過去を懐かしむには三つの要因があります。
1、現状に満足していない。
2、老化現象。
3、思い出を温存したい。
で、私の場合は2の老化現象、単純ですね。
ある深夜、テレビのスイッチをオンにすると、何
やら懐かしい歌声が流れ、若い日の山口百恵さんが
画面で歌っていました。
その直後、スタジオで語る松田聖子がいて、若い
時の画像などが流れていました。この新旧の毛色の
違った元人気歌手の歌を聞くと、頭の回路が一気に
逆走して若返る高齢者も、全国にはかなりいるはず
です。
あるいは、今、母親となっている世代の女性のほ
とんどが、懐かしく青春時代を思い出すのではない
でしょうか。
記憶に残る歌には、その時代を過ごした人それぞ
れの思い出があります。その意味では、百恵さんや
聖子ちゃんが活躍した時代に青春を過ごした人は、
思い出の映像と歌声を聞いて、それぞれの思い出に
浸ったのは間違いありません。
私も少々、胸が痛みます。と、いっても百恵さん
や聖子に失恋をしたわけではありません。占いの仕
事に絡んでの胸の痛みです。
前回は、加山雄三さんの母親で俳優・上原謙さん
の奥さんの小桜葉子さんと仕事をするために、3階
建てを建て、それが今は花見化学となっていて、隅
田川の花火や新名所のスカイツリーが目の前ですか
ら、世の中、何がいいか分かりません。これも、小
桜さんが急死して「小桜葉子美容体操教室」が挫折
したための結果です。
私がなぜ、占いの世界にのめり込んだのか、とい
う動機については、何かの機会に語った覚えがあり
ますので横に置いて、今日は、その後のことです。
ある程度、占いで知られるようになって、銀座で
相談室を開いてからの話です。
ある日、M銀行支店長が、自分の知人のハワイ在
住日系二世のYさんから、コンピュータを買わない
か、という話がありました。
支店長は、それが占いに使えるかも知れない、と
言うのです。時代は、百恵さんがデビューして間も
ない頃でした。
コンピュータなど全く知らない私は、興味のない
まま仕方なく、当時はまだ面倒だった国際電話でY
さんに聞いてみると、その機械はコンピューターと
は名ばかりの、FBIで用いていたカードソーター
とう識別機でした。直カンで、イケる! と思った
私は、Yさんの言い値で購入を決めました。
重量は1台250キロ、在庫の6台全部を即決し
ました。
それを運ぶ昇降機付きのトラックも一台購入し、
運転手も雇わねばなりません。その機械を使いこな
すために、Yさん夫婦もハワイから招き、マンショ
ンも用意することにしました。
来日したアメリカ国籍のYさんは、星占いやタロ
ットは詳しくても、東洋の占いは全く知りません。
思考錯誤を繰り返しながら、12支や九星気学、
西洋占星術、血液型などを組みこんで、占い申し込
み者の生年月日その他の必要項目をインプットして
識別機を作動すると、それに該当する項目に対応す
る、あらかじめ印刷された占いカードを機械がアウ
トプットするという仕組みです。
時代が求めていたのか、大当たりになりました。
各デパートから引っ張りだこで、もっとも力を入
れてくれたのが渋谷の東急デパートです。
「日本初のコンピューター占い!」
かなり、オーバーな表現ですが画期的でした。
まず一ケ月のイベントが始まりました。
つづく
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さて話題を変えて、女性のための開運講座です。
これは、恋愛、結婚、再婚に役立つ開運法です。
途中からご覧の方は、遡ってご覧になってくだ
さい。勿論、男性が見ても役立つはずです。
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女性のための開運講座ー50
恋愛・結婚、さまざま模様-18
結婚出来るとしたら
2、どんな努力が効を奏するか。
いい結婚は、必ずしもいい恋愛から生じるもので
もありません。
私は長年に渉って結婚相談所を経営していました
ので、見合い結婚の長所を熟知しています。
恋愛結婚の場合、同級生や幼馴染以外は、全く未
知の仲がどこかで知りあって交際を始め、それが恋
愛になり、やがて結婚に発展することになります。
そのプロセスを見ると、最初に結婚相談所で知り
あって好意を抱き、そこから恋愛感情を高めて結婚
するケースも、心情的には恋愛結婚と言えないこと
はありません。
コンパやパーティ、結婚相談所、旅先、友人の紹
介など、どこで知り合おうとも、初対面での顔合わ
せという面では同じです。ただ、内容には大きな違
いがあります。
まず、結婚願望の有無です。結婚適齢期の男女で
あれば、どこで出会っても相手を将来のパートナー
として意識しますが、結婚を望んでいない相手です
と単なる遊び仲間としか認識されない場合もありま
す。それに、相手のことを何も知らないという不安
もあります。
その点、結婚相談所紹介は家族構成から学歴・年
収など身上調査がほぼ完璧ですのでリスクは少なく
て済みます。ただし、恋愛に付きもののドキドキ感
やときめき、恋の駆け引きで生じるスリルもなく、
恋愛の楽しさ苦しさ切なさも味わえません。
これこそ、恋愛の醍醐味ですから、それを体験
できないのは残念です。
ともあれ、いい恋愛が必ずしもいい結婚に結び
つくものでないことは、ご理解頂けると思います。
ところで、あなたは恋愛上手ですか?
それとも、恋愛は下手だと思いますか?
恋愛は下手でも結婚には自信がありますか?
恋愛も結婚も、完璧だと思いますか?
これらは、人それぞれの性格や環境、経験の有
無によっても大きく変ります。それでも、これら
は努力すれば全て克服できることばかりです。
それを、12支それぞれにあてはめてみます。
あなたは、どんな努力をすれば最高の結果が得
られるでしょうか?
子は、細かい気配りで結婚まで持ち込みます。
丑は、器用に如才なく根気がよく頑張ります。
寅は、慎重な計画の上で一気に目的達成です。
卯は、陽気に明るく自分のペースに乗せます。
辰は、相手の気持を敏感に感じて合わせます。
巳は、自己主張と粘り強い求愛が成功します。
午は、派手な言動で強引に目的を果たします。
未は、豊かな感性の愛情表現が効を奏します。
申は、相手の出方に応じて器用に合わせます。
酉は、心遣い細やかに奉仕の心で的を射ます。
戌は、責任の強さと几帳面に相手に尽します。
亥は、相思相愛の相手に一直線に熱中します。
以上から、人それぞれの努力で恋愛も結婚も
花を開き実を結びます。
ただ、恋愛も結婚も相手次第で状況は変りま
す。最善の相手に巡り合うことが前提ですので、
相手探しも大切なことは当然です。
そのためには視野を広く、積極的行動で相手
選びの努力も怠らないでください。
これは、既婚者の交友関係にも言えることで
す。
つづく
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書店発売中の「坂本龍馬異聞」に続き「新撰組
3部作」を執筆中です。その内容を先にお届けし
ます。
ホームページでも挿絵入りで連載を始めました。
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新撰組ー異聞
第二章 勝太の心象風景
(2)試衛館の兄弟子-1
人の道など分らぬもの、この盗賊騒ぎが勝太の運
命を大きく変えた。
宮川家の道場に江戸から出稽古に通って来る天然
理心流の第三代宗家・近藤周助が、久次郎の勘違い
話を真に受けて、一年前から弟子になっていた勝五
郎を養子に欲しいと言い出したのだ。
「賊を深追いしない、と決断するのは追うより勇気
がいる。追うだけなら匹夫の勇、斬られたら笑いも
のですからな」
勝五郎が父の勧めで、自宅の道場で天然理心流に
入門したのは十四歳の嘉永元年(一八四八)十一月、
それから、わずか八ケ月で切紙から「目録」まで進
んで師の近藤周助や周囲を驚かせていた。本来は、
序目録だが、周助の代から従来の序目録を格上げし
て単純に「目録」としていた。勝五郎は免許の進展
など全く意に介さず、ひたむきに基本に忠実に師の
周助の教えを守って精進した。その朴訥で一途な少
年の稽古熱心さも、周助が養子にと望んだ一因であ
ったのかも知れない。
「まだ十五歳なのに腹が据わって度胸がいい。その
上、子供のくせに地声も大きいし、角ばった顔も見
るからに凄みがあって脅しが効く。天然理心流の極
意は、最初の気合いで相手を圧倒することにある。
これを生まれつき持っているとは稀有なことじゃ。
これ以上の後継者は日本中探しても見つかるまい。
この勝五郎こそ、天が与えてくれた天然理心流の申
し子に違いない。是非、養子に・・・」
と、近藤周助は父に言った。
父が返事をする前に近藤周助が勝五郎を見て、
「どうだ?」と、珍しく笑顔を見せた。
久次郎も末っ子の勝五郎は手放したくないのだが、
近隣の若者を喧嘩で怪我させては苦情を申し込まれ
るガキ大将の勝五郎には手を焼いて、将来のことも
案じていただけに渡りに舟、断る理由などどこにも
ない。
久二郎は勝五郎の気持ちなど確かめずに、二つ返
事で応諾したのも無理はない。勿論、勝五郎にも異
論などあろうはずがなかった。
勝五郎が天然理心流宗家の近藤家に養子に入った
のは、嘉永二年(一八四九)の十月、農家の収穫が
終わり、秋が深まりつつある季節だった。
家族に別れを告げた勝五郎が、重い荷物と父から
貰った脇差を腰にして生家を離れ、江戸小日向柳原
・甲良屋敷の「試衛館」道場の狭い一室に住み着き、
名も宮川勝五郎から島崎勝太と変えて、新たな人生
の一歩を踏み出した。
江戸に出て数日間、養子とはいえ勝太の日々は想
像を絶するものだった。
周助の四人目か五人目の若い後妻のアヤノに朝か
ら晩までこき使われ、水汲み、薪割り、炊事、洗濯、
雑巾がけ、肩叩きと休む間もない。
それでも勝太には楽しみがあった。
周助は、空いた時間は道場に出ていい、と自由な
稽古を許してくれたのだ。
江戸に出て二日目に道場に出た勝太と、最初に手
合わせをしたのは試衛館に居合わせた旗本の子弟ら
門人達数人だった。彼等は、師が養子にするという
多摩の少年に興味を抱き、稽古の厳しさを身をもっ
て知らせようと闘志を剥き出しにして迎え撃った。
だが、いずれも勝太の気迫の一撃に歯が立たない。
勝太の木刀は寸止めではなく容赦なく防具に炸裂
するから痛みと恐怖を呼ぶ。
十五歳の勝太の評判は、江戸に出て数日でまたた
く間に門弟達の間に広まった。
師の周助は酒を飲むだけで一向に稽古をつけてく
れず、たまに道場に出て手合わせをしてくれるが、
勝太の撃ち込みに「いいぞ!」と目を細めるだけだ
った。
「稽古に焦りは禁物、まず先輩から学ぶのじゃ」
その意味はすぐ分かった。
つづく
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では、次回をお楽しみに・・・・