お元気ですか?
台風11号が接近中の10日(日)、我が家は大イベントです。母がこの日、満100歳の誕生日を迎えるのです。
男ばかりの兄弟5人(兄は他界で現在は4人)の身内40人余が集まって、近くの温泉でお祝い会を開きます。こじんまりと、のつもりが、会場側が母の名入りの祝100歳のタレ幕を用意するとか母の郷里からも身内の参加とか徐々にこじんまりさが消えつつあり、大ケーキや花束、ビンゴの景品が山ほど運ばれて来たり、どうなることか主催者の私としては嬉しい心配も浮かんでは消えています。
それにしても、兄の死に落胆した母親が狭心症で倒れて以来、入院生活の挙句、医者にも見放されて冥界入り寸前に我が家に来て5年、要介護度5の酸素吸入点滴生活から、要介護度1の杖なしでも歩ける(見栄もあります)状態の今、誰もが奇跡といいます。新聞や週刊誌は読むし、針に糸を通して縫い物をしたり、いや、して見せるのです。デイサービスでのお出かけもおシャレになりました。
私自身は仕事も何もかも捨てるつもりで共同生活はしていますが、けげんな顔の市役所の職員の質問にも答えようがありません。
元文芸春秋社社長の知人が出版を勧めるのですが、これは無理です。苦労談はありませんから、目次も本文もまとまりません。
本は白紙、私の執筆は一行で終わりです。
「ほったらかし・・・」
これ以外に表現のしようがありません。もちろん、動けない本人に代わってあれこれ身の回りの世話はしますが、母の意志に反することはせず、したいようにする・・・結果的には「お節介なしのほったらかし」で、これが良かったような気がします。
母の尊厳を傷つけない・・・これ以外には考えたこともありません。母はもともと控えめで謙虚な人でした。それだからこそ我慢が
得意で、それを兄嫁は知らずに一生懸命介護に力を入れ過ぎたものと考えると、ふと母は重病人を演じていあたのではないか? と疑
問を感じるのです。だとしたらすごい役者です。医者を騙し身内を騙し、葬儀場まで探させたのですから・・・その芝居も終わって、
今度は元気者を演じています。
さあ、これがいつまで続くか?
次回のお祝い会は、満105歳と決めましたが、それまでこっちが持つか? そこで考えました。私も見栄を張って元気者を演じよう・・・こうなれば母と私の騙し合いです。ともあれ感無量、今夜は眠気の吹っ飛んだ状態で、数時間後のお祝い会での母を想像しながら嬉しい気持ちでパソコンに向かっています。
では、暑さ厳しき折、くれぐれもお体を大切に・・・