月別アーカイブ: 2011年3月

女性のための開運講座ー70&新撰組


 東日本大地震の被害が大きく広まっています。
 政府の避難指示は的確なのか?これも疑問です。
 それにしても、東京電力の事件後の対応はお粗末
過ぎますね。福島第一原発の三号機タービン建屋地
下で真水の注入作業をしていた作業員の場合など酷
すぎます。なんと、通常の冷却水の1万倍の放射性
物質を含む水溜まりに足を入れて作業をしていたの
です。
 会社側は、それを知っていて作業員に知らせてい
なかった・・・これは酷すぎます。
 かなり危険である事実を知らせた上で、万全の支
度をして作業するように高濃度放射性液が肌に触れ
ないようにすれば問題なかったのに。次々に東電の
秘密主義体質も暴露されつつあります。

 江戸川水系の浄水場の水道水の放射性汚染騒ぎも
ひどいものでした。
「1歳未満の幼児には飲ませないように・・・」
 このニュースが流れた途端、関東中のコンビニや
スーパーに買物客が殺到し、飲料水がたちまち姿を
消しました。この客のほとんどが家庭に幼児などい
ない連中で、何でも争って並ぶのが習性になったそ
の姿は浅ましい限りです。
 先日はカップラーメンやパンと牛乳・納豆まで買
い占め、今度は水ですから呆れます。なかには2リ
ッターのボトルを20本も買い占めて車で運んだ人
もいると聞いて、呆れるより哀しくなります。
 これでは、肝心の幼児をもつ母親の手に渡りきれ
ません。
 その浄水場の放射性物質濃度も、翌日には許容基
準値以下になり、幼児も水道水が飲める、と発表さ
れましたが、一度植えつけられた恐怖心はなくなり
ません。やはり、乳幼児をもつ親は市販の飲料水を
求めて狂奔するのが人情というものです。
 過程に幼児がいないにも拘わらず水を買い占めた
方々は、幼児を持つ親の心労を考えたら少しは我慢
できたのではないでしょうか?

 近所のスーパーでの出来ごとです。
 拙宅が埼玉県の北限、隣町が茨城県の南限で飛び
地ですから、土地を接して境界線があり、地続きで
出来た農産物が、茨城産というだけで半額です。
 政府の指導では廃棄処分、補償金が出るそうです。
 私は75歳、それだけを10年食べ続けてやっと
影響が出るかも知れない微量の放射線物質の蓄積な
ど気にもなりません。農家が丹精こめて一生懸命作
った農産物は、捨てないで高齢者用に指定してくだ
さい。文句を言う人もいるでしょうが、私は迷いな
く食べます。

 ガソリン対策もお粗末でした。あの狂騒曲は何だ
ったのか? 品切れ寸前だからと深夜から並んで大
幅値上げしたガソリンを、やっと20リッター限定
で売って頂いて感謝したのに、昨日の土曜日の昼前、
なじみのスタンドに寄ってみたら、なんともう平常
通りに営業しているではないですか? 並んでいた
のも数台で、これもいつもと同じ光景です。
 もちろん、無条件で満タンOKです。
 店員はケロっとして「今朝も夜中から並んでいる
人でいっぱいでしたよ」、開店の7時から10時ま
での3時間はぎっしりだったそうです。なのに、昼
前には全く平常通り、タンク内のガソリンが空にな
る前に、タンクローリーが到着する予定になってい
ると言っていました。
 これこそ行政が、「あと10日もすればガソリン
は普通に流通します」といえば、大半の人は並ばず
に我慢したのです。結局、ガソリンが大幅値上げを
許しただけです。
 ガソリンだけでなく食品や水を含めて政府の危機
管理の在り方は全くお粗末です。流通の実態を掴ん
でいないと言えばそれまでですが、庶民のための生
活必需品市場は生きていますから、需要があれば必
ず生産が追い掛けます。それまでの我慢比べです。

 3万人近い死者・行方不明者を出して壊滅状態の
被災地の復興がこれから始まります。開運道主宰者
としても各径路を経て僅かながら義援金を送り、釣
り仲間で工場経営者など理解者を得て、多少の被災
者家族の受け入れにも協力しました。
 この際、善意の出し惜しみは無しにしたいですね。
                つづく  
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 さて話題を変えて、女性のための開運講座です。
 これは、恋愛、結婚、再婚に役立つ開運法です。
 途中からご覧の方は、遡ってご覧になってくだ
さい。勿論、男性が見ても役立つはずです。
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 女性のための開運講座ー70 

 恋愛・結婚、さまざま模様
 美しくなる秘訣

 3、神安定で血行回復-3

 美容の大敵はストレス、と前項で触れました。
 今回は、ストレスが高まるとどうなるか? です。

 1、不眠やイライラの症状があらわれます。
 2、時々、動悸がするようになります。
 3、胃の調子が悪くなります。
 4、頭が重くなることがあります。
 5、肩が凝ります。
 6、腰痛が出やすくなります。
 7、寝つきが悪くなります。
 8、朝起きても疲れが抜けません。
 9、普段気にならない小さなことが気になります。
 10、めまいがするときがあります。
 11、過ぎたことにくよくよする。
 12、人に会いたくなくなります。
 13、いくら食べても満腹感がなくなります。
 14、肌が荒れやすくなります。
 15、手足が冷たいことが多くなります。
 16、フケが溜まりやすくなります。
 17、顔がきつくなります。
 18、怒りっぽくなります。
 19、仕事のミスが増えます。
 20、愛情面で積極性がなくなります。
 
 さて、あなたは上の項目、いくつ該当しますか?
 20項目を100点満点とすれば1項目が5点。
 得点が少ないほどストレスに無関係になります。
  0~20点は、ストレスなど忘れてください。
 25~40点は多少ストレスはあります。
 45~60点はストレス解消法を考えてください。
 65~80点は、ストレス症に要注意です。
 85~100点は、医学的な対応をお勧めします。

 ストレスは感じやすい人とそうでない人とに分か
れますが、ストレスに強くなるには、毎日の生活を
快適に明るく健康で美しく過ごすのが一番です。
 適度の運動・バランスの良い食事・快い眠り・安
定した心などが必要です。これらが満たされている
時は体内の血の循環も順調で、身体の隅々まで酸素
と栄養が運ばれます。ツヤのあるみずみずしい肌に
は、栄養が行き渡り、皮膚細胞の新陳代謝も順調で、
常に若々しい魅力に溢れています。それには性ホル
モンのバランスも良好であること、血圧も安定して
いることが望まれます。
             つづく
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 書店発売中の「坂本龍馬異聞」に続き「新撰組
3部作」を執筆中です。その内容を先にお届けし
ます。
 ホームページでも挿絵入りで連載を始めました。
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 新撰組ー異聞

  第三章 黒船騒乱
 
 (1)行商仲間-2

 石田散薬の背負い籠に括りつけた武具を外し、素早く
面小手胴着と身支度を整えると竹刀を取り出して道場に
立った。壁際にずらり座って吉野道場の門人達は、すで
に散々叩かれたらしく、歳三を哀れむ目で見つめている。
「土方歳三、参る!」
「おう!」
 相手は名乗りもしない。一礼して構えるといきなり横
面を張って来た。竹刀で受けずに、すかさず腰を沈めて
空を切らせ、目の前に流れる手首に小手を打ち込む。す
ると、相手の手首は低く沈んで視界から消え、手首が返
って逆胴に打ち込んで来る。
 その剣風の鋭さに歳三は思わず飛び退って身がまえた。
そこに相手が追って来て踏み込み、面から胴、小手へと
間断なく攻めて来る。それを左右前後に身を交わしなが
ら、隙を狙って素早く面を打つと、同時に胴を抜かれて
息がつまった。
「参った」
 お互いに一拍遅れて声に出したが相打ちに異論はない。
 その間、二人の竹刀はお互いに空を切り、ただの一合
も竹刀を合わせることはなかった。
「お見事!」
 と、吉野文右衛門が手を叩くと、見守っていた門人達
も一斉に手を叩いた。
 歳三が面を脱ぐのを待って、相手が面を外して歳三を
見た。その目が笑っている。
「弥太さんかい?」
 思わず歳三が叫んだ。
 その顔は、石田村のわが家にも泊ることのある、親し
い行商仲間の小間物屋の弥太だった。
「ま、詳しい事情は奥で・・・お前たち、久蔵の指示で
稽古を続けてくれ」
 文右衛門が立ち上って言い、弥太と先に連れ立って旧
屋に向かった。歳三も道之助に促され、道中差しや荷物
を久蔵に預けて後に続いた。

 下女に借りた雑巾で足を拭いた歳三は、着物の裾の埃
を払ってから奥座敷に入った。
 座敷に入ると、文右衛門の上座に弥太が座っている。
「まあ、座ってくれ」
 歳三の横にいた道之助が笑顔で言い、自分も腰を下ろ
した。
「韮山代官・江川太郎左衛門さま配下の手代・長山与四
郎さまじゃ」
「弥太、おめえ、おれを騙してたのか?」
 長山与四郎が頭を下げた。
「済まん。情勢探索に隠密行動が江川家の常道でな」
「長山なんて名はおれは知らん。妙な真似しやがって!」
「トシさんは今迄通りでいい。わしを弥太と呼んでくれ」
「当たり前だ。今さら長山さまなんて言えるかい」
 文右衛門が言葉を口を開いた。
                 つづく
      ---
 では、次回をお楽しみに・・・・
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開運道スクール・携帯 http://m.kaiundou-school.com
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女性のための開運講座ー69&新撰組


 余震はまだ続いています。
 東北大地震での死者・行方不明者の合計は、つい
に1万6千人を超えました。町や村が全滅になり、
生存した方々も悲惨な思いをされています。
 お亡くなりになった方々には心からご冥福を祈り
ます。被災された方々に僅かばかりのカンパをして
も、心は安まりません。
 その被災地に友人知人・親類もいます。福島市内
の親類とようやく電話がでつながりました。原発か
ら60キロ離れていますが、家から出ないようにし
ているそうです。
 テレビも映るようになって、ますます政府のこと
を信用していません。原発で働く職員のあらかたは
真面目で、近所の評判も言いようです。その一方、
執行役員や上級職員の中には横柄な態度で鼻つまみ
者もいるそうです。
 こんな連中は施設の老朽化にも関心がなく、何ら
補修の手も打っていません。あの事故は、明らかに
メンテナンス不足の人災です。
 政府は「未曾有の天災」を強調して責任逃れをし
ますが、これも違います。
 責任は「我にあり!」と叫んで菅総理が陣頭指揮
をとれば、復興の足音も加速します。しかし、ヘリ
で上空から視察してのスタンドプレーだけでは誰も
信用しません。ますます権力の座にしがみついてい
ただけで、このドサクサに紛れて敵の大将を入閣に
誘うなど、呆れてものも言えません。
 あの原発は、どんな大地震がきてもビクともしな
い、と私は新聞で読んだ記憶があります。
 福島市内の親類には、いつでも我が家にと家族ぐ
るみの移住を勧めています。
 政府の発表が全く信じられないからです。
 この国は規律正しく秩序を守る世界でも稀に見る
礼儀正しい国だと、新聞のコラムにありました。
 その通りです。義援金も援助物資も続々と集まっ
てきていて救いの手は広がっています。この義援金
や援助物資が正しく被災者の手に届くのか、それも
見守りたいものです。
 あの赤い羽根募金や緑の羽根募金の大半が、天下
り団体の人件費に消えていたのです。義援金や援助
物資が役所やあちこちの団体を通じて撒かれてゆく
過程で少しづつ目減りします。人件費や運搬費など
必要経費や手数料、これらの項目はどうにでもなり
ます。
 つい10日前には畑の前の小屋に野菜が置いてあ
り「一個百円」で木箱に金を入れて持ち帰れた同じ
品が被災地に持ち込まれ5百円で飛ぶように売れて
感謝されているのです。ガソリンは1L200円以
上です。これから、現地での物価はどんどん上昇し
ます。誰かが粗稼ぎしているからです。
 これを火事場泥棒とみるか救世主とみるか、立場
の違いによって変わりますから何とも複雑です。
 日本の産業の衰退を懸念して株式市場は大荒れと
なり軒並み安値を更新している中、建築関係は軒並
みストップ高、これも正当な経済行為ではあります
がハゲタカ心理に近い気がします。
 おれおれ詐欺の連中は、いっせいにNETを使っ
て義援金詐欺に出撃中です。
 善意の人99・5%、悪意の人0・5%、この位
までは仕方ないのでしょうか? 肉親を失い寒さと
飢えで身を寄せ合って夜も眠れず過ごす人々の苦痛
を考えてください。この被災地の人々を儲けの対象
にするなんて、とても許せませんね。
 世界が注目する、日本人の良心の真価が問われる
のはこれからです。
                つづく  
 ーーーーーーーーーーーーーー
 さて話題を変えて、女性のための開運講座です。
 これは、恋愛、結婚、再婚に役立つ開運法です。
 途中からご覧の方は、遡ってご覧になってくだ
さい。勿論、男性が見ても役立つはずです。
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 女性のための開運講座ー68 

 恋愛・結婚、さまざま模様
 美しくなる秘訣

 3、神安定で血行回復-2

 エアロビクスやテニスなどを代表に健康のための
運動はたくさんありますが、多忙な日疲労を残しが
ちですし、運動だけでは精神的なストレスを解消で
きないこともあります。
 ここでは、運動をしないで血行を良くするイメー
ジ温感トレーニングの実際を述べます。まず腹式呼
吸で体内に酸素を充分に取り入れます。ご承知のご
とく酸素は、私たちが食べ物から取り入れた栄養素
をエネルギーに変えるために欠かせないもので普通
1分間に250ミリリットルも吸い込んでいます。
 吐くときは体内で不要になった二酸化炭素を、約
200ミリリットル放出します。血行が悪くなり血
液の中の酸素が少なくなると血液が汚れ、栄養素が
毛細血管の隅々まで行き渡らなくなり肌が老化現象
を起こします。
 血液が悪くなり体内の酸素が不足すると頭がぼん
やりして脳の回転が鈍くなり皮膚が老化するだけで
なく、身体全体からも活気がうせます。
 肩こりも血行を妨げますので美容の敵です。肩こ
りは寝不足・過労・神経イライラ・胃の不調・目の
疲れ・頭の使いすぎなど、さまざまな原因によって
生じますが、これをほぐすには運動療法・針治療・
磁気療法・指圧療法とさまざまな療法がありますが、
まずは精神安定リラクゼーション法で心のストレス
をときほぐすことが先決です。心がリラックスすれ
ば筋肉も弛緩し、肩こりもほぐれ、血行が良くなり、
胃の働きも身体全体の細胞の働きも活性化し、眠り
も深くなり、朝の目覚めもさわやかです。

 では、出題です。
 下記から
 血行順調の場合の長所を3点上げてください。
1、血行が良くなるとストレスもほぐれる。
2、血行の善し悪しとストレスは関係ない。
3、トレーニングによってもストレスに強くなる。
4、血行が良くなると皮膚が若返る。
5、血行が良くなっても肌が若返ることはない。
6、血行と健康はあまり関係ない。  

 前回、今回の文章の中に正解があります。
             つづく
 
 書店発売中の「坂本龍馬異聞」に続き「新撰組
3部作」を執筆中です。その内容を先にお届けし
ます。
 ホームページでも挿絵入りで連載を始めました。
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 新撰組ー異聞

  第三章 黒船騒乱
 
 (1)行商仲間
  
 嘉永六年(一八五三)の晩夏、暑い日が続いてい
る。江戸湾の黒船出現以来、物騒な噂が多摩地方に
も流れていた。
「アメリカという国の艦隊が、いよいよ江戸攻めら
しいぞ」
「なにが狙いだ?」
「捕鯨船団の食料に水、それに燃料の薪や女だ」
「冗談じゃねえ。そんなの追い返すか皆殺しにでき
ねえのか?」
「開国を迫られた幕府が、戦う覚悟がねえのか煮え
切れねえんだ」
「こうなりゃ、竹槍ででも戦うしかねえな」
 どこに行っても、黒船の話題で持ち切りだった。

 早朝、歳三はいつも通り、石田散薬の朱色に白く
石の字が浮き出た派手な通い箱を背負って霧深い並
木道を急いでいた。当然ながら通い箱には武具が括
りつけられている。
 この日は、青梅新町村名主・吉野文右衛門の甥で
吉野道場師範の柴田道之助と、朝稽古で会うことに
なっていた。八王子千人同心で槍組小頭の道之助は、
歳三と会う日を約束すると、いつも数日前から伯父
の家に滞在して、村人らに剣術を教えている。月に
一度だけ会う文右衛門も道之助も、歳三との情報交
換を楽しみに待っているに違いない。文右衛門から
は、会わせたい人がいる、との伝言も受けている。
 霧が晴れると夏の太陽が容赦なく照りつけて来て、
欅(けやき)並木の木陰伝いに歩いてはいる歳三の
全身を汗で濡らしていた。そんな時、歳三はあえて
街道を外れて山道に入り、荷を背負った背を丸めて
灌木に包まれた獣道を小走りに急ぐことがある。
 このほうが旅人が行き交う街道を歩くより気持ち
が安らぐし涼しいのだ。
 山に入れば獣に襲われる危険もあるのだが、多摩
から秩父の山道で歳三を襲う獣はもういない。
 獣は天敵には敏感だった。次々に仲間が倒されて
憎しみや恨みはあるが、自分達より向こう見ずで命
知らずの歳三を恐ろしい天敵と認めた以上は絶対に
近寄ろない。それだけに、日頃は凶暴な山犬も大猪
も、歳三の気配を感じると獣道から藪に逃げ込んで、
天敵が通り過ぎるのを隠れ待つのだ。
 歳三もまた、山路を踏み入るうちに耳や目や鼻が
動物的な感覚に馴染んだのか、身近に忍ぶ獣の種類
や数までも的確に知ることが出来るようになってい
た。
 やはり、何事も場数を踏むのが一番、それを歳三
は身に沁みて知っていた。

 吉野屋敷に着き長屋門を潜ると、歳三を見たのか
酒屋の久蔵が稽古着姿で走り出て来た。
「そろそろ現れる時刻だと思ってたぜ」
「久蔵さんの出迎えなんて、珍しいじゃねえか」
「出迎えたわけじゃねえ。偶然、見つけただけだ」
「なにかあったのか?」
「変な道場荒らしが来て、誰も歯が立たねえ」
「柴田さんは?」
「今、立ち会ってるが旗色がよくねえ。それを名主
さんはニコニコして見てるんだ」
「強いのか?」
「トシさんが来たら、相手をしてもらうって言って
たぞ」
「冗談じゃねえ。柴田さんで勝てない相手じゃ、お
れには無理だ」
 そう言いながらも血が騒ぐのは、歳三の性格だか
ら仕方がない。
 改築中の吉野邸は入母屋造りの茅葺き屋根の広大
な屋敷で、完成には五年は掛るともいわれていたが、
ほぼ完成に近付いている。旧宅はその裏にあり、庭
の片隅に馬小屋を改造した剣術道場がある。
 久蔵に続いて道場に入ると、柴田道之助がすでに
息が上がっていて勢いがない。歳三の姿が視線が入
ったらしく、軽く小手を打たれたところで「参った」
と一礼してさっさと面を外し、汗だらけの顔で歳三
を促した。
「トシさんの来るのを待ってたんだ」
「おれを?」
「ま、一手だけ、手合わせをしてくれ」
 竹刀をだらりと下げただけの相手が「ぜひ!」と
低い声で歳三に告げた。
 この一言で歳三の闘争心に火が点いた。
(どこの誰かは知らぬが、打ちのめしてやる!)
                 つづく
      ---
 では、次回をお楽しみに・・・・
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女性のための開運講座ー68&開運講座


 梅の花香る春に思わぬ悲報です。
 今回の三陸沖地震でお亡くなりになった方々に深
い哀悼の意を表します。
 被災された方々に心からお見舞いを申し上げます。
 テレビ画面から流れ出る惨状は目を覆うばかりで、
見るだけで胸が痛みます。町全体が津波に呑みこま
れて流され、壊滅状態で全く連絡のとれない地区も
あります。
 突然の大地震が多くの人命を奪い、平和な人々の
生活を恐怖のどん底に落としています。国内の観測
史上で一番凄いという震度マグニチュード9・0、
信じられない大地震です。
 震源地から遥かに遠い東京では震度5強でも大パ
ニックでした。電話もメールも繋がらず電車も止ま
り、ビルは大揺れでエレベーターが止まりました。
 水道、電気などライフラインが止まった地域もあ
り、不安の度は想像を超えています。
 東京の私にも多少は影響がありました。金曜日は
土曜の山口放送の原稿つくりです。ビルの10階に
ある狭い事務所で机に向かっていました。グラグラ
と来てテーブルの下にとっさに潜ったのは、子供の
時の空襲訓練の条件反射です。
 その上に食器棚が倒れて来て、目の前に毀れた食
器類が飛散しましたがケガはありません。後は、本
棚から崩れ落ちた書類や本の山ですが、それで済ん
だのは不幸中の幸いです。
 百年に一度や二度の大地震は天災ですから諦めも
つきますが、原発事故は許せません。天災があって
も万全の備えで絶対に事故がないからと許可されて
の開業だからです。放射能での被ばくが12日深夜
現在ですでに190人、これから増え続けます。こ
れは営利事業の東京電力だけの責任ではありません。
 安易に許可を出した国や役所にも問題はあります。
 枝野官房長官は、したり顔で「放射能漏れは少な
い、人的被害はない」と強調しています。
 枝野大臣は「未曾有の大地震」を連発し、事故が
不可抗力であるかのように言いました。しかし、す
でに200人近い被爆者が出ています。
 これを地震や津波のせいにして欲しくありません。
 原子力発電所誘致には地元の反対もあり紆余曲折、
数多くの難関を突破した経緯があります。「大地震
でも放射能は絶対に洩れない」、これを条件に建築
許可が出たはずです。
 地震、津波、火事、その上に放射能では踏んだり
蹴ったりで全くお気の毒です。
 さて、私の本籍は福島県で、テレビ岩手の準レギ
ュラーですから、これと無縁ではいられません。
 東北には仕事関係や親類、占いの弟子や釣友など
も含めて多勢の知人友人もいます。
 阪神大地震の時は折り畳み自転車と救援物資を担
いで神戸に二度訪れました。新潟地震のときは遠く
迂回して車で救援物資を積んで現地見舞いに行きま
した。今回も当然ながら、行かなければなりません。
 母親の介護もありますが、母親を施設に預かって
貰っても見舞い出張は私なりの義務です。
 まだ、知人の安否を尋ねての電話やメールも通じ
ていません。
 たまたま親しい仲のテレビ岩手の報道部長が、テ
レビで現地の現状を語っていました。
 その姿を見ただけでホッとして心が落ち着き、す
ぐ激励ましのメールを入れました。深夜ながらすぐ
本人から返信メールが届きました。
「お気遣いありがとうございます。これからが岩手
県の疲れが厚みを増すと思います。当分は、報道番
組体制で進みます。前に進む力を与えるようなテレ
ビつくりに、身をつくす考えです。これからも、よ
ろしくお願いします。テレビ岩手・平井雅幸より」
 やはり、仲間は徹夜で頑張っていました。
 ともあれ私も、心配している人の一人だけでも姿
を見ることが出来て一安心です。
 これ以上の被害が出ないことを祈るのみです。
               つづく  
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 さて話題を変えて、女性のための開運講座です。
 これは、恋愛、結婚、再婚に役立つ開運法です。
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 恋愛・結婚、さまざま模様
 美しくなる秘訣

 3、神安定で血行回復

 ストレスは美容の大敵であるということはご存知
だと思いますが、これは心理学・病理学・生理学の
あらゆる面からも証明されています。ストレスとい
う言葉は、1936年(昭和11年)にカナダの生理化学
者であるハンス・セリエ博士(1907~1982)が用い、
日本ではセリエ博士と共にストレスについて研究さ
れた銀座内科の藤井尚治医博が1971年(昭和46年)
(財)東京ストレス会を開設し、それからストレス
という言葉が徐々に浸透してきました。ストレスは、
ある程度までは生活の張りという部分で必要とされ
ますが、ストレスが高まり、許容の範囲を超えます
と、不眠やイライラの症状があらわれます。
 スレレス症状になると、動悸がする・胃の調子が
悪い・頭が重い・肩が凝る・腰が痛む・寝つきが悪
い・疲れやすい・朝起きて疲れが抜けない・小さな
ことが気になる・めまいがする・過ぎたことにくよ
くよする・人に会いたくない・満腹感もない・肌が
荒れる・手足が冷たい・フケが溜まりやすい・顔が
きつくなるなど美容には悪いことばかりです。
 身体の不調で病院に行き精密検査をしたら、神経
性胃炎だと言われたという。話を聞くと、仕事が忙
しく残業続きで寝不足、その上、恋人ともうまくい
かないとか、これなど完全にストレスです。
 ストレスは感じやすい人とそうでない人とに分か
れていますが、ストレスに強くなるにはそれなりの
心身トレーニングによってストレス耐性を強めてお
くことが必要なのは当然です。特に、毎日の生活を
快適に明るく健康で美しく過ごすには、適度の運動・
バランスの良い食事・快い眠り・安定した心などが
必要です。
             つづく
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 書店発売中の「坂本龍馬異聞」に続き「新撰組
3部作」を執筆中です。その内容を先にお届けし
ます。
 ホームページでも挿絵入りで連載を始めました。
      ---
 新撰組ー異聞

 第二章 勝太の心象風景

(12)くされ縁ー2-2

 各地の門弟道場での勝太の人気は、すでに師や兄
弟子を超え、殆どの道場は勝太を名指しで招くのだ
が、試衛館の出稽古は師範代の当番制に決まってい
るから兄弟子も勝太も殆ど休む間もない。その兄弟
子や勝太の人気によって天然理心流の道場は相模や
上州、多摩一円から甲斐路にまで広がっていて、門
弟数は孫弟子を加えると末端六百人とも千人ともい
われていたが分派が枝葉のように広がっていて、そ
の実数は誰にも分らない。
 小野路村の小島鹿之助からの紹介で入門した日野
宿の名主・佐藤彦五郎の道場には、義父の周助に連
れられて行った。
 佐藤彦五郎は、農家から出た不始末火で隣家の本
陣共々両名主宅を火事で失い、その火事のどさくさ
で、不祥事で追放されていた隣人の恨みに殺された
祖母を救えなかった不甲斐なさを恥じて剣術の修行
を思い立った。その彦五郎の熱意もまた「鬼気迫る」
ものがあると義父は言う。
 勝太が、周助に連れられて初めて彦五郎と会った
時、稽古熱心で腕に自信のある彦五郎は初手から年
下の勝太を甘く見たらしく、軽い調子で立ち会った
が、周助と違って手加減をしない勝太には、名主の
余技の剣術では全力で立ち向かっても全く歯が立た
ない。彦五郎は、勝太にこっぴどく木刀で叩かれて
恐怖を植え付けられ完敗を認めて頭を下げた。
 この日の彦五郎は、容赦のない勝太の強さを素直
に認め、以後は従順に勝太の指導を受けている。
 勝太は、佐藤彦五郎に対して、実際は「目録」程
度なのに「中極位目録」を許した周助の甘い査定の
辻褄合わせのために厳しく対応して稽古をつけた。

 勝太は自分が教える以上は遠慮はしない、そう心
に決めていた。その意気に応えて彦五郎も勝太の教
えに必死に食い下がった。実力がないと戦場の戦い
で命を落とすことになるからだ。
 彦五郎は、多摩代官・江川太郎左衛門英龍こと通
称・坦庵の肝入りで十一歳の若さで日野郷四十四ケ
町村二千五百石の名主を継いだ苦労人だけに、七歳
も年下の勝太を兄弟子として尊敬し丁重に扱ってく
れるから居心地もよかったが、彦五郎の門人達が多
いことから稽古が暮れるまで続き、その後の酒宴が
苦手だった。
 その点では、小野路村の小島鹿之助のあっさりし
た態度が気に入っていた。
 周助によると、小島家は以前からの特別な「試衛
館」の理解者で、その親類の佐藤家が後援者になっ
たことで試衛館は万全だという。確かに鹿之助も彦
五郎も年下の勝太を丁重にもてなし、勝太もまた気
心の知れたこの二人を別格扱いしていた。
 この小島鹿之助と佐藤彦五郎の両名主は、お互い
に研鑽を積んで、今では天然理心流の目録以上まで
進んでいる。それでも、いずれ天然理心流四代目を
継ぐ立場で猛稽古に明け暮れる勝太と、多忙な公職
の合間に剣術を習う名主二人との間では稽古量と質
の高さで大きな差があった。

 勝太と小島道場で意気投合した彦五郎の義弟の歳
三とも、何度か佐藤道場で顔を合わせたが、歳三は
二度と勝太と立ち会うこともなく酒席にも顔を出さ
ない。義父の周助は、あの歳三にはまだ正式の弟子
ではないが、他の者にない独特の凄みがある、と勝
太に語った。
「あの歳三ってやつの強さは本物だぞ。だがな」
 と、義父の周助はつけ加えた。
「あいつは稽古嫌いだし、他流の癖が抜けきれまい。
本来なら免許皆伝まで行けるが当流としては、せい
ぜい目録というところまでだな」
 義父は歳三を稽古嫌いと言ったが、勝太はそうは
思わなかった。勝太が門人相手に稽古を始めると、
鋭い目で勝太の一挙一動を追い、一つ一つの技を自
分のものにしようとする貪欲な気迫をその視線から
感じていた。勝太は、歳三の木刀の無数の傷跡を思
い出し、歳三が何らかの方法で自分なりの技を磨い
ているのを確信した。
(こいつとは腐れ縁になる)
 勝太が歳三の目をまっすぐ見つめると、歳三の挑
戦的な目がふと笑った。
                 つづく
      ---
 では、次回をお楽しみに・・・・
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女性のための開運講座ー67&新撰組


 季節はやや春めいてきました。
 最近、築地の魚市場は外国人の観光ツアーに組み
込まれたようです。一時はアメリカ人が目だった築
地も今は中国人観光客の天下です。
 昼時、来客があって行きつけの寿司屋さんに行く
と満員です。大声で飛び交う言葉は中国語、われわ
れは奥座敷も諦めてカウンターで食事です。
 寿司屋ですからカウンターでいいのですが何だか
肩身が狭い思いです。これは、銀座も新宿も同様、
中国人が舗道をふさいで悠々と団体で銀ブラです。
 いまや、中国の観光客なしでは銀座の商店街も秋
葉原の電器街も成り立ちません。両手に抱えきれな
いほどの電化製品を抱えた中国人で、昼間の地下鉄
も満員のときがあります。
 それだけではありません。
 都心の土地が、次々に中国の新興成金に買い占め
られています。長期不況で資金繰りに行き詰った不
動産業者が、次々に優良物件を手放しているのです。
 今や、銀座の一等地の殆どが中国人の手に落ちて
います。
 この日本の国力の衰退ぶりと、中国の躍進の勢い
の差は誰の目にも明らかです。これを、政治の貧困、
政府の無力、力強いリーダー不足のせいにするのは
簡単です。しかし、こんな政府の誕生を見抜けずに
1票を投じた自分にも責任があります。
 まさか、こんなに情けない国になるとは誰も予想
していなかったはずです。これでは、大学入試カン
ニングでエゴ丸出しの若者を責めることも出来ませ
ん。
 この国が今後どうなるか・・・中国に呑み込まれ
て属国になるしかないのか? あるいは、ハワイの
ように日本州としてアメリカ合衆国に吸収合併され
るのか?
 それを自分の天命のある間、見ないで済むことを
祈るのみです。
 それとも、救国の救世主として偉大な政治家が現
われて国力を再興するか?
 これは、生きて見届けたいものです。
                   つづく  
 ーーーーーーーーーーーーーー
 さて話題を変えて、女性のための開運講座です。
 これは、恋愛、結婚、再婚に役立つ開運法です。
 途中からご覧の方は、遡ってご覧になってくだ
さい。勿論、男性が見ても役立つはずです。
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 女性のための開運講座ー67 

 恋愛・結婚、さまざま模様
 美しくなる秘訣

 2、心のバランスを取り戻す方法-2

 人は気分によって、その都度好みは変わりますが、
基本的には好きな音を聞くことでリラックスできま
す。その反対に、変わった音を聞いて気分を変える
こともできます。
 小鳥のさえずりを聞けば、さわやかな朝の気分で
気持ちを明るく引き立てることができますし、元気
の良いマーチは勇気を与えます。虫の声のセレナー
デや静かな音楽は静かな夜を思わせ、気持ちを落ち
着かせ、心にやすらぎを与えます。列車の音や漁港
のざわめき、波の音は旅への郷愁をかきたて、現状
から遊離されたい気持ちになります。
 以前、人はリラックスしたい時、どのようなイメ
ージを描くかという調査をしたことがあります。
 ここでもはっきりと、小高い丘から海を眺めてい
る景色、高原の緑いっぱいの景色と大きく2つに分
かれました。さらに同じ海でも、朝日が昇る海、夕
日が沈む海、サンサンと太陽が輝く南国のコバルト
色の海と風景や時間的経過にも好みがあるのがわか
りました。
 山の景色はというと、せせらぎのある草原、緑の
中に花がいっぱい咲いている丘陵、湖の見える丘と
それぞれありましたが、日差しは太陽の明るい春、
または夏ということで、秋冬の紅葉、雪景色はあり
ませんでした。
 自分をリラックスさせる自然のイメージでもこの
ように好みが出るわけですから、音楽によるリラク
ゼーション作用の個人に及ぼす影響を統計的に整理
することができるのは当然です。そこから私の音楽
療法の発想が生まれました。
 30年ほど以前、アルファー波脳波計を用いて、
リラックスするのに最良の音楽を求め続けました。
「心の健康には音楽を」の信念のと主張するクラシ
ック選曲もできましたが、それでも不満が残り何度
も作曲家に依頼し、そして、私の長年の夢は叶えら
れました。
 すべての人に共通するイメージトレーニングに最
適な音楽も今は安心して推奨できます。この音楽を
通じて、同じ共感が得られるという確信と喜びが、
さらに未来への希望を生みます。かつて、そんな音
楽を世の中に提供したことがあります。
 ここで「心身のバランスをよくする音楽療法」の
3つのポイントをあげます。
 あなたに一番合うのは、次のどれですか?

1、リラックスする海や山、川の音などを聴きなが
  ら、楽しいことを思い浮かべると、ストレスが
  解消できて、身も心も軽くなる。
2、リラックスするバロック音楽や、好きな音楽を
  聴きながら好きな景色を思い浮かべると、身も
  心も軽くなる。
3、好きな音楽や自然音を聴きながら好きな人と過
  ごすことを想うと、身も心も軽くなる。
    と、なります。
             つづく
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 書店発売中の「坂本龍馬異聞」に続き「新撰組
3部作」を執筆中です。その内容を先にお届けし
ます。
 ホームページでも挿絵入りで連載を始めました。
      ---
 新撰組ー異聞

 第二章 勝太の心象風景

(12)くされ縁ー2-1

 原田忠司が振り向いて、手招きをする。
「若い二人、こっちへ来て仲間に入れ。勝ち負けな
んか気にするな」
 二人の会話を聞いていた小島鹿之助が笑った。
「トシが逆立ちしたって、若先生には勝てんよ」
 福田平馬が鹿之助をたしなめた。
「いや、この歳三ってやつは底が知れん。頑張れば
勝太といい勝負になるぞ」
 小島道場の弟子達も集まって酒宴となり、剣術談
議に花が咲いた。
 歳三が言った。
「勝つために手段を選ばぬ天然理心流なら、オレの
性に合うな」
「きちんとした技も使うぞ」
 勝太が応じたのを聞いて福田が笑った。
「勝太はスッポンだ。食いついたら相手を倒すまで
放さんからな」
 勝太がすかさず話題を変えて、先輩二人を褒めた。
「さすがに兄弟子、まさか真剣で立ち会うとは思わ
なかったです」
 それを聞いた鹿之助が口をはさんだ。
「真剣って? もちろん刃は潰してありますな?」
 福田平馬が平然と手で顎を撫でた。
「髭も剃れますぞ」
 鹿之助の顔から笑みが消えた。
「福田さん。そんな危ないこと、誰とでも試すんで
すか?」
「原田とだけですよ。島崎や師匠が相手じゃ殺され
ますからな」
 勝太が感心したように頷いた。
 自分も、このような深い信頼関係を持てる相棒が
欲しい、と思って横を見ると歳三が、我れ関せずと
いう顔で酒を飲んでいる。
 勝太の心を呼んだのか、ふと歳三が顔を上げてぼ
そっと呟いた。
「カツさん。いつか我々も真似してみますかね?」
 いつの間にか勝太は、この得体の知れない歳三が
気に入っていた。 

 この出稽古を境にして、原田忠司が勝太に距離を
置くようになった。
 過日、島崎一は勝太と稽古で互角に戦った時に、
「もうすぐ追い抜かれるな」と、いって若い勝太の
伸び盛りの力を認めて小山村に道場を開いたように、
原田忠司も故郷の国領に道場を持ち、福田平馬も、
「勝太に任せるよ」と言って試衛館には滅多に姿を
現さなくなった。それでも、それぞれが交代で与え
られた日程で各地の道場に出稽古に出掛けて師に報
いるのは今までと変らない。
 勝太にとって、原田忠司に命じられた「わしらに
勝って宗家を継げ」という一言が、天然理心流襲名
の前に大きな壁となって立ちはだかり、修行の励み
ともなっていた。

 そんなある日、二人で稽古中に、いつも胸三寸ま
で目にも見えぬ間に鋭く迫ってくる忠司の突きが、
まだ勝太の胸元に伸びる前によく見えたので、左に
体を避けると、大柄な忠司の腹部が大きく目に入っ
た。そのまま素早く逆胴で右脇腹一寸で木刀を止め
たところ、忠司が「よし!」と叫び木刀を引いて真
顔で言った。
「この突きをよくぞ見切った。わしの稽古は終わり
だ。あとは襲名前の試合で試すぞ」
 忠司はそれから間もなく荷物をまとめて道場を去
り、国領に戻って道場開きの準備を始めた。その後
は、江戸市谷の試衛館道場には盆暮れ正月には義理
堅く挨拶に来るが、本家の道場では師の周助に勧め
られても絶対に木刀を握らない。
 だが、勝太が出稽古の途中に国領の原田道場に立
ち寄ると、忠司は喜んで迎えて酒食でもてなし、相
模や秩父などへの数日掛りの出稽古でも快く引き受
けてくれた。ただ、勝太からの稽古の手合わせは何
度頼んでも「後の楽しみにな」と、やんわりと断る
のだった。
 勝太はこの豪快な原田忠司が好きだった。
 勝太を天然理心流の四代目宗家にという忠司の強
い願いは、いつも勝太に届いている。
 勝太が江戸小日向柳原・甲良屋敷の「試衛館」を
任されるようになってから、連日のように、相模、
多摩、上州地方の天然理心流の道場から若師範代の
勝太への出稽古依頼が殺到した。一つの道場には月
に一、二回の出張なのだが、各地の名主、庄屋から
の新規の依頼が増え続けたのだ。
 これは、真剣と同じような重さの木刀を使っての
実戦型の臨場感が受け入れられたこともあるが、手
抜きをしない勝太の朴訥な人柄と、稽古に対する真
摯な姿勢が好まれたのも事実だった。
                 つづく
      ---
 では、次回をお楽しみに・・・・
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