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夢は夢として

 夢は夢として
        花咲 寿奏

 東北や北海道は、これからが櫻の季節なのに、東京ははや初夏の陽気で季節は新緑、早いものです。早くも夏の商戦を過ぎて初夏の仕事・・・季節を先取りするファッション誌の仕事に携わる私だけに、季節感もやや狂いがちです。それでも初夏への装いは気持ちを前向きにしてくれます。
 これも最近ですが、仕事で知り合って仲良くなった知人が、ご主人の仕事で滞在していたシンガポールから帰国されたので久しぶりにお会いすることになりました。これも楽しみです。この週末は、市の交響楽団に参加しての発表会以来、暫くぶりにフルートのレッスンです。近いうちにまた演奏会がある模様なので、今から備えておく必要があるのです。
 この心の余裕も、朝から晩まで日々仕事に追われている私にとっては、明るい材料の一つです。
 週末には、東北に単身赴任中の夫が帰宅しますので主婦に戻っての平凡な家庭暮らしです。その合間に、仕事絡みの礼状や友人知人への近況報告などを、手書きやメールで送っています。時々、友人に「小まめにメールできるんだから文筆業になったら?」と言われることがあります。
 私には、そんな欲はありませんが、そんな才能があったら・・・正直、嬉しいですね。
 しかし、地道な生活設計を考えると才能のあるなしより、経済的な面を考えてしまいます。本が売れないこの御時世、文筆で生活するのは大変なような気がして、二の足を踏んでしまいます。私自身、ファッション雑誌などを仕事にする関係で、書籍や雑誌の不況は他人事ではありません ここ十年、書籍のデジタル化が進む中で、ファッション雑誌を取り巻く環境も厳しくなるばかりです。
 経費を抑える為に企画会議での食事の差し入れの習慣を止めたり、仕事を詰め込んで一日の仕事量を増やして経費を抑える出版社もあります。
 その都度、出版業界は大変な時代になってしまっていることを、身を持って感じます。
 大手印刷会社で働く学生時代からの友人も、会う度に愚痴ります。
「今は本が売れない時代だから、広告関連も東北大震災後はかなり自粛ムードだし、アベノミクスも企業が広告宣伝費に重点をおく様になるまでには、未だ先の話だからね。景気が悪いと、多方面での雑務が増えて大変なのよ」と話していました。
 この友人とは、十数年付き合いがあるのです。彼女が仕事で扱うのは印刷物ですが、皆で物作りをするという意味合いでは、彼女と私の仕事は全く別なのに価値観が似ているので気が合うのかも知れません。
 話題が出版業界不況になりましたが、私自身、現状の仕事でいっぱいですから対案まではありません。以上が「文筆業は?」と問われたときに頭の中に浮かんだことのあれこれです。
 夢を見たことから発したのに、夢のない話に終始っしたのは、われながら夢がないとは思いますが、自分の狙いは「細く長く大器晩成で」といったところですから、的は外れていないつもりです。以上のように、私の日常生活の基本方針は、のんびり焦らず根気よくですが、勿論、与えられた仕事は120%精一杯やるのが持ち味ですから、時々は疲れ切ってダウンすることもあるのです。
 それでも、限界以上のことを求めるられることもありますが。それに応じられないときに
周囲やスタッフに掛ける負担や迷惑を考えて、安易に引き受けることは出来ません。
 それに、とくに仕事上で華やかなエピソードがあるわけでもありません。 
 恐らく私の所属するファッション業界も、一般の人が思い描く華やさよりも遥かにて地味なのです。これからも地に足がついた状態で焦らず前向きに・・・夢は夢として楽しんで参ります。


経験知識

経験知識 
                PNはる

十人十色、人はいろいろな環境、境遇の中で誕生し、最初の先生である親に物事のいろはを教わる。一番最初の固定観念とも言えるだろう。何が正しくて、何が間違っているのか、判断基準にせよ、人として、男として、女としてどう振舞っていくべきなのかも最初は親に教わる。果たしてそれは確かな情報なのだろうか。
社会が家庭という枠から超えたときに、必然的にいろいろな困難が立ちはだかり、いろいろな価値観があることを知る。しかし、いくつごろまでだろうか、親の常識は世界の常識である。自我とは全く別の領域でそれは働き続ける。この世界観が変わるきっかけとしては、読書、親密な人との交流から始まる。
親というものは「最も真剣に考え抜いて自覚をしてから成るべきだ」と精神分析論の一文にあったが、妊娠して、出産したら実際問題、そこから親だ。未熟であっても、賢人であってもである。未熟さと賢人ぶりはどこで変わるのか?自分に降りかかった問題をいくつクリアすることができたかではなかろうか?月並大抵の人がクリアできることがいわゆる常識だ。恋愛や恋ぐらいは、いや、結婚ぐらいでも大抵の人がする。そこに起こる諸問題、例えば、失恋、別れ、出会い、喜びや悲しみの中で人は継続の仕方や、傷んだ心の解消法を心得ている。人それぞれであってもだ。しかしこの先にある「愛」については言葉で交わされるほど理解はしていない。いや、する経験が少ないために理解しがたい領域になってしまっている。これなしでは人が語れないほど、生きてはいけないほど大事なことが難しい問題として取り残されていく。「好き」の最上級が「愛してる」こんな誤解が生まれる理由だ。
「子供を愛している。」素敵な言葉だが、言葉先行型の人が少なくない。(ただ「愛」を語れば哲学の領域にもなってしまうことではあるが。)他人ごとでは、「愛してるのに、そんなことするの?」「愛してるのにこんなことができないの?」「愛しすぎて過保護ね(親ばかね)」と思い、思われることはよくあり、日常的に交わされる会話の一部だ。
 未熟さと賢人ぶりはここでわかる。未熟な人間は答えの出せなかった問題に対して、答えとしてきたものでしか答えられない。「愛なんて未知数」という答えの経験知識からはその人の発する「愛」という響きに雲がかかっていて、子供が質問すると答えにも雲がかかっている。「愛」を感じて生きてこれた人、「愛」を知った人から発される「愛」という言葉には光がさし、また明確であるのでわかりやすい。
 何を経験し、そこから何を得て、何を失い、そこから知りえた事柄が一番大切なのだ。一喜一憂だけをして生きた人には「疑問は愚問、しかるべくしてなっただけのこと」と、諦めの答えを語ることしかできない。逃げた答えでは子供は納得できないのである。そう、先ほど述べた世界の常識が親ではなくなる理由の一つだ。親が出せなかった答えを、必死で探し求め、そこに答えを設けることができれば……老いては子に従うべし。
 何かの問題にぶつかり、まだ出ていない疑問、愚問は私にも腐るほどある。それに適当な理由をつけて親ぶったことをいうことも多々ある。ただ最終的にすべてに答えが出ることがあったらきっと私も賢者であろう。亀の甲より年の功
 一年に一度は、大人になっても大人になりたいと思う。
今年は一つあった。
「鶏口(けいこう)となるとも牛後(ぎゅうご)となるなかれ」
 これを私の親は逆説で教えた。
「どこに所属しているか、それが大事ではないか?」
 そう教わった私は受験の時にギリギリ上のクラスに受かった。正直つらかった。でも、立派に思われたいと勘違いをして生きてきた。最近正しいこのことわざを知り、その後長男がランクを落とした高校を選んだ。彼は今、成績優秀者。(扱い)自信に満ち溢れ、輝かしいその瞳。それを見たときに、一つ大人になったと思う。 
 子供に嘘、紛らわしいことを自分の経験を交えて経験知識で語るということは避けるべきだ。本当の経験知識は深みがなくてはいけないし、そこから得た真実の情報でなくてはならない。わからないことを分からないと答えられる大人でありたい。わからないことを、いくつになっても探求し続ける大人でありたい。一つでも多くの事柄を知り、それにあまり傾倒しすぎず、大きな視線で物事をとらえられる賢者になることが今の私の目標だ。


春の一日

  春の一日
       倉本 真由美

 鶯が鳴き暖かい一日でした
 が、花粉のせいか鼻水が…
 燕らしい鳥が飛んでいたような…気のせいかなぁ
 春のお楽しみといえば、筍掘りです。
 なぜか楽しくて毎日のように山に行ってしまいます
 まだ少し早いようで今日はありませんでした。
 今日は出張カットしました(義母のですが)
 暖かくて気持ちがよかったので、外でしました。
 桜も咲き始めました
 場所によって咲き具合はずいぶん違います
 山桜は満開ですね
 うちの家の前の桜は七分咲きというところでしょうか
 花粉は天気予報ではヒノキが最盛期と言っていますがそれほど感じません。
 いつもなら杉花粉よりヒノキ花粉の方が症状がひどく出るのですが…
 でもやっぱり黄砂のひどい日は鼻水と目のかゆみがひどいですね


ときめき

  ときめき 
           松野 多美子

  恋愛・結婚についてですが、未婚の私がお伝えできることがなく。
  恋愛といいましても、お話しできるようなこともなく。
  ただ、想いおこしてみると、学生の頃は、好きな人が通るだけや、視界に入ってくるだけでドキドキしていました。
  と、懐かしく思い出してみると、胸のときめきを感じていた青春が懐かしいですね。

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  婚活での失敗
            嶋中 美穂子(仮名)

 過去の恋愛を色々と思い出そうとしてみたんですが、今の主人と結婚してから、ほとんど過去を思い出す事がなくて、結婚してまだ2年ちょっとなのに、もう何十年も一緒にいるみたいな感じがしています。
 大恋愛も失恋も経験したはずなんですが、不思議と片思いに終わった恋の方が、心に残っています。
 手に入らなかったから、逆に心に残っているのかも知れないです。
 主人と出会う前に1年半、婚活をしましたが、婚活での失敗や気づき、学びは大きかったです。
 たくさん失敗し、心理学の本も読みあさりました。先生が執筆中の本の第1章5から10の項目は、私が学んだ事と一致して、そうそう!と頷いてしまいました。
 今となっては、この婚活での失敗や気づきも、占いに活かせると思っています。

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日々勉強です
           宮川 沙耶香(仮名)

 私の恋愛は若い18歳からの7年付き合った彼とは結婚にいたりませんでした。
 何をするのも一緒で、お互いに1番好きだったのに結婚はできず、タイミングが合わなかったんだと思います。
 その後、26歳からの8年間一緒に同棲した彼とは、現実的な生き方を教えられた感じです。
 さらに、知的障害をもった子供と過ごした時間や彼から学んだ人とのつながりも、私の成長には役立ちました。
 そして、今の夫と出会い結婚しましたが、まったく逆の性格なので戸惑う事も沢山あります。
 結婚は恋愛とは全く違うものだといま思います。
 ただ、同じ夢や相手を尊敬する事で絆もできるのかなと思ってます。
 やはり、人生は日々勉強ですね。

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  それぞれの人生
          匿名さん。

 私のよく歩く道沿いの寺のフェンス越しから見える江戸時代の墓石郡の一つの「理想信士 貞意信女」という(多分ご夫婦の)墓石が前は好きで「いいなあ」とうっとり空想にふけって、自分があたかも「貞意信女」の生まれ変わりのように
思ったりしていたのですが、最近新たな解釈が自分の内に芽生えました。
 それは、私の結婚観だったのですが「彼には彼の人生があり、私には私の人生がある。結婚したからといって私の人生を彼の人生と重ねることはできない 私は私の道を行く」、このような私なのだから これは以前の私の墓石ではない。ゆえに私は、おもいっきり今生の私の人生を刻むこととしました。


父と母が離婚して・・・

   前川 千尋(仮名)
わたしのお母さんは大分県出身で集団就職で福岡県にや
ってきました。もともと人と関わるのが苦手でなかなか
友達を作ることが出来なかったときに福岡に住んでいる
従姉妹の紹介でお父さんと知り合いました。
そして結婚をし、お父さんの父、母と一緒に暮らすよう
になりました。
その時に初めて心を開ける友達ができたそうです。
お母さんと歳も近い女性でよく姑さんのことを話したり
相談相手になっていてくれたそうです。
しかし、長くは続かずある日いきなり御父さんが凄い剣
幕でお母さんをどなり散らしたそうです。
『よくも前山家の悪口をゆってくれたな』と心を開いて
いた女性はもともとお父さんの父母と仲良く話が筒抜け
になっていたようです。
そこから嫁姑の仲も悪化し離婚をしてしまいました。
離婚して20年位たちその間友達を一人も作ることもな
くいまに至ります。
お母さんが自分で前髪を切りすぎ私たち子供からおかし
いと言われても『お母さんなんかどうでもいいと』と言
うようになりました。
そして前の職場ではお母さんを含め三人で事務作業をし
ていましたが、二人からいびられ誰にも相談できる人が
おらず、とうとう精神病、適応障害になり仕事をやめな
ければならなくなりました。
その半年後今の職場に就職し運命が変わりました。
新しい職場の一人の男性がお母さんに猛アタックしてく
るようになりました。
 お母さんから話を聞いたとき恥ずかしそうにでしたが
とてもいい笑顔でした。
その方とはこの頃付き合い始め、毎日電話やメールをし、
学生のような恋愛をしているようです。
男性はお母さんの一つ下でバツイチ子供なし。
前髪なんか気にしなかったお母さんが切りすぎてしまっ
たー! どうしよう(;o;)などと言ってくるようになりま
した。
その人とはもう再婚を考えているようで、しかし二人に
はおばあちゃんの存在が大きいらしくおばあちゃんは,
おじいちゃんの死後福岡で一緒に暮らしてきましたが肩
見の狭い様子です。
お母さんにもそれは伝わってるらしく再婚したらおばあ
ちゃんもっと肩見の狭い思いしちゃうからと言っていま
した。
離婚をしたわたしのお父さんは姉の結婚式の前日に呑み
に行く機会があり二人で呑みました。
その時に『お父さんは離婚してから彼女を一人も作らな
かった』といわれました
言い寄ってくる女性もいたようですがなんで? と聞く
と『お母さんが嫌いになって離婚したんじゃないから。
おばあちゃんと合わなかったからそれを守ってあげれな
かったのは俺に非がある。申し訳ない。から、もしお母
さんがおばあちゃんになって働けなくなってまだ一人な
らまた一からやり直そうって言うつもり。一緒に暮らし
たい。』と、伝えられました。
そのことはお母さんには伝えておらず、わたしはお父さ
んにもお母さんにも幸せになってもらいたいですが、お
母さんに彼氏が出来たことお父さんに未だに言えずじま
いです。
それぞれの人生なのでわたしは何も言う権利はありませ
んが心のモヤモヤはたしかにあります。

(注)親を想う子の心・・・ジーンと来ました。花見正樹


積極的に種まきを!

坂田 奈緒美(仮名)

私は若いときから女性ばかりの環境にいたため長い間、男性や恋愛には理想や憧れを抱いていました。
 それが実際に男性と知り合い交際を始めたら、まるで違っていて戸惑うばかりでした。
 今でも忘れられない恋の思い出も、後悔もたくさんあります。
この本のターゲットがどのような方かは、分からないのですが、自分自身の
高校生頃から結婚までの時期の行動等、思い出した事をお伝えします。

自分は恋愛をしたいという思いは積極的で、高校生の頃から合コンと呼ばれる
ものに頻繁に出かけていました。
しかし、何十回と合コンしても、付き合うまではいきません。お友達に
なって、次の合コンをセッティングするぐらいでした。
それに対して、友達の紹介だとまぁそこそこ1,2回ぐらいデートします。合コンとの
違いは、目の前の方に対して良いか悪いか一旦お答えしなければいけないから
進むのだと思います。ただ、高校生で慎重派の私は結局付き合うまではいきません
でしたけど。。
大学生になると、お見合いパーティーに良く参加して、彼氏もできました。
その頃、わかったのが自分から積極的に話す人よりも話しを聞いてあげる方の
方がよくモテるなーということでした。あと、人の好みも十人十色とはいうものの
やはり見た目重視だなということ。お見合いパーティーの様な場だと少し華やかで
でも優しそうで、話を聞くタイプがよくモテていたように思います。
さらに、社会人になって思ったことは、男性って嫌な面もたくさんあるな。という事で
す。
裏を返すと、会社で働いている時がその人の本性がよく出るので、付き合う前に、
お互い意識する前に一度仕事を一緒にすると、悪いところ、良いところが良くわかって
良い気がしました。結婚前に一度同棲をした方が良いというのと似ていますね。
振り返ってみると、結婚するまで、自分は周りに「良い人がいたら紹介してー」が
口癖だったせいか、色々な方が知り合いを紹介してくれたような気がします。
そして、その中のひとりが今の主人です。
恋愛は自分から少し積極的に種をまかないとやってこないというのが、私の教訓でした


思い込みは邪魔なだけ

「思い込みは邪魔なだけ」
       倉本 真由美(仮名)

 恋愛、結婚の感想について、思いつくままに書いてみました。
 まず、目次でヒットしたものに「似たもの同士は反発する」があります。
 私と夫は似たもの同士です。でも、この目次と反対で、上手く行っていると言えます。
 生年月日も2週間違い、どちらも第一子、高校を卒業後はお互い同じ土地で過ごしていて、その後、地元で就職しています。
 さらに、親の年もほぼ同じ、テレビをでも見たいものは大体同じ、過去の話題も共通で盛り上がれます
 周りの方からは良く出来たご主人ですね、と言われますが……夫が我慢しているかも?
 普段、それほど会話はないですが、機嫌のいい沈黙がある感じです。
 上手くいっているのは、きっと夫の気持ちや行動が、仕事以外は、家庭と私に向いていると感じられているから! ん?
 でも、上手くいっているゆに感じるのは、似た者同士だからではなく、夫の気持ちの方向性かも知れませんね。
 結婚した頃、夫のことを何をするのも遅くてしんきくさいと感じていました。
 出かける時も、私より用意が遅いし…と、思っていました。
 それが、ある時、まだ幼いかった子供をつれて外出する時でした。
 私が、オムツ、よだれ拭き、おしり拭き、などと出かける直前になってバタバタと焦っている時、夫は、自分が用意すべきものはさっさとリュックに詰めて担ぎ、子供を抱いて表にいました。しかも、待っている事を感じさせない自然体でのんびりと、庭の花などを眺めて、余裕のある雰囲気なのです。

 それを見た時、あれ? 夫は用意が遅くてどんくさいと思っていたのに、用意が遅いのは私で、夫は、全く急いだ様子も見せないのに用意が早いことに気づいたのです。
 これが、私の見ている世界が反転した瞬間でした。
 どんくさいのは夫だと思っていたのに、どどんくさいのは私だったと初めて知ったのです。
 それからは、相手の事だと思っていたのが私だった、ということが続出して、それは、とても不思議な感覚でした。
 その日を境に、用意が遅いし何事もどんくさいと思っていた夫は、それなりにサッサッっと用意の出来る夫であることを知り、自分の思い込みの間違いに愕然としたものです。
 夫に何を言ったわけでもなく、私が夫を理解しようとしたわけでもないのに、夫の欠点と思っていたのが実は自分の事だったと気付いたのです。 これまでは先入観で、自分の欠点を相手にあてはめて見ていたことに気づき、自分を恥じました。
これは実に不思議でな感覚で、ここから夫婦関係が一気に好転したような気がします。
 この日を境にして素直な目で自分と相手を見るようになり、自分も欠点だらけの自分を取り戻しました。
 しかも、これを全てにあてはめてみると、恋愛も結婚生活も上手くいくような気がするのです。
 恋愛も結婚生活も、思い込みを捨てて素直な目で相手を見る……私にはこれが欠けていたのです。
 もう一つ、思い込みが変わった事件がありました。
 私の父は、家の事をほとんどしない人でした(これも実は思いこみですが)。
 そのため、男は女のする事を手伝わないと思い込んでいました。
 だから、結婚してからも、夫には、食事の支度を手伝って欲しいなどとは言えなかったのです それに、「ちょっと手伝って」と言って、拒否されたら傷つくし腹が立ちます。
 ある日曜日、昼食の支度で、天ぷらを揚げながらソバを茹で始めたところ、突然、寝ていた子供が泣き始めたのです。
 油は火止め、ソバは火を弱めて子供のところに行きました。すると、子供が粗相でオムツを汚たのに気づきました。
 台所では、天ぷらはほぼ揚がっていて問題ありませんが、ソバの鍋が心配です。
 思わず、新聞を読んでいる夫に「台所手伝って!」と声をかけました。結婚して以来のことです。
 すると、「いいよ!」と、気軽に立った夫は、なんと鍋に少量のビックリ水を入れて泡を静め、ソバの様子を見て火を強めました。それだけではないのです。油の入ったフライパンを再び熱くして、やり残した天ぷらの具材を揚げ始めたのです。しかも、自分が玉ねぎが好きなものだから、余分に1ケ取り出して皮を剥き、練った粉に絡めて、一気に天ぷらを仕上げました。その間に、ソバの様子を見て火を止めていましたから、それをザルに移して水道の蛇口の下で勢いよくさらし、全てが手際よく終わって、私が子供のオムツを替え終わって手を洗った頃には、なんと、食卓に天ぷら、ソバ、ソバつゆが揃っていて、夫は、冷蔵庫から生ワサビを見つけておろし金で擦り下ろしている最中でした。
 私は唖然として言葉もなく立ち尽くしていましたが、ふと、どうせ夫のことだからソバは湯で過ぎ、と思って気を取り直し、ソバを少しつまんで口に入れてみました。湯で加減が絶妙で、見ると、天ぷらも見事にこんがりと揚がっています。どうせ、まぐれだとは思ってみましたが、何だか毒気を抜かれたような気分です。
 それでも気を取り直して、少し嫌味かなと思いつつ、「これからは何でも手伝ってもらおうかな」と言ったところ、夫の口から出た言葉は単純明快で「いいよ!」・・・これだけでした。
 全く、今までの遠慮はなんだったろう? 目から鱗!! これからは何でも気持ちよく手伝ってくれます。
 思いこみで、いつも自分の中で葛藤しているんです。
 これが、人生を狂わせている。私にはそう思えました。
 恋愛、結婚、さまざまなケースがあると思います。
 離婚をするカップルが、日本でか世界でか知らないけれど半分あると聞いています。
 離婚する人たちには、それなりの幸せとは無縁なストーリーも沢山あるでしょうね…
 でも、その中には、私のような思いこみと勘違いによるコミュニケーション不足も多々あるような気がします。
 しかも、このコミュニケーションが一番難しいものだと思います。
 コミュニケーションの一つとして、女性が夫婦生活を断らないというのはどうでしょうか?
 男の人は、それを断られると、人間性まで奪われる、信頼していないように男性は感じるらしいのです。
 それに、それを拒絶すればするほど夫婦関係もギクシャクして女性の魅力も無くなり、男性の浮気の元をつくります。
 嫌だと思っても、とにかく受け入れて見るのも……それでも断りたいときは、せめて寄り添うだけでもいかがですか?
 ただ、これで男性が納得するかどうかは分かりません。
 男と女は火星と金星ほど違うらしいので、そこを理解して付き合うことも必要ですね。
 女性はよく「わたしのどこが好き?」などと男性に確認を求めますが、男性はこのような、どうでもいい事、どうにもならないことを言われるのが苦手でストレスになることも確かのようです。
 ならば、女性としては、多くの男性が「どこが好き?」とかの質問に、素直に回答できないことも知っておくべきです。
 そんな心配などしなくても、女性は、好きな男に愛されてる・・・こう信じて安心していればいいような気がします。
 と、これは私の独断でそう思っているだけで、世の中さまざま千差万別なのも承知の上での発言です。
 それと、男性はどうもポイント制らしいのです。
 そこで、女性側としてはポイントアップのための策を弄します。
 まず、男性の言動に、女性が喜ぶとポイントアップ。その逆がポイントダウンです。
 男性は単純ですから、男性がしてくれた事に女性が喜んでいれば、男性はいい気分でいられるらしいのです。
 ちなみに、私は週一程度ではありますが、夫に対して「私や子供の為に働いてくれてありがとう」とさりげなく言います。
 もちろん、何かしてもらったら「さすが!!」「すばらしい!!」「ありがとう!!」、このぐらいのことは言います。
 これえ、喜んでもらえて、また喜んで手伝ってくれるなら安いものです。口だけですから無料えす。
 それから、お買いものについての主婦の知恵です。
 どうしようかと迷った時は、パートナーに相談してパートナーが決めたものを買うとヒット!!、こんな例がよくあります。
 きっと、パートナーの声は、気付いていないだけで自分の陰の声のような気がします。
 そう思って聞くと、ありがたい言葉になります。
 ともあれ、我が家は私の作戦勝ち・・・こう思っていました。
 でも何だか、夫のほうが一枚上手のような気がしてなりません。
 さあ困った、こんな思い込みが頭を支配すると、また新たな対策が必要になりそうです。

(注)美容院経営、心理カウンセラー、エッセイスト。私(花見)の強力な取材協力者です。


二つのクリスマス・パーティ

二つのクリスマス・パーティ
              匿名さん。

 今ならずぶとい神経も、当時の私は、華奢で風で
折れそうな可愛い神経の持ち主でした。
 大学1年から2年にかけてファミレスでバイトし
た時、そこで1歳上の先輩Aさんに一目惚れしまし
た。でも恥ずかしくて、結局いつも遠くから見てる
だけで・・・なぜか、意識しちゃうと、話せなくて。
 他のバイトの仲間とは、何でもしゃべれたのです
が・・・そんなこんなで、約2ケ月ほど経った12月
のはじめ頃、たまたま、家の近くを散歩していたら、
同じバイト先の1つ上の男の先輩Bさんが車で通り
かかって、Bさんの彼女の家がすぐ近くで、その帰
り道とのことでした。
 そこで、家まで送ってもらうことになりました。
 車内で、いろんな話で盛り上がり、
“彼氏いないの?”
なんて、話になって、つい、その好きな先輩Aさん
のことを言ったら、なんと、Bさんは、そのAさん
とプライベートでも仲良しとのことです。
 Aさんも彼女はいないってことで、今度、Bさん
の彼女ともども、ダブルデートのセッティングして
くれることに話が弾みました・・ヤッホー! です。
 なんと、そのダブルデートはクリスマスイブの日
でした。
 Bさんの彼女とも初対面でしたが、Bさんの彼女
の家が偶然、私の家から車で10分ほどの所でした。
 すごく、気さくな方で、すぐにお友達になって、
そこで、Aさんも交えて4人でクリスマスパーティ
を開きました。
 夢のような一日でした。
 Aさんは、まだ車もっていなかったけど、Bさん
とその彼女の粋なはからいで、飲食を終わった頃、
そろそろ二人になりたいからって、Bさんが車を貸
してくれて、Aさんの運転で初めて二人で、夜景を
見にドライブにいきました。
 周りもカップルばっかりで・・・
 好きな人とクリスマスを過ごせるなんて、最高に
HAPPYな時間が過ぎて・・・。
 そんなこんなで、お付き合いがスタートしました。
 でも、当時の私は、自分のことをよく見られたい!
って気持ちが強くて、何を話そう、どうしよう・・・
この連続で、ちっとも自分の素を出せなくて、デート
が嬉しい反面、正直いってすごく疲れました。
 Aさんもサプライズが好きな方で、車を買ったみた
いで、でもそのことは、黙ってて、私をびっくりさせ
たかったみたい! でも、あいにく(;_;)ことに、A
さんの同じ年の1つ上の女のD先輩から、バイト中、
“Aさん、あんたのために車買ったよ。よかったね!」
って、先に聞いてしまいました。
 Aさんは、私が喜んでくれるかなって、いいながら、
そのDさんと中古車屋さんめぐりをして、車を買っの
です。
 Aさんは、まさかD先輩が私に、車を買ったことを
話したなんて、夢にも思ってないらしく、デートの時、
誇らしげに、「今日は車でデートだよ♪ジャジャーン♪」
みたいな感じです。
 私も私で、初めて知ったかのような下手な演技で、
デート開始・・・でも、なんだか本音で話せない自分
が嫌で、彼、せっかく、自分のために驚かそうと、は
りきっているのに、私があんまり嬉しそうじゃないか
ら、彼は彼でだんだん、テンション下がって、そのう
ち、せっかくのデートなのに、好きな人が隣にいるの
に、挙句の果てには、私の心の中では、Aさんは、同
級生のD先輩のことが好きなのかなあ??? と疑心
暗鬼に。
 その後のデートもぎくしゃく、なんでこうなるのと
自己嫌悪・・・思いとは空回りする自分に嫌気がさした。
 そんなほろ苦い思い出もあります。
 今となっては、人生経験が浅い当時は、自己中で、A
さんには、なんだか、悪いことしたなあって、思いです。
 その後、半年ほど経って7歳年上の彼氏ができました。
 彼は、姉のクラスメートで、たまたま姉と一緒に写っ
ている写真を見て、是非、会ってみたい!って、言われて、
ご対面!
 学生の私にとって、社会人の彼は、本当に包容力があり、
何でも話せて、何でも知ってて、おもしろくて、とっても
頼りになる素敵な方でした。
 私の家族もみんな、彼のことを気に入り、大学を卒業し、
私も社会人になって1年目、そろそろ結婚を意識し始めた
頃、彼の母親が長崎からいらっしゃるとのことで、一緒に
食事にいくことになりました。
 女手一つで育てた自慢の息子! 母親を思いやる彼の姿
を目の当たりにし、そのあまりのきづなの強さに、ショッ
クを覚え・・・結婚したら、長崎の実家で、歯医者を開業
することになっていたので、急に、知らない土地に一人で
いく不安に突然かられ、その後、なんだか、うまくいかな
くなり、多分、お母様に私は気に入れなかったようで、結
局、別れることになりました。
 結構、ショックで、半年ほど、引きずりました。
 そんな時、友達から、100人定員の出会いのクリスマ
スパーティーがあるから、一緒に行ってみない?って話に
なって、なにげなく参加し、そこで、出会ったのが、夫で
す?
 12月に出会って、6月に結納、3月に結婚と、あっとい
う間でしたが、結婚の決め手は、熱烈で誠実な彼とすにな
れる自分と飾らない優しいご両親かなあ! とっても、自
然な流れでした。自然って、大切ですね!
 こんな内容でいいものかと思いつつ・・・書いちゃいま
した!なんだか、久しぶりに、昔を懐かしみ♪ 今となっ
ては、ぜーんぶ、素敵な思い出、今の自分をつくってくれ
た貴重な経験、これをクリスマスがくる度に思い出して一
人でニヤついています。 

(注)やはり、過去の愛情遍歴があっての今の幸せですね。
 元教育関係で活躍し今は経営者としてもカウンセラーと
してもカリスマ性を発揮して活躍中ですから当然ですが、
文章力の凄さにも脱帽、文筆業にも向いていますよ! 


夕焼けの恋

「夕焼けの恋」
       児玉 多代。
 
 私は今、多忙です。
 ある生涯学習の勉強会で更級日記の講義を受けたり、明治座の若手花形歌舞伎、夜の部に駆けつけたりします。
 毎日、朝から晩まで何がしかの用があって出歩くのですが、やはり、年齢を重ねると疲れるのを最近は感じています。
 ところで恋に関していえば、だんぜん男性のほうが純情で、夢を持っているのではないでしょうか?
 私の周りの、再婚した友人夫婦らは、いずれもご主人が奥さんに尽くし、女性ははっきりと自分を主張しています。
 再婚を考える女性は、経済的な理由が多く、また他人と一緒に住むことに抵抗がない人ではないでしょうか。
 また、家族と一緒に暮らしている人も、結婚を考えるようですが、私の周りにいる仕事をしてきた一人暮らしの女性は皆独身を楽しんでいます。
 もう、一人暮らしに慣れて、誰かと一緒には住めません。
 気難しいご主人をもつぃ友人に、
「あなたは自由で良いわね。私は急いで帰って夕飯の支度をしなければ……」
 このようにうらやましがられたので、彼女に慰める意味もあって
「あのね、自由と孤独は表てと裏 あなたを待っている人がいる夕飯を楽しみにしてくれる人がいる、素晴らしいじゃないの。私は、これからぶらぶらして、知り合いの店で夕飯を食べて帰るわ。一人分の食事を作るのは面倒だから」
 これは半分は本音です。
 ただ、ちょっと見のいい男性に会っても、もう胸がときめかなくなったのは寂しい事です。
 昔、30年以上前ですが、平岩弓枝原作の”夕映えの恋”か”夕焼けの恋”か題を忘れましたが、家元の息子、若き日の団十郎と50歳の若尾文子の恋物語で、年があまりにも上だからとためらっていた若尾文子が結局恋にのめりこんでいき言ったセリフ、”女が女で無くなる前に、夕焼けのように赤く燃えたの”という言葉がありました。
 私のケースは、母と一緒に銀座の花見サロンに結婚相談に伺った内容が最後の恋でした。
 結局、相談内容と関係なく、その時の諸事情で結婚を断ったら、彼は怒り、こう言ってそれきりです。
「男が子供を産んでくれと言うのは、本気なんだぞ!」
 私が、恋人のままが良いと言ったものですから……。
 あれが私の夕焼けの恋だったのかも知れません。

(注)元ツアコンの親玉で数ヶ国語を操り外国旅行のガイドブックの著作も何冊もある才女です。


夢を取るか実を取るか?

 「夢を取るか、実を取るか?」
        匿名さん。

 ふと、恋愛、結婚について考えてみました。
 私はもうすべて卒業してますが、それでも青春
はありました。
 私にとっての恋は、胸のときめきでした、
「あばたもえくぼ」と、いう人もいますが、私は、
欠点がわかっていても 好きという気持ちが抑え
られない感じでした。
 その時の勢いで結婚すれば、悔いることになる
かも知れません。そして女も30,40になると、
結婚に打算がからみます。ただ、女には演技が混
ざります。
 恋をしている自分に酔っているいて、他人に見
せたい感じとでも言いましょうか。
 その時、すごく良く見せたいと思うのです。
 林真理子さんが、かなり前に書いた小説に、他
人、友人の目に映る自分を無意識のうちに、素晴
らしい恋人、幸せな妻、事故で半身不随になった
夫にかいがいしく尽くす妻、多分愛もあるでしょ
うが、何より演技も入っているという話で、なる
ほどなと記憶に残っております。
人間て私の感じでは、どんなに困って相談、話を
している時も絶対に全ては話さない、自分に都合
が良い事のみ話しているように思えるのです。
 将来の夢を語るうちに、理想の自分を投影して
いる場合もあります。
 今、私の周りにいる結婚している友人は、長年
一緒に仲良くしている夫婦も、定年後は奥さんに
頼り切っている方が多いようです。奥さんがいな
ければ何も出来ない夫が多いという事でしょうか。
 ご主人に行動を制限されて、こぼしている奥さ
んに、ある人が「尽くすのが仕事」だと思いなさ
い。と忠告しているのをききました。また、その
人は、大金持ちの浮気ばかりしている夫を持つ奥
さんに「嫌なら別れなさい、でも今の生活は出来
なくなる、どちらを取るかは、あなた次第だけど、
何か自分の楽しみを作ってみたら。別れたら今み
たいに奥様、奥様と皆に言われることも無くなる
わよ」とも言っていました。
 現実を見抜いての言葉だと、つくづく感心した
ものです。

(注)ご本人の経験談にも思えますが・・・?