台風一過、また暑い日が続きますね。
今、私の身の上に降って湧いたような話があります。
私の住む栗橋という埼玉県北部の小さな町は、最近久
喜市と合併しました。合併はしたものの何もない町です
から、町役人も議員も肩身が狭いようです。
何とか町輿しをと考えても、そう簡単にいい知恵など
出るわけがありません。そこで行きつくのが「他人のふ
んどしで相撲をとる」という手です。これは本来「強い
力士の褌を借りて強がる」ですが、今は「人の好意に便
乗する」です。
そこで、郷土史研究家の教育委員会の一人の提案です。
地元に「もの書きらしい」のがいるから利用したら?
そこで、早速、疑わしげに私に打診です。
「静御前の話は書けませんかねえ?」
これで「出来ません」と言えばいいのですが、そうは
言えません。なにしろ、私の住む栗橋町は、静御前の墓
と関所跡以外には何もないのです。ここに住み着いて以
来「静御前祭り」などで世話になっています。
しかし、静御前の墓など全国各地にあり北海道にもあ
るほどで信憑性は??です。
「静御前が栗橋で死んだという根拠は?」
「え? 小説だから何でも自由に書けるんでしょう?」
なるほど、「もの書きは見て来たようなウソを書き」、
それをつい忘れていました。静女がここで死んだと言う
のは、静女が用いていたという「ツゲ櫛と古衣装」が動
かぬ証拠だそうです。やはり「その程度か?」という思
いはありますが仕方ありません。
つい先日、今、HPに連載中の新選組内に静御前の墓
を書いたばかりです。商人姿の土方歳三が静御前の墓に
詣でた後、ある母子を案内して関所破りをするのです。
これを思えば、何でも書けそうです。
それに、義経は、私にとって書かねばならない一身上
の事情もあります。伊豆狩野川の畔に住む元校長で郷土
史家の先輩釣友から、源頼朝の挙兵までの資料を沢山頂
いていますし、私の遠祖は頼朝に滅ぼされた源系三浦一
族ですから、これもご縁です。この状況での静御前の話
・・・これは、時期は別にして乗るしかありません。
遠い京の都から義経を追って草深い辺鄙な栗橋の地ま
で辿りついた静女は、旅人から義経の壮絶な最期を死を
知らされて、失意のまま病に倒れて貧しい農夫のあばら
屋でぼろ布団に包まれて涙をぼろぼろ流しながら逝きま
す。
こんな月並なラストシーンはいかがですか?
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杉皮に石を置いた屋根の隙間から差す下弦の月の薄明
りが、静女の息絶え絶えの寝顔を照らしていた。恋人に
逢えぬ怒りと悔しさに涙にまみれた修羅の形相で、一声
断末魔の奇声を発した静女は、介抱する農夫の手を強く
握りしめて息絶えた。疲れやつれたとはいえ死してなお、
都一を謳われた美女の面影を凄愴な輝きに残してはいた
が、魂はすでに恋しき人の元に飛び去っているかのよう
であった。
その能面のような死に顔を、農夫の兼吉が魂を奪われ
たかのように、握られた手の痛みも忘れて呆然と口を開
けたまま見つめていた。
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静女は哀れ過ぎます。義経には正妻として頼朝の武将・
河越重頼の娘がいます。妻女は夫に寄り添って奥州まで
行き死を共にします。そんな妻の存在を知りながら義経
を慕って野垂れ死にをする静女の悲しい心の奥底を、女
ごころを知らぬこの無粋な男に書けるのか? と、自問
自答しています。
その前に、どっかりと新選組&戊辰戦争が立ちはだか
っています。多分、義経と静女の悲恋物語に辿りつく前
に、私が荒野の果てで雨に打たれて野垂れ死にです。
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さて話題を変えて、女性のための開運講座です。
これは、恋愛、結婚、再婚に役立つ開運法です。
途中からご覧の方は、遡ってご覧になってくだ
さい。勿論、男性が見ても役立つはずです。
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女性のための開運講座ー87
(3) 心身回復・安眠美容コース
2.美人は夜つくられる-1
テレビ出演も地方局などに招かれると結構面白い話題
があるものです。あるとき、大阪読売テレビ製作の番組
でどういう風の吹き回しか私(花見)に声が掛かり、調子
よくOKの返事をしたらそれが日曜日、番組名もなんと、
「おもしろサンデー」といい、司会が桂文珍と由紀さお
りという異色コンビで大阪では結構人気がいいというこ
とでした。
詳しい打ち合わせは当日で、ということでのこのこ出
かけたところ、番組は夜の生放送、当日は局製作の生番
組はそれだけ、実におうように水割りのグラスを傾けな
がらの打ち合わせということで雑談漫談冗談ばかりで放
送内容については誰も触れようとしません。
それでも、事前に銀座サロン風景などが取材されてい
るから、その説明などするのかと思っていたら、いざ本
番、打ち合わせもあらばこそ、いきなりアルコールに弱
い体質の酒気を帯びた真っ赤な顔がライトに照らされて、
眠りについての科学的考察を語る羽目になっていました。
なにしろスタッフ・出演者ほぼ全員が多少アルコール
入りになっていましたから顔はニコニコ、口はなめらか
思わず知らず思ってもいなかった言葉が口をついて出た
ものです。
それで脱線、本来は眠ることでストレス解消と自説を
並べるところがたちまち美人論に突入、その根拠につい
て述べました。
深い眠りに入ると、眠っている間に、からだの若さと
筋肉をつくるRNA・リポ核酸というアミノ酸を作って
蛋白質を合成する物質ができます。この物質が脳や体内
組織を若返らせます。
とくに、人間の脳にはこのある種の蛋白質が絶対必要
で、これは眠らないと合成されないのです。
そして、これが若さを保つために絶対欠かせないもの
なのです。
つづく
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書店発売中の「坂本龍馬異聞」に続き「新選組3部作」
を執筆中です。その内容を先にお届けします。
ホームページでも挿絵入りで連載を始めました。
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新選組ー異聞
第三章 黒船騒乱
(9)うちわ祭りの夜-1
上州への道中で遭遇した事件も歳三の記憶に残った。
上州は侠客の多い土地だと聞いてやって来て、すぐ
この事件に遭遇したのだ。
その日の熊谷宿は夏祭りの最中で、盛り場は多くの
人で賑わっていた。街道に並んだ露店に旗や幟が翻え
り、横紐に括りつけられた無数の団扇が風になびいて
いる。
「旅のお客さん、うちわ祭りの縁起ものだよ!」
茶店の女に袖を掴まれて振り返ると、目の前に赤飯
の上に大根の漬物を載せた椀がある。
「この団扇も持ってきな」
背の荷を降ろし、その上に笠と貰った渋団扇を置き、
山盛りの飯椀を手に長床几に座った。
熊谷には、平安期に流行った疫病の退散祈願に京都
八坂神社を勧請したという歴史がある。それが、文禄
年間に祇園祭りから熊谷うちわ祭りとして広まり、人
々には赤飯が振舞われたとか。
今では、無病息災・五穀豊穣・商売繁盛の祭りとし
て賑わっている。
丁度、昼飯時で空腹だったから、四文銭を五枚置い
て、歳三はすぐ飯を箸をつけた。
「じゃあ遠慮なく頂くよ」
「これは祭りの景気付けで銭はいらないんだよ。それ
にこれじゃ多すぎて」
「そいつは、団扇代にでもとっといてくれ」
食事を終えて、熱い渋茶を飲んでいる時、騒ぎが起
った。
娘が掛け込んで来て歳三の蔭に隠れて震えていて、
外で何やら怒号が起っている。
見ると、歳三のすぐ目の前の群衆の人垣の間から、
六人のやくざ者が刃物をちらつかせて、初老の男を囲
んで脅している。長脇差しを突き出して一人が喚いた。
「よくも俺らをコケにしやがったな! 名主だって勘
弁しねえぞ」
「年端もいかない若い娘にいたずらとは、村を預かる
者として許せませんぞ」
「手を握っただけで何が悪い!」
「おまえさんら、娘を裏の林に連れ込んで、みんなで
手篭めにするつもりでしたな?」
「だったらどうする! 日頃から百姓に悪知恵つけや
がって」
「博打を止めさせて悪いのかね?」
「こっちの稼ぎが減るだけじゃねえ、百姓だって楽し
みが減るんだぞ」
「都合のいいことを言いなさんな。少し懲らしめます
ぞ」
「なにを!」
一人が白刃を振るって斬りかかった。
つづく
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