サッカー老人
花見 正樹
いま、後期高齢の男たちは少年時代にはまだサッカーを知らず、遊びといえば草野球でした。
ましてや、長嶋世代の私などは典型的な野球型でサッカーなど視野にも入れなかったものです。
ところが、息子や孫はサッカー世代で野球には興味すら示しません。
したがって、大谷のケガを心配する私の気持など全く理解しようともしません。
と、こんな状況で迎えた今夜のセネガル戦、これはもう見ずにはいられません。
サッカーは嫌いか? と問われれば、嫌いではないのです。
ただ、性格的に、アッチコッチ後ろの方でパスを回し合って時間を無為に過す日本式作戦が嫌なのです。
最近のサッカーは直線的で、ボールを確保すると怒涛のごとく相手ゴールに襲い掛かって一気に勝負を掛けます。
もちろん、そこで鉄壁の守りに阻まれて攻めきれなければ、敗北も止むをえません。
奪われたボールで、ガラ空きの自陣を一気に狙われますから危険も紙一重です。
だから一瞬にして攻守が逆転するスリルがあって面白いのです。
今回の大会に臨む日本選手は、悲壮な表情の西野監督を力づけるようなハングリーな目つきをしています。
強豪セネガル戦を制するのは力技ではなく、チ^ムワークとスピードだけで小技は通用しないと私はみています。
西野作戦はは「あくまで勝ち点3」、こんのは当り前です。
リスク覚悟でゴールに攻め込み、蹴りまくって勝ち点をもぎ取るのです。
ところが、身体能力に勝るセネガル陣ですから、ボールを奪われたら最期、数人で日本ゴールめがけて駆け込むはずです。
ラストシュートを誰がどの位置から打ち込んで來るか、川島がそれ見抜いて体当りで強烈なシュートを抱え込めるか?
必死の思いで防いでも、ボールがこぼれれば二弾三弾で蹴り込まれます。
ここは何としても勝ち点3をゲットして決勝トーナメントへ進出、これが西野ジャパンの使命です。
今回は先発するとみられる香川、本田、の強いライバル意識が、共にいい面だけ出れば、2点、相手に1点とられても2対1で勝てます。ただ、それを補佐する役割に柴崎、原口らが徹しきれるのか? 香川、本田が先発堕ちしたら・・・思いは乱れます。
しかし、こうしてはいられません。かつての草野球少年が、サッカー老人にへん変身して、いざ寝不足覚悟でお茶の間へ! です。