都内で仕事はしていますが私の住まいは埼玉県久喜市の北の果て栗橋という小さな町です。いまは、住宅地を少し離れると田んぼに水がいっぱいに張ってあり、一部はすでに田植が始まっています。
これから暫くすると、いまは見渡す限りの水の景色が一変して若草色に染め替わるのですが、水も早苗も心が癒されます。
この細い苗が秋には黄金色に老成して稲穂をたわわに実らせて頭を垂れ、刈り取られてその一生を終えます。
ところが一生を終えたはずの稲から収穫されたコメは、多くの人の命を紡ぎますが、人間はどうでしょう? 死んでも人のお役に立つ人はほんの一握り、殆どの人は生きていても人に迷惑をかけるばかりのお邪魔虫ばかりです。
なのに私は、「長寿の研究」「ストレス解消・癒しサロン」「20歳若返る会」などと家族や周囲の迷惑を省みず長生き用のマニュアルづくりに没頭しているのですから、「長寿は美徳ならず」時代の流れに逆らっているのかも知れません。
確かに長寿とは「寿命が長いこと」ですから、寝たきりでも長生きなら「長寿」です。
ここは「健康で長生き」を目指す会なら誰でも納得できるような気がします。
ところで、長寿の祝いは昔は数え年で祝ったのに、現在はいつの間にか満年齢で祝うのが普通になっています。
60歳は還暦(かんれき)または華甲(かこう)、70歳は古希(こき)。77歳は喜寿(きじゅ)、80歳は傘寿(さんじゅ)、81歳 半寿ははんじゅ)、88歳は米寿(べいじゅ)、90歳は卒寿(そつじゅ)、99歳は白寿(はくじゅ)、100歳は百寿(ひゃくじゅ・ももじゅ)、紀寿(きじゅ)、108歳は 茶寿(ちゃじゅ)、不枠(ふわく)、111歳は皇寿(こうじゅ)、川寿(せんじゅ)、
119歳は頑寿(がんじゅ)、120歳は大還暦(だいかんれき)、昔寿(せきじゅ)、その上は知りません。
2016年厚労省発表の日本人の平均寿命は男性が80.98歳、女性が87.14歳、男女平均では日本が193カ国中で1位・・・だからって何が嬉しい? 医療費がかさむだけではないか。確かにその通りなのですが、何となく長寿を祝う風習がある限り、長寿はお目出度いようなきがします。
ところが、存命中の日本の長寿者10人をみますと、1位の神奈川県在住の都千代(117歳)さんから10位の112歳女性までで女性が9人、男性は9位に辛うじて北海道在住の野中正造(112)さんが入っているだけで、男は全滅です。
もっとも世界には虚実を織り交ぜてさまざまな記録があるようです。
中国では、李青曇という男性が255歳まで生きたとか、日本でも江戸時代中期に因の百姓・儀左衛門が208歳まで存命したそうですが、もちろん???です。
さて、民間人としては昭和57年に日本で初の「人生100歳時代」を提唱した私としては、当然ながら世界中で行われた回春法の数々も研究しましたが残念ながら実践不可能なものが多く、不老長寿はとっくに諦めました。
かの有名な秦(しん)の始皇帝は徐福に命じて不老不死の仙薬を蓬莱山に求めさせましたが、除福は仙薬を発見できず、罰せられることを恐れて日本に逃れ、紀州で死んだとされていますが、これも???
真実は、除福は不老長寿の仙薬を手に入れて日本に渡り、今でも日本のどこかで楽しく生き永らえているはずです。どうです? 100歳を生きるなんんて簡単に思えませんか?