サプライズ
高橋 禮子
めざすのは稽古場風の小劇場どんな演出そこにあるやら
いまだ見ぬ場面にわくわく歩みつつよもやの転倒ゼブラゾーンに
青信号わたるまなかの赤信号われに点るも気付かなくって
両の手を荷物に占領されていて路面に頭をガンとぶつける
納得のいかぬ転倒バランスをくずしただけとは思えぬしばし
人形が倒れたような姿勢でも即立ち上がり「大丈夫です」
薬局を見つけてくれる人のいてほのと温もる痛みやわらぐ
ガードレールにバイクを寄せて「大丈夫?」頷くわれに笑顔が返る
迫真の演技のようなサプライズ省みながらこぶに「冷えピタ」
桜小路の芝居にやっと間に合ってゴジラとやよいの愛の語りを