も思いっきり好きなことに没頭しましたから、二つの元号を跨いで大いに楽しんだことになります。