お元気ですか?
いま、全国でいっせいに家族介護教室が開かれています。
私も今日の日曜日(12月20日)、母が世話になっている元気村という介護老人施設で開催するとの通知を受けていました。
その趣旨は単純明快、施設に入っている高齢者を出来るだけ多く家庭に戻して、国の高齢者負担を減らそうという尤もな国策です。
私の母は自宅介護で、デイサービスで地元の老人介護施設に通い、最近はその施設に住みついて週末に帰宅していました。
母は、その施設を温泉場とカン違いしているらしく、すっかり気に入っているのです。
施設には、専門の介護士や栄養士の他に医師もいて万全ですが、その施設から追放され家庭に戻る政策です。
家での介護には不備がありますから病人も死者も増え、年に2千人以上増え続けて6万人を超えた100歳高齢化社会も終わります。
いわば、現代的に名を変えたウバ捨て山政策が、この家族介護制度の裏に見え隠れしているのです。
これは国民総活躍という安倍内閣の方針ですから、高齢者も社会のために役立てということで仕方がありません。
税金のむだ使いにしか過ぎない高齢者が社会に役立つには?
これに対して安倍内閣は歴代内閣が解き明かせなかった明確な解答を明らかにしました。
国民総活躍・・・これは、活躍できない高齢者はこの世に不要だと断言したのも同然です。
これは歴史に残る名言です。
「貧乏人は麦を食え!」と言って吊るし上げられた故池田総理は「麦は栄養があるから」との言い訳で逃げました。
「国民総活躍」、施設では今後は要介護度3以上が入所条件になり、それ以外は自宅介護を勧められます。
しかし、施設に入居中の利用者が家庭に戻ってしまったら、施設によっては空き部屋を埋めるのに苦労します。
人気のある施設にしても、3ケ月ごとに入居者が変わるのでは担当部署の職員さんも目の回る様な忙しさになり給料は増えません。 と、なると、施設経営者も専従職員もこの制度には反感を持っているに違いない。
ならば、施設もまた対抗手段を考えているのではないか?
そこまでを考えると、家族介護教室とやらも、何となく怪しげなものに思えてくるから不思議です。
今回の介護教室には、幾つかの目的が明らかにされています。
要支援・要介護認定を受けた人でも可能な限り、地域社会で自立した生活ができるよう、その介護に携わる家族のための教室です。
この趣旨を学ぶために、超高齢の母をもつ高齢の私もその教室に参加せざるを得ないのです。
問題は、どうやって101歳の母に、3,1,3,1,3,1の介護月ローテーションを納得させるかです。
介護教室の学習内容を箇条書きにしますと次のようになります。
1、介護に関する知識、介護方法等の技術を学ぶ。
2、介護者の負担軽減に役立つ各種サービスについての情報提供を行う。
3、認知症についての理解を深め、認知症の人の介護に関する知識を学ぶ。
4、介護者の健康の維持のための知識を学ぶ。
介護者同志の交流を図るなど、介護者の心身の負担軽減及び孤立を防ぐもの。
5、その他、介護者の心身の負担軽減を学ぶ。
要介護高齢者等が地域において自立した日常生活を営むことができることに役立つ知識等を学ぶ。
さらに、この家族介護教室への参加対象者も明らかにされています。
次のいずれかを満たす者
1、要介護認定において要支援・要介護認定を受けた者を介護する家族等
2、1と同等の介護を要する状態にある者を介護する家族等
施設から家庭へ・・・この方針に地域社会に根付いた施設はどう対抗するのか? それも見ものです。
なにしろ、施設に3ケ月以上は居られないようにするのが国の方針だとすると、施設には死活問題ですから当然、対策を考えます。
私の場合は、80歳で介護する側の教室に参加するのですから妙な話です。
私の場合は、母が瀕死の状態で病院から我が家に運び込まれた時から覚悟が決まっていますので痛くも痒くもありません。
で、ひとまず参加してキツネとタヌキの化かし合いの裏を確かめに行って参りました。
そこで知った施設の対応策は、入所3ケ月で帰宅した利用者を自宅で1ケ月過したらまた3ケ月入所させるという策です。
したがって母の場合、1,2,3月は施設、4月が自宅、5,6,7月は施設、8月が自宅、9月は施設ですから大鮎釣りに行けます。
要は、4、8.12月を自宅介護と自宅仕事にすればいいだけですから何のダメージもありません。
しかも、施設側ではさらなる奥の手を示唆してくれましたが、それはまた・・・ともあれ、安心しました。
ともあれ、今回の制度は優秀な役人が考えた高齢者イジメの初弾ですから次はどの手でくるか? お手並み拝見です。