アメリカの出来立てホヤホヤのトランプ大統領は矢継ぎ早やに保護主義的な政策を実行していますが、これを危惧する専門家もいます。
メキシコ国境に壁を作るそうですが、メキシコ側は壁の下に穴を掘って対抗します。壁代と穴掘り代のどちらが髙くつくか、実業家のトランプ氏が分からないのでしょうか?
いま、私達が伝え聞くトランプ大統領の施政方針は、オバマ元大統領の否定で、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)からの離脱、医療保険制度改革の撤廃、NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉、メキシコとの国境沿い「壁建設」、不法移民規制、不法移民に寛容な都市への交付金削減、自国の労働者活用、輸入制限&輸出奨励・・・ここまでは見えました。国内産業を優遇して自国の労働者に職を与え、自国を繫栄させるための策だから何が悪い! とトランプさんは開き直ります。
まず、日本や中国からの品物には高額な関税を掛けて売れなくし、今まで髙くて売れなかったアメリカ産の品物が売れるようにする。これでアメリカの製造会社は儲かります。アメリカの国民は、今まで安い輸入品で間に合ったのに、今回からは高い自国産を買うことになり、予算が減りますから他の品の購買を控えます。それでも必需品だけは買わなければなりません。必ずしも収入が増えるとは限りませんので自国の高い製品を買わなければならない羽目になりアメリカ国民の生活はさらに苦しくなります。
日本はもっと深刻です。
もしも関税を撤廃したら、外国の米や肉が国内の五分の一ぐらいの安値でどかっと入ってきます。そうなったら?
外米はまずい、牛肉は危ない、と言っても外食関係などはとびつくはずです。これで日本の農家や酪農家は壊滅です。
たまたま中国産は安かろう悪かろうで何とか食い止めていますが、安くて美味しい食品や製品がどかどかっと入って、それで充分間に合ったら? 農家や酪農家や町工場の倒産と引き換えに、生活費が安くなったサラリーマンの生活は豊かになるのでしょうか? それが、ならないのです。理由は、勤め先が倒産するからです。
これがあるゆえに、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)は、両刃の剣といわれます。一部の生産業者には致命的になって倒産必死、それを政府が補助金を出してフォローするという各業界との協定でスタートしますが、こんな約束は政権交代で軽く消滅です。
いずれにしても、トランプ米大統領の極端な保護政策は、アメリカ、日本、世界にとっても絶体にマイナスです。
5日、東京都千代田区の区長戦の結果が出ました。
この区長選は、小池百合子東京都知事と自民党との代理戦争といわれていましたが、小池都知事が支援した現職の石川雅己区長が自民推薦の与謝野信候補を3倍以上もの大差で勝利しました。これで、小池都知事の鼻息はさらに荒くなり、これからはがむしゃらに反対勢力潰しを推進するはずです。
トランプ大統領と小池都知事・・・政治スタイルはまるで違いますが唯我独尊ぶりだけは似ているような気がします。