今日はまず、平昌五輪での羽生結弦選手の連覇を讃えたいと思います。
11月の練習中に発生した大怪我からの奇蹟的な復帰は、医師やコーチなどスタッフに恵まれたこともあるかと思いますが、まず何よりも己に勝つための克己心がいかに強いかという心の強さにあるように感じました。どのような競技にしろ、一度でも勝負の世界で自分の力を試したことがある者なら、その舞台の大小は別にして、勝利の喜びや快感、敗北の悔しさや自責の念、挫折感など様々な修羅場での経験んで喜怒哀楽を味わっているはずです。
そして今、82歳の私は挫折だらけだった我が青春を省みながら、心からなる拍手でこの若者の偉業を讃えています。
しかも、温厚そうな笑顔の奥に見え隠れする負けん気の強さと王者のプライド、これにも脱帽です。
身体的素質と技術的な努力や科学的なトレーニングで、世界の一流選手はある程度までは高いレベルで拮抗するはずです。
しかし、そこから一歩抜け出すための血の滲む努力や精神力・・・この人事を超えた部分に勝利の女神の微笑みが隠されているのです。それを知っていても、人は誰でも怠惰に負けて涙を呑む結果に甘んじて悔しい思いで負け犬の遠吠えを繰り返します。
いや、負け犬の経験があればこそこの素晴らしい神の子の奇蹟に近い大勝利を素直に祝福できるような気もします。
しかも、冬季五輪フィギュアスケート2大会連続の金メダルだけに、羽生選手の出身地でもある仙台など東日本大震災の被災地では「パワーをもらった」との感動と感謝の声が大きく広がっているようで、嬉しい限りです。