あなたの2月14日は?


 今日はぜいたくにも、贈り物の手作りチョコをかじりながら、冬季オリンピック開幕のテレビを見ています。
 私は毎週土曜日の朝、10時過ぎから20分ほどラジオの地方局の占い番組を電話で続けて30年近くになります。
 若い頃は、フジテレビ、九州朝日放送、山形放送、テレビ岩手、山口放送などに掛け持ちで出張していた時代もありますが、今は電話の感度がよくなりましたので、ラジオなら電話でもスタジオにいるような雰囲気で違和感がないようです。
 地方局も年々予算が厳しくなって、スタジオに呼ぶよりは安上がりですから、すっかり電話になってしまいました。
 それにしても、セチ辛い世の中になりましたね。
 昔は、山口放送などファンを募集してバスで温泉に行き、スタッフ共々ドンチャン騒ぎ,、図に乗ってのヨーロッパツアーなどもありましたが、今はもう旅行どころか招かれても市内のビジネスホテルがせいいっぱいです。
 ただし、晩夏から真夏ですと事情が変わります。鮎の支度をして出かけて局内の同好の士と仕事もそこそこに清流に入るからです。
 鮎釣りとなると体が冷えますから温泉に泊まるしかありません。したがってギャラのおかげで数日は楽しめます。
 それにしても、もう仕事で呼ばれてお互いにいい思いをする時代は終わりました。
 長い間ですから、いりいろなハプニングが生じます。ここでは言いかねるような出来事もありました。もう時効ですが・・・
 さて、今日は山口放送でした。
 まず冒頭に、今日は旧正月の中国では「春節」という元日です。日本の暦では・・・と、た言うとすかさず女性キャスターから「バレンタインデーです」との声があり、大安吉日で、と話し始めようとした私の声は、男性キャスターの「今年は不況で義理チョコも来ませんよ」との愚痴でかき消され、いまどき男女の贈り物論争になってしまいました。おかげで「生まれ月別に見る運勢」と「人生相談コーナー」の持ち時間が激減して私のもっとも苦手な早口言葉で帳尻あわせをして、また来週となってしまいました。

 中国の春節には、朝起きてすぐ年長者に対して祝いの言葉を述べ、その後で近所の知人や親類をまわって春節を祝う言葉を述べるという、日本の年始まわりの原点になる昔からの習慣があります。正月料理となると一般に、鶏や魚を食べるとされますが、広大な大陸でのことですから、都会と地方では正月料理も大きく異なり、北方では餃子、南方では糖菓子を食べるという習慣の違いもあるそうです。

 それにしても輸入チョコレートの高級品の高価なこと、目を見張る思いがしますね。
 元来が、ローマ皇帝の迫害によって殉教した聖ウァレンティヌスさんに由来する記念日なのですから、日本人がこれに付き合う義理などないのですが、商魂たくましい洋菓子メーカーに乗せられてしまった・・・ま、チョコぐらいは許せますが。
 聖バレンタインデーは確かに、世界各地で2月14日を男女の愛の誓いの日としていますが、日本人ほど バレンタインデーだのホワイトデーだのと、チョコのやりとりに狂ったように奔走する妙な文化はないそうです。それと、日本に見られるようなバレンタインのお返しにホワイトデーなどと、対になるような日の習慣は外国にはないとのこと、日本がそれに倣ってホワイトデーの義務を放棄したら・・・いや、そんなこと怖くてできません。
 ただ、次のような習慣は残してもいいかな? とも思います。
 ローマでは、女神ユノの祝日が2月14日でした。ユノはすべての神の女王でもあり、恋愛と結婚の神でもありました。
 祝日に続く翌2月15日からは、豊年を祈願するルペルカリア祭に入り、当時は生活が別々だった若い男と若い娘たちが祭りの期間中だけ一緒に過ごすのです。はじめの日に若い娘たちがそれぞれの名札を桶の中に入れてかき混ぜ、翌日、若い男たちが桶から札を1枚づつ引いて女を選び、そのカップルが祭りの間中パートナーとして一緒に過ごすと決められていたのです。その結果、ほとんどの娘がやがて子供を生み、それが毎年続きますので人口増加につながったそうです。
 当時のローマ帝国の皇帝は、妻や愛する女性がいると兵士の士気が下がるという理由から、兵士の恋愛&婚姻を禁止していたのに、聖ウァレンティヌスは、祭りに結ばれて恋に落ちた男女を哀れみ、秘かに兵士たちを結婚させていたのが密告されて処刑されてしまいます。その処刑の日も2月14日が選ばれたそうです。これによって、この日が恋人たちの日となった・・・本当か嘘かは知りませんが、こんなのが通説のようです。
 神戸のモロゾフ製菓さんが企んだのが昭和11年、それに追随した森永製菓が「愛する人にチョコレートを!」とか何とか新聞広告を出して火をつけ、昭和40年の新宿伊勢丹の「バレンタインデーフェア」から決定的に習慣化したそうです。
 それにしても、女が男に愛情表現としてチョコレートを贈るのは結構ですが、日本型の義理チョコは罪作りでいけません。モテない男の錯覚を招き人生を狂わせかねない悪しき習慣だからです。思いがけない出来事で狂喜乱舞したのが義理だと知って奈落の底に突き落とされ、自殺でもされたら? 殺人幇助ですよ!
 さて、冒頭のぜいたくな手作りチョコのタネ明かしです。小学6年の女の子がクラスの男の子にあげるために頑張った手作りチョコ・・・それを毎年、私にもお情けで三粒ほど分けてくれるのです。涙が出るほど嬉しい話ではありませんか・・・。
 さて、チョコをめぐるあなたのドラマは? それとも無視? それもありですね。