長寿の秘訣
花見 正樹
お元気ですか?
私の母は、この10日で満103歳、いたって元気です。
お世話になっているグループホームで明日、兄弟身内集まってのお祝は20日(日)です。
世界一長寿国の日本にあって、平均寿命を超えて81歳の私が元気な母を見守れるのですから「元気で長生き」は幸せです。
昭和38年の厚生省発表による100歳は165人、私が長寿の研究を始めた昭和57年は約1650人でした。
何で長寿の研究を始めたかというと、当時、親しい医師(藤井尚治医博)の協力で日本で最初の「ストレス解消サロン」を銀座で開いていて、長寿とストレスの因果関係を調べたかったからで、それが今、自分の生き方や健康に大いに役立っています。
若い時は長寿願望などは女々しくて口に出せませんでしたが、最近は高齢で元気だと楽しいことがよく分かってきました。
私自身、81歳を超えた今も球磨川の激流で大鮎釣りが出来るとは、思ってもいなかっただけに格別の思いがあります。
これも、長寿の研究を極めて実践したのと、母が100歳を超えても元気なのとも無縁ではないようです。
その百歳が、46年連続増で、昨年の厚労省統計では100歳以上が日本全国で過去最多の6万5692人、凄いですね。
都道府県別での長寿率は、1位が島根県、2位高知、3位鳥取、4位鹿児島、5位香川で、最下位が私の住む埼玉県です。
1位の島根県が10万人中100歳が約96人で4年連続日本一、最下位埼玉は約31人で島根の約30%に過ぎません。
それでも最下位埼玉県にあって私の住む久喜市には、昨年9月現在で100歳以上が96人、さいたま市の425人は別格として、約15万4千の久喜市の人口比率からみて96人は10万人中62人となり、全国水準の10万人中51.60人を少々上回ることになります。
なお、日本人の平均寿命はますます延びて女性87.14歳、男性80.98歳、これでは100歳も増えるわけです。
厚労省では、今まで100歳の記念に純銀製銀杯(約7600円)を贈ったのを経費節減で、今年度から合金に銀メッキしたもの(約3800円)に変えましたが、そのうち100歳だらけになると百円ショップ並のアルミ製になるかも知れません。
私が長寿の研究に凝ってい当頃、お会いした人の中に忘れ難い人が二人います。
私と世代が近い方なら誰でも知っている鹿児島県徳之島の泉重千代翁と国文学の物集高量(もずめたかかず)博士です。
泉翁は当時115歳を超えているとされ世界最高齢としてギネスブックにも載りましたが、翁の健康を診た医師からの疑義で戸籍上の問題が出てギネスブックから削除され、没時120歳が105歳に訂正されましたが長寿には間違いがありません。
この泉翁には忘れられない出来事があります。
泉翁は酒好きで毎晩晩酌を欠かせません。そこで、地元の酒造会社の社長が差し入れを続けていました。
その酒造会社が泉さんの長寿を祝して「泉重千代長寿の酒」を発売し、当然、泉翁にそれを差し入れていました。
ところが、ある日、泉翁が代理人を立てて酒造会社を訴えて裁判を起こしたのです。
記憶は定かではありませんが、この裁判は和解で決着し、翁は現金約100万円と一升瓶で3千本以上を勝ち取ります。
ここで私は、長寿には物欲も大切か? と一時は誤解しましたが、あれは身内の仕業だったと思うようにしています。
物集高量(もずめたかかず)は足は不自由だが口は達者で、本当かな? と思うことばかり連発された記憶があります。
なにしろ日本有数の国文学者物集高見の長男として生まれ、私塾出身ながら父親の力で帝大国史科を卒業し、そこから頭角を現し、小説で賞金を稼いだりしたが女性問題で心中未遂事件を起こし手以来、素行が崩れ、見合い結婚後すぐ離婚、スリの親分に弟子入りを断られたり、博打や女遊びや稚児遊びにのめり込んだ時代もあったと言いますが、賭博癖は止まらず、花札賭博で警視庁に逮捕されたこともあったそうです。
著作は多く、東京作家クラブ賞を受賞したこともあり、100歳のときの著書「百歳は折り返し点」も好評でした。
私は見なかったのですが、テレビ「徹子の部屋」でに出て、特別ゲストとして出演の久米宏に「これからは私のライバルはあなただ」と言って大いに場を盛り上げた、と聞きました
物集翁の長寿に対する口癖があります。
「長生きするには、何事にも興味を失わないこと、恋をするのが一番、何と言っても色恋ですよ」
(うーん、こればかりは相手があることだし・・・)
とにかく一風変わったお洒落な老人でした。
さて、その長寿について世界に目を移すと公式非公式を含めて様々な人が登場します。
いま、世界一の長寿として注目されているのはインドネシアの老人(男)です。
この老人はなんと145歳、ギネス世界記録更新なるか?
調査の結果がシロであれば、地球上で最も高齢な人物となります。
その老人が語る長寿の秘訣をここに載せます。
「1“relax and take it easy”(リラックスしてのんびり過ごすこと)」
ただ、ギネス記録に承認されるには、信頼性ある公的な書類が数点必要で、それがまだらしいのです。
その成否も気になりますが、この老人の長寿の秘訣、これは私も実行中、あなたも是非!