2月24日未明、ソチ五輪は華やかに幕を閉じました。
2月25日朝、ソチ冬季五輪のスター・羽生結弦、浅田真央選手ら日本選手団が帰国します。
浅田選手の誰も挑戦しない技に挑んだ勇気に乾杯、惜しみない拍手を送ります。
国民全員絶対「金」の期待を背負ってのプレシャー、これは他の選手とは少し違います。
あれが入賞で充分の雰囲気なら、初日から実力通りにできるはずです。
心からお疲れさんと言い、全力を尽くしても壊せない世界の壁の厚さには諦めるしかありません。
今大会での日本選手は、金1、銀4、銅3のメダル8個、立派なものです。
ただ、開催国ロシアは、金13、銀11 銅の9総数33です。
この違いは何なのか?
体格でいえば中国も韓国も同じですが、両国とも金メダル3個で日本を上回っています。
日本人として身びいきで考えれば、それほど素質で劣っているとも思えません。
では、なにが?
答えは簡単でした。
24日朝のスポーツ新聞の1面には、もうオリンピックのオの一字もありません。
1面はプロ野球オープン戦の巨人対阪神戦、この変わり身は見事というしかありません。
終わった祭りより今からのイベントにマスコミの視線は向いているのです。
マスコミが大衆に迎合するものとしたら、大衆もまたソチ五輪を過去と見たのでしょうか?
しかも、まだ一人の選手も帰国していないのです。
もちろん、帰国すれば空港の歓迎風景を載せるでしょう。
それでも、出発前のお祭り騒ぎ風景から見れば天と地の差があります。
出発前のマスコミの報道から数えると、金だけでも6ケ以上はありました。
男女フィギアスケート、女子スキー、スキー男子団体、カーリング、男女スケートなどです。
五輪の試合が始まるまでは、どの競技もメダル候補で入賞は確実でした。
色違いのメダルなどは数知れずで、ボブスレーや女子ホッケーまでが銅ぐらいはイケそうでした。
テレビを見ているとどの競技も優勝を期待できるような雰囲気でした。
このマスコミの風潮も実力のない選手には有難迷惑だったかも知れません。
当然ながら本人たちは「メダルを狙います」と胸を張ります。
その意気やよし、ですが「絶対にメダルを取ります」とは言っていません。
したがって、誰も嘘は言っていません。
初戦で雰囲気に呑まれて実力が出せず、後で最善の力で頑張っても結果は負けです。
しかも、心優しい民族性で敗北の傷に触れず、敢闘精神を称えて敗者に涙します。
それによって出発前の大言壮語も誤算も全て許され、問題は全て次回に持ち越されます。
このいい加減差が日本のスポーツを弱くしていることに、誰も声を上げません。
もっと一スポーツを愛し、一流選手を尊敬し育てませんか!
もって瞑すべし・・・次の五輪でまた同様の期待で選手を送り出しましょう。