お元気ですか?
多分、リオ五輪への応援参加で多少は寝不足とは思いますが・・・
私も寝不足、それでもあと数日ですから我慢します。
現時点で金12、銀6、銅21、合計39・・・まだまだイケそうで嬉しい限りです。と、この文書作成中に男子レスリングで樋口選手が銀、銀メダルが7ケに増え、メダル数も40になりました。
なんだか、どの競技でもメダルに手が届く距離に感じられて心強い限りです。
とくに、女子レスリングの圧倒的な強さ、これには圧倒され、喜び以上に恐怖でいっぱいです。われわれ日本人男性は、世界一強い女性達と暮らしていたことに今まで全く気付かなかったのです。外見や体力的に想定して、アフリカや欧米各国の女性に比して、楚々とした大和撫子が腕力で勝るとは、考えただけで恐ろしいことです。
水泳、シンクロ、体操、卓球、バドミントン、レスリング、柔道、もうどの競技も徹底して強化すれば何でも勝てそうな気にもなります。今まで入りこむ余地のなかった陸上でも、ボチボチと勝ちを拾えるようになっていて大いに希望はあります。
それにしても、4年に1度の世界最大のスポーツの祭典には、様々なドラマが生まれるものですね。
霊長類最強女性と謳われた吉田沙保里選手にも、ついに敗北の時は訪れました。
どんなに強くても、戦い続ければ力も衰え、いつかは台頭する新しい力に負けるのが自然の理です。
勝負の世界は、歓びと悲しみは紙一重、勝者には歓喜と祝福が、敗者には残酷な敗北感が待っています。
とくに、勝って当然と思われていて敗けた場合の心の傷は、察するに余りあるほど大きなものと思われます。
しかし、残酷な言い方ですが負けるには負ける理由があり、それは当事者だけが知る場合もあります。
伝え聞くところによると、長期間に渉って世界の頂点にいた吉田沙保里選手は、最良の指導者である父上のご逝去で心の支えを失った上に、協会の行事やイベントにも引っ張りだこで練習量が極端に減っていた上に、打倒吉田で手の内を研究されていたこともあって、いずれは敗ける運命にあったのです。とはいえ、その実績と名声、カリスマ性は一層輝きこそすれ何の瑕瑾もマイナス要素も生じません。21世紀を代表するレスリングの女王としてその名は燦然として輝いているのです。
競歩で三位に入った荒井選手が、一度はカナダの選手との接触で失格裁定を受け、絶望の淵から蹴落とされたのですが日本陸連の猛抗議で国際陸連理事5人の再裁定があり、結果は荒井選手堂々の銅メダル、これは嬉しい出来事でした。1952~4年と若い頃、私の親友が競歩の日本選手権2位(1位は俳優の細川俊夫選手)になったことがあり、私は自転車伴走でいつも一緒で、時々は練習に参加しましたが3キロも付き合うと太ももがパンパンに腫れてガクッとスピードが落ちて脱落、すごく辛い競技です。あれを50キロ! 凄いことです。一昨年にお母上が63歳でガンでご逝去されてからの頑張りが世界3位の偉業となって結実したのです。荒井選手に拍手です。
バドミントン金の「タカマツ」コンビも異色でした。
高校時代から先輩後輩でコンビを組んで10年、以前から高橋礼華選手はこう言っていたそうです。
「世界1位の実力はないと思うけど、二人のコンビネーションは世界一。これだけは誰にも負けない」
この揺るぎない自信と二人三脚での強い力が劇的な逆転勝利を生んだのは間違いありません。
一方の松友美佐紀の勝利者インタビュー(日刊スポーツ・阿部記者)のセリフにも泣かされました。どこで見たかうろ覚えですが、こんな内容でした。
「試合の相手に、この五輪を最後と決めている選手もいて、それがつらくて。もう戦えないと思うとつらくて・・・」
そう言って松友美佐紀葉は涙をこぼしたのです。勝った涙ではありません。対戦相手への感謝であり、去ってゆく者への思いやり、虚しさ、勝敗を超えた優しさの涙なのです。思わず喜怒哀楽に鈍感な私も我慢できずにホロリ、これを知っただけでも寝不足が報いられる思いです。